《櫻井ジャーナル》

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2022.07.28
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 アメリカ政府を後ろ盾として登場したウクライナのネオ・ナチ政権がドンバス(ドネツクとルガンスク)へ軍事侵攻、その一部を占領したのは2014年、クーデターを成功させてまもない頃のことだった。その時からドンバスでは戦争が続いている。2019年の大統領選挙で当選したウォロディミル・ゼレンスキーも戦争を継続、「戦う大統領」を演出している。

 そのゼレンスキーが「愛する妻」とアメリカのファッション誌「VOGUE」に登場、話題だ。戦場風の背景をバックに撮影された夫妻の写真が掲載されているが、和平への道を探る人びとを処刑すると恫喝、摘発、拉致、殺害してきた政権のトップというイメージはない。





ゼレンスキーを操ってきた人物

 コロモイスキーによってゼレンスキーは「コメディアン」として売り出され、人びとに良いイメージが植え付けられた。その売り出しには西側の支配層も関与していたはずだ。

 選挙期間中、ゼレンスキーは腐敗の根絶、進歩、文明化、そしてドンバスとの和平実現といった公約を掲げている。クーデター直後から新体制の支配者たちは国民の資産を略奪し、社会を破壊。ネオ・ナチの恐怖も消えず、ロシアを敵視する政策を続けた。そうした状態を変えることを有権者は期待したのだが、当選後のゼレンスキーは期待に応えなかった。

 しかし、有力メディアを通してウクライナを見ている西側の少なからぬ人びとはゼレンスキーを英雄視している。ロシア軍が2月24日にウクライナで軍事作戦を始めて以降、彼は軍人が着るようなTシャツを身につけ、よく手入れされた髭を蓄えて映像の中に登場してくるが、これも西側で「受ける」ように考えられた演出なのだろう。

 戦争自体についても西側の有力メディアが流すストーリーはハリウッド映画的で、「勇敢な市民が邪悪な侵略軍に立ち向かい、勝利する」という「ダビデとゴリアテ」的なものだが、こうしたシナリオは事実によって壊されつつある。戦場を舞台としたラブ・ロマンス的な演出に効果があるかどうかはわからない。






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最終更新日  2022.07.28 14:10:09


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