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2020.09.16
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カテゴリ: カメラ

遠い地平線が消えて、深々とした夜の闇に心を休めるとき、遙か雲海の上を音もなく流れ去る気流は、たゆみない宇宙の営みを告げています。
 満天の星を頂く果てしない光の海を豊かに流れゆく風に心を開けば、きらめく星座の物語も聞こえてくる夜の静寂の、何と饒舌なことでしょうか。
 光と影の境に消えていった遙かな地平線も瞼に浮かんで参ります。
(「ミスター・ロンリー」のBGMがしばし続きます。)
 夜間飛行のジェット機の翼に点滅するランプは、遠ざかるにつれ次第に星の瞬きと区別がつかなくなります。 
 お送りしておりますこの音楽が美しくあなたの夢に溶け込んでいきますように・・・。

 おぉ~、なんと素晴らしく印象的なプロローグなのでありましょう・・・。耳から聞いても、こうして文字に書き起こしても絶世の名詩ですネェ~。
 あなたは、城 達也さんの名調子で始まるこの「ジェット・ストリーム」というFM放送を覚えていらっしゃるっでしょうか。昭和42年、FM放送が開始以来、今日まで営々として続いている名物番組の導入部分ですね。
 城さんは27年間にわたり、この番組のパイロット役を続けてこられましたが、平成6年に降板以来、このプロローグを聞くことが出来なくなりましたが、私にはこの一言一句が深く脳のヒダに刻み込まれております。
 この放送が始まった昭和42年当時、私は学生でありました。その頃は、もっぱらラジオの深夜放送を聴きながら学習することが一つの文化として息づき始めた頃だったのです。

 それぞれの民放ラジオ局が競って番組を盛り上げていましたのでリスナーの若者も「誰が何と言おうと糸井五郎が最高」とか、「私は土井まさるがいいナァ~」などと、いろいろ青春していたわけです。
 私も深夜、期末試験の勉強中にそれらの放送を聞いていたのですが、どうも脳味噌が二つのことを同時に処理できる能力を持ち合わせておらず、どうしても聞き込んじゃうンですね。それほど面白かったということもあるのですがラジオを聞きながら物理のルート計算とか英語の助動詞がどうしたこうしたなんて器用なことが出来ないんですよ。
 気が付くといつも、パーソナリティがしゃべっている恋愛相談なんかをジィ~ッと聞き込んでしまい、「うん、それで」などと相づちを打ちながらどっぷり番組に漬かり込んじゃう。とてもじゃないが、勉学どころじゃなくなっちゃうわけです。
 この癖(へき)は40年を経た今も直らず、仕事中にラジオをつけると聞き込んじゃう。

 ところが、このジェットストリームに限っては城さんが控えめに、それも品良く曲名をサラッと案内するだけ。取り上げてくれる曲も、イージーリスニング ちゅ~やつですか、心地よく耳に響くものばかりで、これは勉学の邪魔になるどころかスイスイ能率が上がるような錯覚が出来て非常に具合が良かったのであります。

 以来、深夜放送といえば、「ジェットストリーム」が定番になってしまいました。おかげで、友達と交わす深夜放送の話題では、いつも蚊帳の外、糸井五郎さんの「Go・Go・Go」には着いて行けなかったのであります。

 話が、またまたギュゥ~ンとコースを逸れてきましたので戻します。 そう、これは「 写真機の話をしよう 」なので私の単純極まりない脳味噌のことなど、どうでもいいことだったですね。 今回、お話ししようと思っているカメラは「チノン35FX-III」です。チノンとしては結構売れた 「チノン35F」 の後継機ですね。




 この35FX-IIIは、1990年代初頭に出てきたカメラなので、昔ながらのコニカC35的デザインの35Fとはまったく異なって、いわゆるストリームデザ インに身を包んでいます。アンバー色でオシャレをした電源スイッチとシャッターロックを兼ねたスライドレンズカバーの形が、エアーライン機の客席窓を、ま た、ファインダーをカバーしている透明な窓がコックピットウィンドウを連想させませんか。
 このカメラをジィ~ッと見つめていると、そんな想像が湧いて生きて、折しもそれが深夜だったものですから、前段の「ジェットストリーム」などに想いが巡ってしまったわけです。

 それではこの「35FX-III」なるカメラの正体をほんの少し・・・。
 レンズの焦点距離は、相変わらず35ミリ。昔は35ミリといえば立派な広角レンズでしたが、この写角に慣れてしまうと、これほど使い易くて便利な焦点距離は他にないですね、スナップやファミリー写真撮るのならベストな写角です。
 レンズはf4.5。「35F」ではf3.8でしたので一見するとスペックダウンのように感じますが、このカメラはピント調整をする必要の無い固定焦点式 です。ですから深度を稼ぐ意味でも1段くらいなら暗い方が安心なのです。何だか変な理屈ですが、そこはあまり深く考えずに納得しちゃってください。
 もちろんレンズ構成は伝統(?)の三枚玉!トリプレットの名機は数あれど、このチノンの三枚は魅惑的ですね。私の経験など極々少ないのですが、今のところ、このチノンの三枚は他社では決して真似の出来ない頭抜けたクセ玉(勿論、最上の褒め言葉として)だと感じています。

 シャッターは電気が必要な機械式?1/125秒の一速のみ。(間違いなく機械式なのですが、どういう訳か電池を入れないと作動しないのです)撮影時は常にf8で固定されています。フラッシュをオンにしたときだけf4.5(開放)に開きます。私がここでアタマを捻っちゃうのが「DX対応」という仕組みで す。ボディの右横に、如何にも自慢げに金色のシルク印刷で「DX」マークが付いているんです。(当時はコレが先進性のステータス)フィルム缶に印刷された バーコードをカメラが自動で読んで、感度設定するという仕組みです。しかし、コイツはいつ如何なる時でも1/125秒&f8(f4.5)な訳です。これでどう対応することが出来るのでありましょう・・・ワッカンネェナァ~・・・???
さらに、DX対応機って、フィルム室にコードを読みとるらしい金属製の接点が3つ4つ並んでいるでしょ、しかし、コイツにはそんなボツボツはまったく付いておらず、フィルムの有無を見知する小さなバネ片が一つあるのみです。


うぅ~む、怪しい・・・どう考えてもおかしい、「DX対応」だなんてウソでしょ。1/125秒&f8だけで対応出来るわけがないもん。こうゆうのって、不当表示とか不正表示に該当するんじゃないの?まっ、当時はそんな法律なかったんですかねぇ。

 ただ、不思議なのはフィルム感度がISO100でも400でもそれなりに写真が撮れ ちゃう。やっぱり、何か仕掛けがあるのかナァ~・・・、多分、ネガフィルムのラチチュードに助けられているんだろうと思ってますけど。

 さて、こんなストリームラインに身を包んだヌメッとしたデザインのカメラですが、これが使ってみると実にしっくりと使い易い! 握るところはちゃんと窪 んでいるし、裏蓋の指を置くところにはちゃんとギザギザ成形が施してあります。この窪みとギザギザに添って手を置くと自然に正しいホールドが出来るよう設計されているんです。いわゆる、痒いところに手が届いている作りがされているんですね。「35F」のときは右手のホールドは問題なかったのですが、左手が どうも中途半端で、ぎこちない使い方を強いられたのですが、こちらは両手とも完全にしっくりきます、やはり伊達の歳月ではなく見事に進化していました。

 写りに関しては、35Fのようなギラギラした生命感を感じる野性味はまったく影を潜め、良く言えば洗練度が増したよう、悪く言うと大手メーカー製に近づいちゃったかなという感じ。少し優等生になってきちゃったのかしら・・・。しかし、チノンの「キラッ」はまだ色扱いなどに残されていることは確かなようです。この手では良くある遠景のいい加減さもダレることなく35F同様にピッチリ写りますよ、コニカのK-miniなんかを使ってヒドイ目に遭い、金輪際、固定焦点機なんてイヤだと懲りた人でもコレなら大丈夫。

 もし、あなたがこのチノンカメラに興味を持ち、一台仕入れてみようとお思いになったら、この「35FX-III」までのシリーズがお薦めです。なぜかといえば、この次の「35FX-IV」以降になってしまうと、フラッシュは手動ではなく低輝度自動発光になり、少しでも光が落ちるとやたらに発光し始めちゃ うんです。これは使いにくいカメラの極みですからね、ご注意を。





シルクロード 明治から昭和初期にかけて絹織物を輸出するため、

桐生(群馬)から横浜港までを最短で繋ぐ道がありました。
いわゆる「絹の道」ですね。ここは八王子の丘陵から神奈川に入る辺りの「絹の道」。
雑木林に人が通って道が出来、そこの雨が降って川になり、また人が通る・・・。
その繰り返しで、このように窪んでしまっています。今では通る人の姿も見あたりませんが。


東大・法学部校舎
校舎の修繕に来ていた若い職人さんは休憩中。
エリートを目指す同年代の学生が前を通り過ぎます。


これくらいの光量になると、フラッシュを催促する赤いインジケーターランプが
点灯し始めますが無視してください。

その誘いに乗ると絞り羽が開放になってダレた写真になってしまいます。

木造3階建てのアパート「本郷館」
明治に創建された東大生のための下宿施設です。
現在は、取り壊されて鉄筋の高層マンションに姿を替えました。
いずれも手抜きの無い描写で、高級一眼レフで撮った写真を遜色がないですね!
三枚玉って、とことんオモシロいですよ。

今回も最後までご覧下さいましてありがとうございます。
#chinon FX35
#チノンFX35





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最終更新日  2024.08.20 05:52:16
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