ここにきて日本は戦争準備を急ピッチで進めていますが、その背景にはアメリカ支配層の覇権計画があります。アメリカの支配層が覇権に執着していることを認めたくない人が日本には多いようですが、これは否定できません。第2次世界大戦後にアメリカの好戦派はソ連に対する先制核攻撃を計画したことは本ブログでも繰り返し書いてきました。これを理解しなければ沖縄の軍事基地化は理解できません。この計画に立ちはだかったジョン・F・ケネディ大統領は暗殺されました。
アメリカはアングロ・サクソン系国のひとつですが、同じイギリスは世界制覇プランを19世紀に立て、これは現在も生きています。そのプランの中心にいたセシル・ローズは優生学の信奉者で、アングロ・サクソンを最も優秀な人種だと考え、帝国主義的な侵略を正当化していました。
19世紀における最大の経済国は中国(清)であり、その制圧を狙ってアヘン戦争を始めて勝利しますが、占領するだけの戦力はありませんでした。そこで目をつけたのが日本であり、明治維新につながったことも本ブログで繰り返し書いてきました。その明治体制、つまり天皇制官僚システムは現在も生きています。
ここで言う「イギリス」や「アメリカ」は実際のところ「シティ」や「ウォール街」、つまり米英金融資本で、国際機関の幹部や各国のエリートを飴と鞭で支配、コントロールしています。
支配のネットワークはロシアや中国にも及んでいますが、それでもロシアは自立度を高めてきました。アメリカの電子情報機関NSAの機密資料を外部へ持ち出し、内部告発したエドワード・スノーデンは結果としてロシアで生活することになりますが、告発当時、イギリスの元MI5(防諜機関)幹部は、スノーデンをアメリカの情報機関から守れるのはロシアだけだと言っていました。スノーデンは2013年5月に香港でジャーナリストのグレン・グリーンウォルドへその資料を渡したのですが、中国は彼を守りきれないということです。
ウクライナを制圧してロシア征服を実現しようとしていたアメリカ/NATOの好戦派(セシル・ローズ人脈とも言われている)はその計画に失敗し、中国へ矛先を向けつつあるように見えます。日本は1995年にアメリカの戦争マシーンに組み込まれ、対中国戦争(必然的に対ロシア戦争にもなります)の最前線に立たされようとしています。アメリカや日本の軍事戦略を「防衛」や「反撃」という視点から考えることは根本的に間違っているのです。
櫻井春彦