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2009年12月24日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
こんばんわ、お客様。




もうすっかりお馴染みでいらっしゃいますね。








・・・今日はクリスマス・イヴ。




どうぞ皆様の元にも、温かい奇跡が舞い降りますように。

今一度、夜空を見上げることをおすすめ致します。




今宵も扉を開けて差し上げましょう。




それでは、どうぞ、ごゆるりと―――――。















『ルドルフ、ナンバーナイン』




続きのそのあと 「イヴに起こった出会い」









今日は楽しいクリスマスイヴ。

街中の誰もがうきうきです。


前日から降り出した雪はいったん落ち着いて、太陽がちょうど顔を出したとこでした。





愛のサンタクロース、ノエルは、そんな銀色の街中をとぼとぼと歩いていました。
クッキーの材料を買うためにはるばるやって来ていたのです。

色々な材料があって、目移りばかり。
でもやっとこさ目星をつけて、買い物を済ませたところでした。

しかし、ノエルの心には、どうしても済まないことがただ一つだけありました。



ナタリスから聞いた、9番目のトナカイ、ルドルフのことです。
今は2人の兄のジニーとナヴィダが探してるらしいのですが、どうしても自分も探したくてならないのです。


「ナタリス兄さんは、お前は関わらなくていいって言ってくれたんじゃが・・・。
ルドルフ、のぅ・・・。」


本来なら自分が乗るはずのそりに、さっき買ったたくさんのクッキーの材料を載せ、ずるずるとひっぱり考え事をしながら歩いていたものですから、前から来た人にぶつかってしまいました。


「いてっ。」

ノエルは顔を思いきりぶつけ、こけてしまいました。



「ちょっと、ちゃんと前見て歩きなさいよね!」

ぶつかった女性は怒りながら去って行きました。

ノエルが顔をさすりながら起き上がろうとすると、
正面に、テントらしきものが目に入りました。

街中から少し離れたところに、ぽつんとたたずんでいます。
ノエルは、真っ赤な布で覆われたそのテントに見入ってしまいました。

なぜだか、呼ばれているような気がして。
ぐんぐん進んで目の前に来ました。

しかし、来てみたはいいものの、やはりちょっと怖くて勇気が出なくて中をのぞくことができません。
こんな時、ナヴィダならいとも簡単に布をめくることができるのでしょうけれど。



「いいからお入り。」

ノエルがためらっていると、なんと中から声がしました。


「・・・・。」

怖い気もしましたが、ここでためらっていても仕方ありません。
ノエルは思い切って布を左右に引きました。


室内は、いかにも、と言った雰囲気で薄暗く、外の赤とは違い、藍色の布で覆われていました。

中に光は無く、小さな木のテーブルに乗っかった水晶だけて室内は照らされていました。
そしてその水晶の目の前には、持主なのでしょう、紫色のローブにフードをすっぽり被った人物が座っていました。

「こ・・・こんにちわ・・・。」


恐る恐るノエルが挨拶をしました。

するとフードの主は、ちょいちょいと手招きをしてみせました。
どうやら目の前にちょこんと置いてある椅子に腰かけるよう言っているようです。

促されるまま、ノエルは椅子に座りました。
主は満足そうに頷きます。


何を話してよいかわからなかったので、ノエルは口を開くことが出来ませんでした。
すると、


「お主、サンタクロースじゃな。」

「・・・・!?」

いきなり正体を暴かれ、ノエルはドキッとしました。

「構えるな。わたしの前では無意味じゃ。」

未だ顔もわからないこの水晶の主は、淡々と言いました。

「・・・あなたは、どなた様じゃな・・・?」

おっかなびっくりで問うノエルに、主は笑ったようでした。

「ただの占い師じゃ。不便ならノアと呼ぶがいい。」

「・・・ノア・・・。」

ノエルは主の名前を深く刻みました。



「お主、名は?」

「・・・ノエルです。」

「・・・ほう、愛のサンタか。」

「・・・・・なぜ・・・。」

名前を聞いただけでそこまでわかるのか不思議でしたが、ノエルはもうこだわらないことにしました。



「お主、今、迷いがあるな?」

「・・・・・・。」

ノアの問いに、素直に頷きます。

「よかろう。そんな時は、誰かが背中を押す必要がある。」

フードが揺れました。ノアはまた笑ったようです。

「ノエル。この世に生まれての、1番の痛みはなんだと思う?」

「1番の・・・・痛み・・・・?」

はてと首を傾げるノエルに、ノアはまた一言。

「愛のサンタ、お主なら容易にわかることじゃて。」

声のトーンを高くし、ノアがご機嫌そうに言いました。

「はて、てんで思い浮かびませんが・・・。」

そんなノアに、ノエルは首をかしげるばかりです。

「簡単じゃ。己の心に素直になるだけで良いのじゃ。」

ノアが水晶を両手で覆います。
微力な光が、強い光を放ちます。

ノエルはその光に見入りました。

水晶が映したのは、1匹のトナカイでした。


ノエルはすぐにわかりました。

「・・・ルドルフ・・・。」

「さよう。」

ノアが頷きます。

「なぁ、ノエルよ。」

水晶を見つめながらノアが続けます。

「この子の魂は、救われないままなんじゃよ。」

「・・・・・・。」

「それに気づいたから、ためらっているのであろう?
今までサンタの仕事しかこなしてこんかったお前が、新しいことに触れて良いのかどうか・・・。」

「ノア・・・。」

ノアの言葉は、ノエルの迷う心を捉えます。

「しかしな、ノエル。
言ったであろう、己の心に正直に生きるのじゃよ。」

水晶から、ルドルフの姿は消えていました。

「それが良い巡りをもたらすのじゃ。
お主が救えるのは、子供たちだけではないよ。」

「ノア・・・。あなたは一体・・・。」

「・・・さ、行きなされ。」

ノエルの問いに答える様子はなく、外を指さしました。
しかし、不思議とノアに素直に従う気持ちで、ノエルは席を立ちました。

「・・・スノーマンに尋ねると良い。道しるべになろう。」 



「ノア、どうもありがとう。」

にっこりと笑って、ノエルはテントを出ました。

「・・・わたしに出来ることはこれくらいじゃ。」

誰にも聞こえないそのつぶやきは、空気の中にふわっと溶けました・・・・。





外に出ると、太陽がちょうど真上に気持ち良さそうに浮かんでいました。

「うむ、これは少々急がねば。」

ルドルフのことも心配ですが、まずは子供たちに配るプレゼントが最優先です。
ノエルは急いで街を出ました。
もちろん、大事なクッキーの材料も忘れずに。

しかし、ノエルが出るのを待ちわびていたかのように、いっきに雲行きが怪しくなり、かと思えば、辺りはあっと言う間に吹雪で覆われました。


「む・・・まずいことになった。」

打ちつける雪に、顔をしかめるノエル。
しかし吹雪は次第に強さを増していっているようです。

「・・・いかん、何としてでも家に辿り着かねば・・・。」

そんなノエルの強い意志とは裏腹に、吹雪が衰えることはありませんでした。





ノエルがそんな大変な時、こちらは、サンタクロースの家です。
2人のサンタはすでに家に戻って来ていました。



「・・・そうか。ノエルにも話したか。」

「ほっほっほ。その方がええかと思うてな。
それより、わらしは兄上がルドルフのことを知っとったことにびっくりじゃわい。」

「知ってたところで、何もできんかった。放置していたわっしの報いなのかもしれん。
お前たちに強く言える立場ではないな。」

「ジニー兄貴・・・。」

すっかりしょぼくれてしまったナヴィダが小さく言いました。
そんなナヴィダに、

「なーにをしょぼくれておる。そんな場合か。
いよいよ今晩、トナカイを率いて大空を駆け回るのじゃ。さっさと用意をせんか。」

そう一喝をすると、ナヴィダは黙って2人の前を去りました。



「・・・あやつ、大丈夫かのう。」

ジニーが少し心配そうにその方向に目をやります。

「ほっほっほ。なぁに、心配いらん。あいつは、落ち込んでも立ち直りが早いやつじゃて。
兄上やルドルフが気になっているのではなく、自分がしでかしたことを気負って反省しているのじゃろう。
あいつもれっきとしたサンタクロースじゃからなぁ。心から悪いことはできんのじゃよ。」

ナタリスが余裕の笑みでそう言います。

「・・・確かに。それに、今はノエルの方が心配じゃ。
しかも戻って来れても、あやつのトナカイたちは空を飛ぶことができん・・・。しかしそれはいかようにも解決できよう。
いざとなればわっしと一緒に空を飛べば良い。」

ジニーが窓の外に目を移します。
ナタリスは、だいぶすまなそうな顔で言いました。

「・・・もっともじゃ。それに、ルドルフも・・・。
結局見つからんかったのじゃろう。」

「・・・ただでは見つからん。」

ジニーが顔を伏せます。

「・・・なぜ?」

「先代たちが、まじないをかけたんじゃ。
『ルドルフの居場所、ハーミーのみが知る。これより他、見つける術なし』
そう、日記に書いてあった・・・。」

「・・・ハーミー?何じゃそれは?」

「それがわかれば、とっくに見つかっておる。」

ジニーがため息をつきました。

「兄上・・・。」

「ともかく、じゃ。
ノエルのこと、ルドルフのことはとても心配じゃ。
しかしわっしらにはどうしてもやらなければならないことがある。
そうじゃろう?」

伏せていた顔を上げて、ジニーは言いました。

「今はノエルを信用し、わっしらは自分のことに専念しようではないか。」

「・・・そうじゃな。」
2人は連れだって歩き出しました。





明日はいよいよ、クリスマス。



何が起ころうとも、その日は間違いなくやって来るのでありました―――――。




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Last updated  2009年12月24日 19時20分30秒
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