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2008.05.29
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カテゴリ: カテゴリ未分類
初めて、ショーでチップを貰った翌日も、彼女はやって来た。


カウンター席の端っこに座り・・・

その日も、フィナーレ終了後のメンバー紹介で、1万円のチップをくれた。


前日同様、ショーが終わるや否や、あっという間に帰ってしまった・・。




何か・・心の中にもやもやとした物が残った。


3日目・・・


1回目のショーが終わり、30分もした頃だった・・

楽屋で馬鹿話しに興じていると・・店長に声をかけられた。


カウンター席で呼ばれているとの事だった・・





そこには、長い黒髪の彼女と中年の女性が座っていた。

挨拶をして席に着く。


『はじめまして』


『何か好きな物飲んで』


中年の女性に促され、俺はコーラを注文した。



『彼女ね、レナちゃんって言うの・・』


とりあえず、チップのお礼を言う。


『昨日と一昨日はありがとうございました。』


『・・・』


恥じらいながら、少し俯いて、コクっと頷いた。


『レナちゃんがね、あなたの事、気に入っちゃったらしいのよ・・』





ママと呼ばれた女性は小柄で、歳の頃は40歳位だろうか・・

ハキハキ物を言うタイプで歯に絹着せぬ喋りは、貫禄がある。


『アハハ・・レナちゃんのこんな姿見るの初めてだわ!』


ウェイターが、コーラを持って来た。


軽く乾杯をする。





黒髪が綺麗だった・・。


『この娘、結構頑固でね・・真面目で、几帳面なのよ。23歳だっけ?
歳の割に全然浮いた話しもなくて心配してたのよ・・』


少し俯いて話しを聞いている。

『そのレナちゃんが、急に遊び初めたから、変な虫でも着いたんじゃないかって
心配になって様子を見に来たわけ!』


さしずめ・・俺は変な虫か・・。


『もー!ママ・・』


彼女が言う。


『あなたは、お幾つなの?』

『22です。』

『あらー、いい姉さん女房になれるじゃない!アハハ・』


饒舌なママさんだ。

だが・・会話が上手いが目は笑っていない。


こちらを品定めしているようだ。



音楽が鳴り始める。

二回目のショーが始まる合図でもあるのだ。



『ショーが始まるのでスタンバイしてきます。』

そう言って、グラスを交わし、俺は楽屋へ戻った。



2回目のショーが始まる。

カウンター席でママと長い黒髪の彼女が並んで見ていた。


ショー中は真剣な眼差しで見つめていた・・

フィナーレが終わる・・・



メンバー紹介では、ママとレナと言う娘からそれぞれチップを貰った・・

終了後、席へ向かうと、ママだけが残っていた。



『たけちゃん!良かったわぁー!足が凄い上がるのね!
レナちゃんが惚れる訳だわ』


ショー前に比べ、かなり親近感を持ってくれたようだ。

品定めをするような目では無くなっていた。


『ありがとうございます。レナさんは・・?』


『今、仕事に行ってるわ。今日はまた、戻って来るから大丈夫よ』


『仕事??』


少し・目に暗い陰ができる。

さっきまでの明るさから、少しトーンダウンする。

こんな時間に仕事とは彼女は何をしてるのだろうか・・・



こっちの疑問を察知したのか、ママが唐突に語り始めた。


『実はね・・彼女はストリッパーなの・・』


『えっ?』


予想外の答えに、何て言っていいのか戸惑った・・。

『たけさんは・・ストリップ見た事ある?』


『いいえ・・ありません・』


『そうでしょうね・・』


深いため息と共にママがストリップの世界について話してくれた。


この店の30メートル手前のビルが劇場である事。


1日、4回~5回、ショーをやる事・・

10日おきに、劇場~劇場へ移動する事・・・


彼女は四国の出身で、身寄りがない事・・・・。



明日が千秋楽で終了後、大阪に行ってしまう事・・



名古屋、札幌、九州、と、全国を回って、

今度、東京に戻って来るのは3ヶ月後である事。




女が裸で稼ぐ事が・・どれだけ辛い事か・・



切ない気持ちに苛まれた。



と・・花束を抱えて、彼女が戻って来た。


彼女と体格の良い、恐持ての男性と少し年配の女性を従えて戻って来た。


『あら、お帰りなさぃ・・ユキちゃんも来たの?徳さんも・・』

ママが言う。


ユキちゃんと言うのは、彼女の先輩のようだ。

彼女は「姉さん」と呼んでいる。


恐持ての体格の良い男性は、

いつも、ビルの下で客引きをしてる人だった・・



『レナちゃん・・・たけちゃんに全部話しておいたからね』


『えっ!』

一瞬、彼女の顔が強張る。


『そうだ!明日、楽日なんだからたけちゃんに来て貰えば良いじゃない?』


『えー!』

彼女が難色を示す・・と・・

突然吹っ切ったように・・笑みを交えて・・



『お願いがあるの』


『今度東京に戻って来た時に、踊りを教えて欲しいの・・』


「それは・・振り付けをする?って事ですか?」



彼女は黙って頷いた・・。



俺は翌日、生まれて初めて・・

ストリップ劇場にに行く事になった。


そこには・・新鮮な驚きと、衝撃が待っていた・・・。






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Last updated  2008.05.29 19:57:11
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