裁判所公務員のつぶやきボックス

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ホソボソのH

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January 30, 2005
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使用者が本来すべきことをしなかったために損害を受けた,と言って裁判で損害賠償を請求する場合, 使用者はどうすべきだったかを具体的に 言わねばならない。

それを言わずに「使用者には快適な職場環境作りをする義務があるのにこんな職場環境だ」と言っただけでは,労働組合の交渉に過ぎない。 使用者の義務の中身がはっきりしない からだ。

そのような訴状を書けば,裁判所から 「具体的作為義務の内容とその根拠を明らかにせよ。」 なんて難しいことを言われてしまう。それに答えなければ,訴えは蹴飛ばされてしまう。

使用者が何をしなければならないかが 法律に規定されていれば わかりやすい。ひとつは民法715条の 使用者責任 だ。一昨日の日記でそのことは書いた。

労働災害を防止するため の,労働者の安全・衛生における,使用者の 安全配慮義務 である。

職場において仕事をしていることが原因で,あるいは職場環境が原因で,けがをしたり病気になったり死んだりすることを 労働災害 (略して 「労災」 )という。

例えば,建設現場で仕事をしている者が事故にあってけがをすること,バスの運転手がバス運転中に交通事故遭うこと,サラリーマンが通勤途上に交通事故にあうこと,過密労働で過労死すること,これらが皆労働災害であることはわかるだろう。

それだけではない。職場の人間関係がうまくいかず,そのことでストレスを感じ,それが原因で胃潰瘍になったり鬱病になったりするのも労働災害である。

そのような労働災害を未然に防止するために, 労働安全衛生法 という法律が制定されており,使用者に対して, 労働者の安全衛生に関する様々な具体的義務 を定めている。

ここでその義務の詳細を書くことはできないが,労働者に健康診断を受ける機会を与える義務等詳細に規定されている。


これらの法律に規定された義務を使用者が果たしていない場合には,それを根拠に損害賠償請求できるのである。

それでも損害賠償を請求できる範囲は限られる。職場の雰囲気が女性にとって不愉快なものであるとか,職場の事務室で皆が煙草を吸うの息苦しい ,と言った場合にはどうしようもない。

「快適な職場環境作りをする義務」というような 中身がはっきりしない義務 を直接の根拠にして,損害賠償の請求は全くできないのか。その点については,明日の日記で書いてみたい。

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Last updated  January 31, 2005 12:14:29 AMコメント(0) | コメントを書く
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