PR
カレンダー
コメント新着
キーワードサーチ
ファインダーがガチャガチャ
とっても精密感が漂う端正な顔立ちの今は消えてしまったアイレス社製の高級カメラ「35 IIIs」です。
手にするとその全金属の重みがズッシリと掌に伝わってきます。トップカバーの左端には小型の光電池式輝度計も付いていてその精密感をいっそう盛り上げています。
さて今回のこのカメラ、レンズ鏡胴部分のレンズ・幕類共にまことに具合が良いのですが、肝心のファインダーに大きな問題を抱えています。まず、ピント合わせのための二重像が大きくズレてしまっていて、何処にピントが来ているのかさっぱり分かりません。もっとも最悪の場合、このトラブルが解消しなくても鏡胴に刻んである距離数値で目測設定は出来ますけどね。でもしかし、これほどの堂々たる押し出しの利いた写真機を目測で使うのはいかにも忍びない。また、そのことに付随した原因のものなのかどうか、パララックス補正枠がかなり右下に寄って沈んだまま固着していてピントリングを廻してもビクとも反応しない、という二つの不具合を持っています。これらの問題、どこまで解決できるか分かりませんが、取り敢えず中でどうなってしまっているのか見るだけは見てみることに致しましょう。
1 まずは、ど素人の私がいじくることで致命的な失敗をやらかして、そのカメラでの絵を見ることなく息の根を止めちゃう事も考えられますので最初はどこにも手を入れず、距離セットは目測にしてこのままで一度使ってみましょう。 ついでに露出計のセレンメーターもピンピン元気に動いていましたのでその精度も確認してみます。
ワンコの鼻先まで距離1.2mと読みました。
シートの当たりまで距離3.5mと読んでみました。
2枚共しっかりピントが来てますね、距離リングの数値にズレは無いようです。
2
トップカバーを開けるとこんなふうになってました。

ファインダーには昔のフジカ製カメラと同様の豪華プリズム2個抱き合わせ仕立てです。あっ、ちなにみこの写真機のファインダーは正確な「等倍」で出来ています。「うん、これまますますファインダーを元通りに直して使いたい」という意欲が湧いてきましたよ。
黄色の枠で囲ったプレートを外すとパララックスの可動枠が入っています。この枠が底の方でグリス固着により引っ掛かっていたのが原因で不動になっていましたので軽く洗浄して調整しました。これで1つの問題は解決です。
3
今度は肝心の二重像のズレをなんとかしなきゃなりません。

黄色の矢で示したネジがその調整用ですが、これは横ズレをいじるためのネジです。例のごとくピントを∞にセットして、その場所から望めるもので一番遠くに見えるのもを見ながら合わせていきます。
慎重に二重像を合わせるも、やっぱり縦にも像が相当にズレてしまっています。
この写真では、右上に見えている4隅に切り欠きがあるプレートが「 2
」で直したパララックスの補正枠です。
4
縦位置のズレを調整するのはこの可動ミラーの後に付いている小ネジでやります。

こちらはほんの少しの回転角で大きくズレが移動しますので、ちょびっとずつちょびっとずつ慎重に廻しながら合わせていきます。
いずれにしてもご覧の通りの「基線長」のたいへん短い距離計ですので、調整はとてもデリケート。焦らずにゆっくりやることがコツかもしれません。
5
調整後、ファインダーでの「最短」(80cm)で撮ってみましたがほぼ正確に合っているようです。 もちろんトップカバーに付いているメーターも今度は感度設定で+0.5ほどズラしてみましたが、これも良好なようです。 一番よく使うであろう中間距離もシッカリなピントで、これでまたしばらくは使えそうです。



なかなか男前の写真機ですよねぇ~
こういうカクカクしているスタイルのカメラ、好きだなぁ・・・
#aires35IIIs