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ライブドアショックで全株式売買停止に追い込まれた東京証券取引所の清算システムは、約10年前に導入され、耐用期限が04年後半のコンピューターだったそうだ。東証は、きょうからシステム能力を1日450万件の約定に耐え得るよう増強し、当面の売買に備える方針だという。月末には、500万件に対応可能な次期システムに移行する。それにしても、10年前のものとは呑気なものである。ウインドウズ95が日本で発売され、一般にパソコンが普及し始めた頃だ。ぼくも当時、富士通SEシリーズを買った。ハードディスクはわずか1.2ギガだった。最近、さまざまな大事件が続いているが、コンピューター絡みが多いと思うのはぼくだけだろうか。昨年12月には、ジェイコム株誤発注事件があり、みずほ証券が407億円の損失を出した。東証の売買システムの欠陥で注文の取り消しができなかったことも騒ぎを大きくした原因だと報道されている。そのみずほ証券が先週末、責任者の処分を発表した。福田真社長は3カ月間、月額報酬が半分になるそうだ。気になる誤発注した社員はけん責、戒告、厳重注意あたりでおさまったとか。国会を揺るがす耐震偽装事件もコンピューター絡みである。国交相が認可した構造計算用ソフトでは、建物の柱や梁(はり)の本数、建物にかかる外力の数値などを入力し、必要な強度を満たしていれば8ケタの英数字の「認定番号」が印字されることになっていた。ところが、報道によれば、「姉歯建築設計事務所」(千葉県市川市)が作った「構造計算書」にはこの「認定番号」がなかったのに、検定機関を素通りしていた。手書きならもっと慎重になっただろうが、コンピューターで印字プリントされたものは正しいと過信してしまうから恐ろしい。最も悲劇だったのは、トリノ五輪フィギュア男子代表の最終選考となった全日本選手権でのトラブルである。日本スケート連盟は、当初、織田信成が優勝したと発表し、表彰式でカップまで手渡したのに、その直後、コンピューターミスで本来減点されるはずだった7.4点が引かれていなかったとして、2位だった高橋大輔の優勝に変更した。これで1枠しかないトリノ五輪出場権を高橋大輔が獲得したのだから大騒ぎである。同連盟は後日、採点ミスはコンピューターで自動的に対応することができない想定外のケースだったと発表した。コンピューター万能社会では何が本当で何が嘘なのか分からないということだ。その象徴が、IT社会の申し子ホリエモンだったということだろう。【DEERS百貨店】 本・雑誌 ◇ パソコン・家電・AV ◇ 生活・インテリア ◇ スポーツ・アウトドア ◇ ファッション・ブランド ◇ ダイエット・健康 ◇ トラベル ◇ 趣味・ペット ◇ フード・ドリンク・ワイン ◇ 出品30日間無料 ◇ 人気blogランキング ◇ 大感謝祭セール蓮4044
January 23, 2006
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トリノ五輪開幕まであと20日ほどである。きょうノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプが札幌市の大倉山ジャンプ競技場であって、伊東大貴(土屋ホーム)が自己最高の2位、岡部孝信(雪印)が3位、葛西紀明(土屋ホーム)が4位に入った。アホネン(フィンランド)やヤクブ・ヤンダ(チェコ)ら海外の強豪が不参加だったとはいえ、日本勢が表彰台の二つを取ったのは3シーズンぶりである。ジャンプ陣がトリノ五輪へ向け調子が上がってきたと報じられている。日本勢のなかでも最近最も安定してきたのが、W杯2戦連続で3位に入った岡部である。先日も国内大会で3連勝した。五輪選手団の遅塚研一選手団長が先日、「目標としていたメダル5個より2、3個上積みできるかも」と皮算用したのは、この岡部の復活が念頭にあったからだろう。岡部は昨夏、踏みきり角度を大幅に変えた。あのベテランが「今まで見たこともない角度で飛び出すから、視界が違って怖い」と言ったほどの変化だった。ただ、ぼくはここで「あれ?」と思った。報道によれば、今回のフォーム改造は、かつてはライバルだった斎藤コーチの助言に従ったからだという。これについて、関係者は「ジャンプ人たちは独特の気質を持つ。トップ選手の間で技術的な交流も驚くほど少ない。岡部はプライドとこだわりを捨てた」という風に誉めていたのである。つまり、これまでジャンプの世界では、たとえコーチと選手の関係であっても、互いに技を伝授し、高め合うことがなかったというわけだ。こんなことは他のスポーツではあり得ないことだろう。そんな調子だから、日本のジャンプ勢は、長野五輪の成功以降、底上げに失敗したのではないか。今回代表の選ばれたのも、92年のアルベールビル大会から5大会連続という原田雅彦、葛西である。もちろん、マスコミは人の成功ストーリーを作りたがる傾向があるから、二人三脚の成功をちょっと大袈裟に書き立てているだけかもしれないが。とはいえ、五輪本番では、その「プライドを捨てた」岡部に頑張って欲しい。35歳でしかも、長野五輪以降、世界の舞台から消え去っていた男が返り咲いた男である。あのアホネンが「ライバルは岡部だ」と言ったとか言わなかったとか。【DEERS百貨店】 本・雑誌 ◇ パソコン・家電・AV ◇ 生活・インテリア ◇ スポーツ・アウトドア ◇ ファッション・ブランド ◇ ダイエット・健康 ◇ トラベル ◇ 趣味・ペット ◇ フード・ドリンク・ワイン ◇ 出品30日間無料 ◇ 人気blogランキング ◇ 大感謝祭セール蓮4044
January 22, 2006
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ライブドアの証券取引法違反事件で世の中大騒ぎである。東証マザーズ上場のライブドア株は昨日も売り注文が殺到。取引開始直後から値幅制限いっぱいのストップ安(336円)が続いた。報道によれば、時価総額4000億円が吹き飛んだとか。東証は、ライブドアや関連会社を監理ポストに移行し、上場廃止にすることも検討しているという。新興IT企業の信用がこれほどまで薄っぺらいものだったのか、と驚く。メディアは早くも、「ホリエモンが残したもの」を検証する連載を始めた。堀江貴文社長(33)がすでに過去の人になった感がある。その当人は「命を狙われている」と周囲に漏らし、17日早朝の記者会見以来、雲隠れ状態である。ライブドアは図に乗りすぎたということだろう。買収の虚偽公表と株式分割で大儲けできることを知り、最初はライブドア本体で、次は子会社で、その手法を繰り返した。事件のひとつの舞台となったバリュークリックジャパンの株価の場合、虚偽公表直前の取引日には1780円だったのに、公表日に10円上昇し、株式を100分割した直後には1万450円に跳ね上がった。新株は、海外ファンドなどに売却したあと、ライブドア本体に環流したとされる。その額は買収した3社分合わせて計55億円に上る。報道によれば、前身の「エッジ」が03年に実施した2件の買収と合わせると、総額約95億円が還流していたとみられる。それにしても、今回、手のひらを返したようなライブドア叩きに走ったメディアに薄気味悪さを感じた。もともとライブドアは法律のグレーゾーンを盛んにつき、儲ける会社だったことはみんな周知の事実だろう。株の品薄感を狙った株式分割や、取引時間外の株大量取得というやり方は、これまでも非難の声がなかったわけではないが、大多数の人々は「証取法の穴を見事ついた」として、むしろ評価して拍手喝采を送ってきたのではなかったか。だから人々はホリエモンに群がり、本を買い、自民党幹部も衆院選で応援に駆けつけたのだろう。それが今となって、虚偽公表と一緒にすべて悪行にしてしまうなら、いままでは何だったのか。さらに理解できないのは、東京地検の捜査手法である。平日の虚をついた家宅捜索は、株高で維持してきたライブドアの信頼を削ぎ落とし、息の根を完全に止めた。その姿勢に、地検幹部ら旧世代の「ホリエモン憎し」を感じたのは僕だけだろうか。ほかの大企業だったら、あんな不意打ちは絶対なかったはずである。だって、これまでの経済事件では強制捜査前に必ずリークがあり、「きょうにも家宅捜索」といった予告記事が新聞紙面を賑わしてきたではないか。これは、カネ至上主義への東京地検なりの反発としてか読めない。今後、ホリエモン叩きが一段落し、人々の興奮が静まったとき、逆に、ホリエモン再評価が起こり、彼に感化されてきた若者たちがホリエモンを教祖に祭り上げるのではないか、という危惧を抱く。オウムがたどってきた道と同じである。そう考えるのは、うがちすぎだろうか。【DEERS百貨店】 本・雑誌 ◇ パソコン・家電・AV ◇ 生活・インテリア ◇ スポーツ・アウトドア ◇ ファッション・ブランド ◇ ダイエット・健康 ◇ トラベル ◇ 趣味・ペット ◇ フード・ドリンク・ワイン ◇ 出品30日間無料 ◇ 人気blogランキング ◇ 大感謝祭セール蓮4044
January 21, 2006
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昨年、エチゼンクラゲが大量発生し、国会でも取り上げられて大騒ぎになった。富栄養化した東シナ海、黄海で巨大化したクラゲが、対馬海流に乗って日本海沿岸を北上し、津軽海峡回りで房総まで南下。一方、黒潮本流に乗って南回りで房総まで到達するものもいて、日本列島がクラゲに包囲された状態になった。傘が1メートルを超すものもいて、底びき網や定置網にひっかかると網が揚がらなくなる。漁業被害は深刻だ。水産資源がどんどん枯渇するなか、一般に食べられないクラゲだけが大量発生するのは神のいたずらだろうか。人間は、資源がなくなれば、次から次へと食を変えてきた。タラが減少すれば、次は同じ仲間のスケトウダラ、それもなくなれば、次はブルーホワイティング(プタスダラ)といった感じである。いま、回転寿司で人気のビントロもかつては捨てられていたビンチョウマグロのトロである。肌が黄色っぽいキハダマグロはツナ缶として食されるようになった。さきほどの、エチゼンクラゲもいま、兵庫県の食品加工会社がフルーツポンチの素材として売り出し始めた。人間、おそるべし、である。最近、日本人を驚かせたのが、高級料亭でおなじみだったミナミマグロが食べられなくなるのでは、というニュースだった。日本、韓国、豪州などでつくる「みなみまぐろ保存委員会」が、ミナミマグロ(インドマグロ)の資源量を維持するため、07年の漁獲枠を現行のほぼ半分7770トンに引き下げることを勧告したのである。ミナミマグロの漁獲高は、1960年代には8万トンを超えていたのに、乱獲でどんどん減少。漁獲枠が定められるようになったが、それでも歯止めがかからないらしい。実は、マグロは日本人が金額ベースで最も食べてきたシーフードだ。一人当たり年間平均2500円以上に上っているが、今後変わるかもしれない。 先日、「サバがトロより高くなる日」(井田徹治著)を読んだ。冒頭、ネイチャー誌の衝撃的な論文が紹介されている。タラやマグロ、カジキ、ヒラメなどの主要な大型の魚の資源量が、過去50年間で90%以上減っているのだという。これまで、漁業をする国といえば、日本、ロシア、米国、ノルウェーなど一部の先進国に限られていたのに、最近は発展途上国が手を出し始めた。いま、世界の生産量の三分の一を占めているのは中国である。世界の漁船数は20年で2倍に増え、一人当たりの年間平均消費量は30年で11キロから16キロに増えた。また、隣国との摩擦も避けて通れない。成長しながら日本の東海岸を北上するはずだったメバチマグロを、その手前の台湾で捕獲するため、東北地方のメバチ漁が成り立たなくなっている。スーパーにはいつも国際色豊かなシーフードが並んでいるが、いつまで食べ続けられるのか、実は待ったなしの状況なのである。【DEERS百貨店】 本・雑誌 ◇ パソコン・家電・AV ◇ 生活・インテリア ◇ スポーツ・アウトドア ◇ ファッション・ブランド ◇ ダイエット・健康 ◇ トラベル ◇ 趣味・ペット ◇ フード・ドリンク・ワイン ◇ 出品30日間無料 ◇ 人気blogランキング ◇ 大感謝祭セール蓮4044
January 20, 2006
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政治は本当にスピードがとろい。一連のマンション耐震強度偽装事件に絡み、建築主のヒューザー小嶋進社長に対して昨日行われた国会証人喚問のテレビ中継を見ていて怒りが沸いた。疑惑が浮上したもっと早い時点で、証人喚問しておけば、あのような「証言を控えさせていただきます」という言葉を30回以上聞かされることはなかったはずだ。政治の怠慢が結局、小嶋側に作戦を練る時間を与えてしまった。質問した議員たちが「テレビではしゃべるのに、国会ではなぜしゃべれないのか」と苛立ちを募らせていたが、悲しいかな、自分の責任など露ほどにも感じていないのだろう。そもそも、与党が小嶋氏を証人喚問すると決めたのは昨年12月22日である。ヒューザーの対象物件の住民たちは、次々住処を追われ、社会的にも政治的にも待ったなしの状態だったはずだ。それなのに、与党は「通常国会開会予定の1月20日までの間に衆院国土交通委員会で証人喚問する」と呑気に語った。なぜ年内にやらないのか、と不思議に思った国民はたくさんいたはずだ。もちろん年末の国会は予算編成で忙しい。それでも、国会議員が全部で何人いると思っているのか。しかも、年が明けた10日、「衆院国土交通委員会が17日の委員会で証人喚問することを決めた」と報道されたときも開いた口がふさがらなかった。17日は、メディアは阪神大震災の報道で一色になるし、連続幼女誘拐殺人事件で殺人罪などに問われた宮崎勤の最高裁判決も予定されていた。そのうえ、16日深夜から早朝にかけ、IT関連企業のライブドアへの家宅捜索が突然始まった。証人喚問は本来一面トップニュースのはずなのに、三番手に落ち、社会面でも扱いが小さくなってしまった。疑惑を封じようという政治的意図が見え隠れしていると言わざるを得ない。案の定出てきたのは、ヒューザーと森派の癒着の関係である。ヒューザーが04年3月に購入した森派の政治団体「清和政策研究会」のパーティー券100万円分について、強度偽装が判明したマンションの元請け設計事務所などに購入の協力を要請していたことなどが次々明るみに出てきた。そもそも与党は当初から、「捜査を見守るべきだ」とし、小嶋社長への証人喚問に消極的だった。重い腰を上げたのは、姉歯秀次元1級建築士らに対する証人喚問の際に「自民党議員による追及が甘い」として抗議電話が殺到したからだ。こんな腰砕けでとろい政治にまかせていては、政治的には全く追及が進まないだろう。【DEERS百貨店】 本・雑誌 ◇ パソコン・家電・AV ◇ 生活・インテリア ◇ スポーツ・アウトドア ◇ ファッション・ブランド ◇ ダイエット・健康 ◇ トラベル ◇ 趣味・ペット ◇ フード・ドリンク・ワイン ◇ 出品30日間無料 ◇ 人気blogランキング ◇ 大感謝祭セール蓮4044
January 18, 2006
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以下、きのう読んだ小説の話である。舞台は「サンライズ」という東京のレストラン・バーの個室。出版社の灸英社やら文福社やらの編集者らが集まって何やら話している。「望月さんはもう候補になったのは3度目だから、いい加減欲しいだろうなと花本先生が言っていました」「文福社からの情報では、鞠野先生は乃木坂さんで決まりらしい」。集まった編集者たちはそろそろ発表される文学賞の受賞者がだれか占っている。そこへ、候補のひとり、寒川心五郎がのっそり現れる。この男は、候補歴6回目。珍しくスーツ姿のうえ、頭は床屋に行ったばかりで、受賞意欲が見え見え。編集者たちは即座に立ち上がって「大変お似合いです」と持ち上げる。しかし心の中は別。(記者会見のことを意識するのは早すぎるだろう。こういうところが鬱陶しいんだよな)などと考えている。寒川自身も(失敗した)と思いつつ、「きょうは残念会をするつもりで来たんだ。気楽に行こう」とはぐらかす。編集者たちは(落選したときは、次の店に行こう)と次のことを考えているくせに、「こうして集まったのは先生の受賞を信じているからですよ」と持ち上げる。寒川は(あれっ、信じているというからには何か根拠があるということか)などとにんまりしつつ、「僕の予想では、本命は望月くん、対抗は乃木坂さん。実はぼくはきょうが選考会だということもうっかり忘れていた」などととぼける。編集者たちは(本当は賞が欲しくて欲しくてたまらないくせに)などと舌打ちする。以上は「黒笑小説」(東野圭吾著)から。その人気作家・東野圭吾がきょう、6回目の候補作「容疑者Xの献身」で直木賞を取った。デビューから20余年。「黒笑小説」の主人公・寒川心五郎は、待たされ続けた東野自身を書いたものだろう。「黒笑小説」では最後、受賞を聞かされた寒川が、「ついにやったぞ。苦節30年、俺が俺が俺が受賞を受賞を受賞を」と叫んで気を失う。だが、ホンモノの東野圭吾はちゃんと会見場に現れた。ただし、スーツ姿ではなく、丸首のセーター。「落ちるたびにヤケ酒飲んで、選考委員の悪口言って、普通の人たちにはできないゲームをやり続けた。あれが出来なくて寂しくなるかと思ったけど、やっぱりきょうは勝てて良かった」だとさ。【DEERS百貨店】 本・雑誌 ◇ パソコン・家電・AV ◇ 生活・インテリア ◇ スポーツ・アウトドア ◇ ファッション・ブランド ◇ ダイエット・健康 ◇ トラベル ◇ 趣味・ペット ◇ フード・ドリンク・ワイン ◇ 出品30日間無料 ◇ 人気blogランキング ◇ 大感謝祭セール蓮4044
January 17, 2006
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先日、東京に出張に行ったとき、往復の新幹線で「無思想の発見」(養老孟司著)を読んだ。ご存じ、ベストセラー「バカの壁」の作者である。全240ページほどだが、二日酔いだったからか、全然頭に入らない。別の日にもう一度読み返してみたが、やっぱり内容が理解できない。ひとつには、養老孟司の考え方が一見おもしろいように見えて、よくよく考えてみれば当たり前だろうと思えてしまうからだ。それに、もう一つは、論の筋道がしっかりしていないからだ。こういう本は、話が多少脇にそれても構わないだろうが、AだからBと言うことができ、それゆえにCだ、という全体の流れを失っては読者を惑わすだけだ。最初の章を例にあげよう。結論は、後半の「結論を言おう」以下から抜粋すると、「日本の世間における、私というものの最小の公的単位、それは個人ではなく家だった」となる。一方、「西洋では、近代的個人が集まって家族をつくるのだから、家族が最小の公的共同体なのである」と得意げに説く。でもこの結論というのは戦後すでに言い尽くされている内容だ。それを回り回って長々と説明してきただけなのか、と最後に力が抜けてしまう。結局何が言いたかったのかと最後、耳をすますと、「こちらはまもなく死んで行く身である。皆さん、どうお考えですか」と問いかけるだけである。しかも、この章は「日本の世間に自分なんてものが、はたしてあるのだろうか」と奇をてらった形で書き出されている。その結論はどうなったのだろう? その後も話は脇道へどんどんそれる。自分を表現する日本語が、ワタシ、おいら、小生など多いことを挙げて「定まった私なんてない」と言い、首相の靖国神社参拝に触れて、「公人とか私人とか答えず、個人です、と答えればいい」と説く。さらに、新憲法が個人を持ち込み、その折り合い点が核家族だったと書き、突然、嫁姑問題から「そんなことが、シロタ女史にわかるわけがないでしょうが」と筆を走らせる。読者は、シロタ女史が以前どこに登場していたっけと思ってページを戻るはずだ。なんのことはない、シロタ女史は、初出なのである。最近、こういう読者思いでない本が増えてきた印象だ。「「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか」(大塚英志著)は、話が細部に入りすぎていて読者に問題を訴えようと本当に思っているのか、疑問に感じた。「ああ、顔文不一致」(勢古浩爾著)も人に分かってもらおうと思って書いているのだろうか。ぼくが著者だったら登場する人物の顔写真くらい入れるだろう。先日手にした「人間は脳で食べている」(伏木亨著)は、逆に、話が身近な問題に引きつけすぎていて、内容が薄っぺらげだった。本のタイトルですべてを語っている以上、もう少し掘り下げて欲しかった。新書のジャンルが増えて以来、内容が甘くなったと思うのはぼくだけだろうか。【DEERS百貨店】 本・雑誌 ◇ パソコン・家電・AV ◇ 生活・インテリア ◇ スポーツ・アウトドア ◇ ファッション・ブランド ◇ ダイエット・健康 ◇ トラベル ◇ 趣味・ペット ◇ フード・ドリンク・ワイン ◇ 出品30日間無料 ◇ 人気blogランキング ◇ 大感謝祭セール蓮4044
January 16, 2006
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衣川で死んだはずの源義経が実は生き延び、大陸に渡ってチンギスハーンになったという説を唱え、一大センセーションを巻き起こしたのは、牧師の小谷部全一郎だった(「成吉思汗ハ源義経也」小谷部全一郎著)。モンゴルで使われていた紋章が源氏の旗印である笹竜胆に似ているとか、ジンギスとは源義経の音読みであるゲンギケイがなまったものだとか、その理由がまことしやかに語られたものである。彼の本が出版された1924年ごろというのは、日本が大陸に食指を伸ばし始める時期である。日本の英雄が世界を征服したというストーリーは、当時の民衆たちの琴線に触れたのだろう。歴史にミステリーはつきものである。本能寺で死んだはずの織田信長の遺骨が見つからずじまいなのも、歴史好きをして、多くの推理をさせてきた。その謎に歴史小説で迫ったのが、昨今ベストセラーになっている「信長の棺」(加藤廣著)である。発売された昨年6月以降、当初の2ヶ月の発行部数は1万冊前後だった。人気に火を付けたのが小泉首相である。郵政政争の渦中、「最近の愛読書は『信長の棺』。面白かった。繰り返し読んだ」と語ったものだから、小泉ファンも巻き込んで爆発的は売れ行きになった。私もきょう読んでみた。これはおもしろい。あとがきによれば、作者の加藤氏は歴史を調べるうちに、本能寺の変の前後、不審人物を6人見つけたという。明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、近衛前久(元関白)、里村紹巴(連歌師)、清玉上人(阿弥陀寺)。作品中、この6人の動きを探る役目を担ったのが、元織田信長側近の太田牛一。「信長公記」を残したこの歴史上の人物を、狂言回しに仕立てのはうまい! 太田牛一があちこち聞き回った結果、実は本能寺と阿弥陀寺との間に七十間ほどの距離のトンネルがあったことが分かったというのがストーリー。ところが、そのトンネルが、途中、何者かにふさがれていたため、信長は結局、トンネル内で煙に巻かれ窒息死したというのである。その仕掛け人はだれだったのかは、読んでからのお楽しみ。さて、本書のもう一つの魅力は、信長という人物の見方だろう。作品中、太田牛一が信長の思い出を振り返る次のようなシーンがある。南蛮から伝わった金平糖を日本ではつくれない理由について信長は「菓子匠という権威にあぐらをかいているからだ」と批判していたという。また、大宮暦や京暦、伊勢暦など日本にはたくさんの暦があって混乱していることについては「天象観測にあたる陰陽寮の官人の怠慢・無能のせいだ」と怒っていたという。なるほど、改革者を自認する小泉首相が「読んで面白かった」と語ったのはこのあたりのことを指してのことだろうか。ちなみに、著者の加藤氏は小泉首相について次のように語る。「私は小泉さんの強情なところが好きでね。ただ、桶狭間の奇襲がお好きなそうだが、私はあれは虚構だと考えます」。えっ、桶狭間の奇襲作戦は事実でなかった? そのあたりのことも本書を読めば分かります。【DEERS百貨店】 本・雑誌 ◇ パソコン・家電・AV ◇ 生活・インテリア ◇ スポーツ・アウトドア ◇ ファッション・ブランド ◇ ダイエット・健康 ◇ トラベル ◇ 趣味・ペット ◇ フード・ドリンク・ワイン ◇ 出品30日間無料 ◇ 人気blogランキング ◇ 大感謝祭セール蓮4044
January 8, 2006
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公立の小中学校で、文房具代・給食費・修学旅行費などの援助を受ける児童・生徒数が最近4年間で4割近くも増えたそうだ。東京や大阪では現在、クラスの4人に1人が援助を受け取っている。父親のリストラや給与水準の低下が背景にあるのだろう。新聞報道によれば、ある学校では、先生が鉛筆の束と消しゴム、白紙の紙を持参して授業を始めるのだとか。景気が回復してきたとされる一方で、経済的に生活が苦しい人たちが増えていることがうかがえる。最近、「下流社会 新たな階層集団の出現」(三浦展著)という本が話題になっている。著者が造語した「下流」とは、所得の中間層から「中の下」へ落ちてきた人たちのことを指している。彼らは食うや食わずの生活というわけではなく、それどころか、DVDプレーヤーもパソコンもちゃんと持っている。高度成長期にテレビを持てなかった所得層とは明らかに違う。彼らに唯一足りないのは、中流に踏みとどまろうとする意欲なのだというのが、本の趣旨である。その傾向が顕著なのが、現在30歳代前半の団塊ジュニア世代の、それも男性であるらしい。所得が低いだけでなく、コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲が総じて低い。彼らはむしろ、「自分らしさ」にこだわりを見せる。「生活の中で大事にしていることはなんですか」というアンケートの質問に対し、「個性・自分らしさ」を挙げた人は、階層意識が上の層では25%なのに、下の層では41%にのぼっている。彼らはやる気がないのに、自分らしさという夢を追いかける層なのである。統計学上、年間所得300万円にならなければ結婚もできないから、未婚、子供なしが必然的に増える。さらに著者が指摘するのは、階層社会がいまの状態で固定化していくことである。団塊ジュニア世代のとくに女性たちは、生まれ落ちたらすぐ1975年から国連婦人の10年が始まり、86年には男女雇用機会均等法が施行された。この世代の女性の意識格差は著しいらしい。アンケート調査をしたら、所得が上の層は、自分の子供に国際性と上品さを求め、ゆとり教育に反発している一方、下の層は、手に職をつけて自分らしく生きる子供に育てることをめざす。上の層は子供に海外留学させ、下の層は公立学校へ通わせる。この教育格差が自然と、階層が固定化させていくというわけである。日本も戦後60年でここまで様変わりしたということか。かつて日本は、一億総中流化といわれた。いつかは、中流になれると希望をみんな持っていた。ところが一転、中間層が下流化し始めたのが現在の日本の姿である。著者はその象徴として、2005年夏に発売されたトヨタのレクサスを挙げている。かつて、トヨタは階層上昇型消費モデルとして、まずカローラに乗り、コロナに乗り換え、いつかはクラウンに乗る、という夢を提示してきた。ところが、今回発売したレクサスは、「いつかはレクサス」という形では売られない。これは一部の上流層にのみをターゲットにしたものだという。一億総中流化社会は遠い幻影というほかないかもしれない。【DEERS百貨店】 本・雑誌 ◇ パソコン・家電・AV ◇ 生活・インテリア ◇ スポーツ・アウトドア ◇ ファッション・ブランド ◇ ダイエット・健康 ◇ トラベル ◇ 趣味・ペット ◇ フード・ドリンク・ワイン ◇ 出品30日間無料 ◇ 人気blogランキング ◇ 大感謝祭セール蓮4044
January 4, 2006
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ぼくは小さい頃、数学は得意だったが、国語は苦手だった。読書習慣がちゃんと身に付いていなかったのが一番の理由だが、国語のあの道徳臭が嫌だったこともある。教材には必ずなにか教訓が背後に隠されていた。芥川龍之介の「羅生門」に登場する青年は、生きるため強盗になる身勝手さが問題にされたし、夏目漱石の「こころ」の先生は、友情と恋愛を天秤に掛け、恋愛を取ったエゴイズムが指弾された。選択式の受験問題では、だいたい、道徳的に正しい方を選んでおけば正解が得られるようになっていた。だから、そういう思考回路を育むように、学校の国語教育がなされてきたといっていい。ところが、それでは世界のグローバルスタンダードに立ち向かえないと真剣に論議されるようになったきたのがここ数年である。その決定打となったのが、経済協力開発機構によって世界41カ国の15歳を対象に実施された2003年学習到達度調査(PISA)の結果だった。この調査で日本の子供たちの読解力が前回2000年の8位から14位に下落したのである。ゆとり教育によって学習内容が3割減ったのだから成績が下がって当然なのだが、それ以上にショックだったのが、文章を読んで考える力が全く国際レベルに達していないことが分かったことである。日本人は文章や図から情報を読みとる能力は依然として高いレベルにあるのだが、自由記述式になると途端に無回答が激増する。2000年の実施されたPISAの問題を例に挙げよう。「落書きに関する問題」という設問がある。落書きを批判するAさんと、落書きはコミュニケーションの一つだと肯定的にとらえるBさんの意見を読ませ、「Bさんが広告を引き合いに出している理由は何ですか」という自由記述問題が出されていた。OECDの平均無回答率は10%だったのに対し、日本のそれは29%で断トツトップだったのである(「国語教科書の思想」石原千秋著)。落書きはいけないものだという道徳的な思考回路ではとても歯が立たない。これは日本の国語教育の最大の欠陥である。子供たちに作文を書かせたらその傾向は顕著だ。だいたい先生が喜ぶ「正しい」ことしか書かない。遠足はいつも楽しいし、努力はいつか実るし、ルールは守らなくてはならないのである。発想がひとつのベクトルにしか向かわないのである。ぼくは大学生時代、読書感想文コンクールに入賞し、出版社の人に英国の元首相のもとへ連れていってもらったことがある。その旅行からの帰途、出版社の女性の方から「この業界はどれだけ批判できるかが勝負です」と言われ面食らったことがある。ぼくは純な性格だったから、他人のいいところを見つけるのが正しいことで、他人に意見するなんてもってのほかだと思いこんでいた。でも、社会に出たら、そんな悠長なことを言っていられないことをすぐ思い知った。意見を言わない人は考えていない人だと思われる。歯に衣着せずどんどん意見を言い、少しでもいい商品、いい会社、いい社会を作っていこうという風に、いまの日本の企業社会は変わり始めている。学校教育はそういう時代の流れからまだ立ち後れていると言わざるをえない。現行教育で育った子供たちが長じて、厳しいグローバルスタンダードに立ち向かえるかどうかを考えると、とても心許なくなる。【DEERS百貨店】 本・雑誌 ◇ パソコン・家電・AV ◇ 生活・インテリア ◇ スポーツ・アウトドア ◇ ファッション・ブランド ◇ ダイエット・健康 ◇ トラベル ◇ 趣味・ペット ◇ フード・ドリンク・ワイン ◇ 出品30日間無料 ◇ 人気blogランキング ◇ 大感謝祭セール蓮4044
January 3, 2006
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明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。さて、きょう新年恒例の一般参賀が皇居であり、天皇陛下らが宮殿・長和殿のベランダに立って笑顔で手を振った。天皇陛下は「年頭にあたり、国民の幸せと世界の平安を祈ります」とあいさつ。雨が強まった午後には「ずいぶん雨にぬれられたのではないかと案じています」と述べた。雨の影響からか、参賀者数は約5万200人で、現在の形式になった69年以降では最少となった。以下、天皇陛下のお話。現在の明仁天皇は2人兄弟で、弟の名前は常陸宮正仁。一方、現在の皇太子は3人兄妹で、弟が秋篠宮文仁、妹が紀宮さま。ところで、昭和天皇は、男ばかりの4人兄弟だったとされている。長男は昭和天皇、次男は秩父宮擁仁、三男は高松宮宜仁、四男は三笠宮崇仁。ところが、皇室の系図に記載されていない妹が1人いたらしいことはあまり知られていない。その人は、三笠宮崇仁とともに、大正4年12月2日、双子の女の子として生まれた。宮内庁は当時、「皇后陛下には午後7時35分御分娩、皇男子御誕生あらせらる」と発表したが、実はそれより先の夕方、もう一人、糸子内親王が誕生していたのである。ただ、公家や大名家など社会の師表と仰がれる家では、家門の名誉のため双子の一方を始末することが多かった。双子は畜生腹として蔑まれたうえ、男女の双子ともなれば、情死者の生まれ変わりだと信じられたからである。こうして糸子内親王は誕生後、夜半ひそかに京都方面へ連れ出されることになった(「昭和の皇室をゆるがせた女性たち」河原敏明著)。その子はのち、奈良の円照寺で育ち、出自が出自だからか、小学校にも上がらず、毎日曜日と土曜の午後に奈良市の小学校の教頭に来てもらって勉強したのだとか。その後、同寺のご門跡となり、名を山本静山(じょうざん)尼といったという。寺に伝わる華道「山村御流」挿花の家元をも兼ねているらしい。前述の著者は1984年、それまで固く秘匿されてきたこの「皇女」の話を週刊誌に書いたそうだが、その後も真実は分からずじまいである。【DEERS百貨店】 本・雑誌 ◇ パソコン・家電・AV ◇ 生活・インテリア ◇ スポーツ・アウトドア ◇ ファッション・ブランド ◇ ダイエット・健康 ◇ トラベル ◇ 趣味・ペット ◇ フード・ドリンク・ワイン ◇ 出品30日間無料 ◇ 人気blogランキング ◇ 大感謝祭セール蓮4044
January 2, 2006
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