瀬戸キリスト教会牧師 西風の会代表 堀 俊明  精神障害2級 (躁鬱病,アルコール依存症)

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2007/04/11
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カテゴリ: 医療
 厚労省が世論に後押しされて終末期医療のガイドラインを作成しました。富山県射水市民病院の外科医が末期患者の人工呼吸器を独断で外したとして告発されました。家族の同意の上での決断でしたが、殺人容疑で捜査されているからです。
 (1)患者と医療機関の合意内容を文書にする(2)患者本人の意思が推定できない場合は家族と話し合い、患者にとっての最善策をとる(3)方針が決まらないときは複数の専門職による委員会を別途設立して助言するの三点です。
 日本尊厳死協会の尊厳死の宣言書(リビングウィル)では(1)延命措置の拒否(2)苦痛緩和措置の依頼(3)生命維持装置の使用停止の三点を求めていますが、誰が死期の診断、植物状態の認定をするかが明らかにされていません。
 現在の法体系では例えリビングウイルがあったにしても主治医は刑事告発をされかねません。トラブルを避けるためにはリビングウイルを無視しても生命維持装置を使用し続けるしかありませんが、それに対する批判が出てきているのです。
 人には人間としての尊厳を保ちながら死ぬ権利があるはずですが、日本では患者を一分一秒でも生かし続けるのが医者の義務だと考えられています。生命維持装置により生かし続けられるのを望まない人もいますが現状では認めらません。
 今回のガイドラインでもリビングウイルが認められる保障はありません。主治医がリビングウイルを倫理委員会に提出し、尊厳死を認めたのにも拘わらず院長が拒否した例もあります。医者が尊厳死を実行するのには高いリスクが伴います。
 良心的な医師は刑事告発をされるのも覚悟の上で尊厳死をさせているのです。病院には延命治療は医療費を稼ぐ打ち出の小槌でしょうし、刑事告発のリスクを冒すのは馬鹿げたことでしょうが、患者の意志を尊重する医師もいるのです。
 終末期医療が問題にされる背景には病院でしか最期を迎えられない現状があります。患者は家庭で最期を迎えることを望みますが、日本では許されない贅沢なのです。家庭医制度が崩壊した日本では訪問医療は望めなくなったからです。
 不必要な終末医療がなされている背景には日本の皆保険制度があります。医療費が自己負担ならば終末医療を拒否し、家庭で最期を迎える人が増えるでしょう。老人医療費の増大の一因には終末医療に掛かる経費の増加が考えられます。

 死はキリスト教徒には神の国への乗換駅に過ぎず、仏教徒には此岸から彼岸へと移るだけに過ぎません。非宗教、無宗教の人には肉体の死にすぎません。いずれにしろ人は必ず死ぬのですから、自分らしい死を迎える権利があります。
 医学の進歩は延命技技術を進化させますが、それを活用する権利もありますが、拒否する権利もあるはずです。医学の進歩に生命倫理は対応できていません。医療技術は進歩しましたが、生命倫理は未成熟ですから議論の積み重ねが必要です。





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最終更新日  2007/04/12 06:42:38 AM
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