天空乃舞

2006/01/20
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カテゴリ: みえないところ
ここ数日 今日 行われてしまった教職の学校カウンセリングの試験のことで


肝心のその試験が終了した後で LBに一人でいた私を見つけ 
声をかけてくれた。

先輩は ウェルテルと太宰 を そのまま地で行ってるような人なんだけど
先輩の 人生と人間 というものに対する 嘆きっぷり には何とも憎めない可笑しさがある。 
なんだか本気で心配にはならない要素が多分にあって。

嘆き を聞くのは決して嫌いではなかった。

でも

滅多に人に関心を持たない私が この先輩に興味を持ったのは
先輩の文学談義の絶妙さのためだった。

初めて会った時から すぐにその深さと広さに驚いた。

半端じゃない量の読書をし、ものすごい深い洞察をする人で、
それでいて それを話してくれる言葉は私にでさえ わかりやすく楽しい。

ただし 
その先輩が 人の世の儚さ に言及し始めると 失礼ながら爆笑してしまうのだった。

馬鹿にしているわけではなくて どう考えても どう見ても際限なく才能の塊なのに
いつも悩んでいて 今にも死にそうな事を言うし、謙遜じゃなくて


その勢いで嘆かれるから 私としては爆笑してしまうのである。

なにを言ってんのじゃ?

と。

先輩は大真面目に本気なんだけど 私には先輩が 役者なんてタイプじゃないのに
まるで戯曲でも朗読するように嘆いている姿が コメディタッチに見えてしまうのである。


ふさぎの虫にとりつかれているのは。。。

あんな感じに見えてしまう。
しかも 「勝手に悩んでろよ」と腹が立つのではなく どうにもこうにも
可笑しい!

ものすごい興味深い考察を淡々と話しながら、伴奏的に嘆き節が入るので
程好く笑えて 本当に本当に面白いのです。

文学好きなら 絶対に惹きこまれるし 
そうじゃなくても 

この人の嘆きには なんだか 「愚痴を聞かされた」 という不快感ではなく 

「笑わしてくれる」雰囲気がある。

けど

先輩と授業以外で個人的に話す機会は一度もなかった。

今日は 

走って部屋に入って来てくれたのに 
二つほど離れた はす向かい側の席に座るところが
また

なんとも先輩らしい。


Sky: ここ数日ずっと探してたんですよ。お聞きしたいことがあって。

先輩:  誰にも会わないようにしていたんで。。。


答えっぷりが 

太宰(笑)

「生まれてすみません」

と言いそう。

今日の嘆きは

「学校カウンセリングの試験のヤマが外れてしまった」

ということで 光栄にも その不安を
シェアして和らげるために来てくださったようだった。

先輩が どんなフレーズを発しても そこには そこはかとない憂いが漂い

それが どうしても 

可笑しい。

。。。すみません先輩 私は 。。。

慰めるのは。。。向いてないです。。。



何の話からだったか

気がつくと就職の話になっていて

先輩は 「就職」がしたくて 「教員」には なりたくないと言う。


Sky: え?じゃ、なんで教職課程とったんすか?


けど

聞いても 何だか 私の記憶には残らないことを モグモグと宣っていた。

よくわかんない話を聞くのは苦手なので わかる話になるように質問を変えてみた。


Sky: どんな職業をなさりたいんですか?


太宰尊氏: 旅行添乗員


。。。は?


Sky: 

え? ○○さん、お客さんの案内したり、場を盛り上げたりするの好きなんですか?
そんな風には見えないっすけど。


太宰尊氏:

いや、放浪するのが好きなんで、あちこちフラフラしたいんです。
誰にも煩わされずに 好きなことをして 楽をして稼ぎたいんです。


Sky:  (爆っ笑!!!!!!!!!!!!!!!)

添乗員なんて 一番人に煩わされる仕事じゃないっすか!
旅の景色なんか味わってる暇ないっすよ!
愛想ふりまかなきゃリピーターのお客様なんかできないし、
どう見ても ○○さん添乗員には見えないっすよ。
いやいやいやいや お客さん ○○さんには 付いて行きませんって。
むっつりしてそうだもん。


太宰尊氏:

ああ、僕はの夢はもう すべて ついえました。
毎日が死との向かいあいです。
死を待つだけです。
僕ね、 長生きしないつもりなんですよ。
僕の人生は お先真っ暗ですから。
就職は たぶんできないし。
僕ね 本当に心臓が 駄目なんです 
(胸に手を当て 伏目がちになる。。というか常に伏目がちである)


Sky: (爆爆爆爆っ笑!!!!!!!!!!!!!!!!!)

うをえ~っ!
何ぁに言ってんすか! 
こんなに面白い人いないのに!
旅行社には そりゃ確かに就職できないと思いますよ。
○○さん どう見ても会社にいる人に見えませんもん。

え~! 
○○さん先生になりましょうよ! 
絶ぇっ対 授業 面白いもの!
旅廻りがしたいんなら 通教のスクーリングやったらいいじゃないっすか。
あっちこっち行けますよ。


太宰尊氏:

ああ その手が あったか (遠くを見つめる眼差し)


Sky:

だって勉強 好きでしょう? 
どう見ても 本ばっか読んでるじゃないですか!
仕事しながら 趣味で読んでられるタイプじゃないでしょう?


太宰尊氏:

僕は 駄目なんです。
勉強は好きですし 本は読まないと生きていられないから 読んでいるだけです。
ただ命を繋ぐために 生きるために読んでいるだけです。



そのあと何だったか忘れたけど 太宰治と三島由紀夫の話をして下さった。


Sky:

ああいう男性の何処に女性は 惹かれるんですかね?
何で 一緒に死のうなんて思った人が あんな何人もいたんだろう?


太宰尊氏:

彼らは。。。 
彼らには「美」が わかるんです。
そこに惹かれるんだと思います。
僕 わかる気がするんですよね。。。
あと あの 駄目なところ。。。自分とすごく 重なります。



この話の続きを聞きたいのは山々だったけど 私は

「1920年代のニューイングランドでの社会階層」

についてのレポートを仕上げないといけなかったから 

先輩が来る直前まで にらめっこしていたパソコンのディスプレイに

ほんの一瞬

視線をはしらせたのだけど

これを 見逃す先輩ではなかった。



太宰尊氏:

すみません。話し過ぎました。



気まずそうに立ち去る瞬間に また 
あの 
「生まれてすみません」 の気配が。。。

話したの楽しかったし 

もっと聞きたかったし 

また聞きたいと思っていることを

どう伝えたらいいのか わからなかった。



面白いのにな~


太宰先生 
どう見ても 先生だよ。

先生になったら 
そのまんまの 嘆きキャラが 学生の人気者になると思う。














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Last updated  2006/01/22 12:13:39 AM
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