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うちに犬(チロル)がやってきて早八年目。マイクロチップを体内に挿入されるような事など全く無縁のものかと思っていた。 先日動物病院を訪れた。注射嫌いの私には針の太さが見るに耐えなかった。ところが、診察台の上に座るチロルは目の前にかざされたおやつに夢中で、本当に『あ』、と言う間に用は済んだ。「三日位は首筋をグリグリしないで下さいね。」「はい…。」思わず深いため息が漏れた。 人も、連れて行く犬も同時進行で事を着々と進めなければならなかった。 犬を連れての初めての渡航。待ち受ける生活。見知らぬ人々、そして動物達。 さようなら、たこ焼き、くいだおれの人形、パチンコ屋の喧噪、赤ちょうちんと看板の並ぶ疲れ知らずの町…! 犬のいる人、猫と住む人、動物が嫌いな人、興味のない人、沢山の人達と感化しあえて良かったと思う。そして、そんな個々の想いがこの日記を書く元気のもとになった。 これまでの暮らしぶりと違った新しい何かが展開されるのか? いや、基本的に何ら変わらないのかもしれない。 今後お互いどんな事が胸の内に綴られていくのか、全てはまだ想像の中にある。
2007年03月26日
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引っ越し時の荷物に必ず持って行く物がある。 卒業アルバムや写真は何処へ行くにも失われる事なく、いつも自宅の片隅にひっそりと置かれている。 ある日片づけの最中に、遠い過去の写真を見つけた。私が当時小学校三年生の頃、遠足でとった集合写真だった。懐かしい顔、思い出したくない奴の顔もあったけど、歳月が流れた今、懐かしい面々のリストに収まっている。今ではどこかで対面しても全く分からないだろう。 その最前列中央に、他の誰よりも忘れる事のない人がいた。『先生』。小柄でロングヘアの清楚な担任だった。先生の年齢をとうに越してしまった私だけれど、私の中では永遠に自分より大人だ。 先生は勉強の話ばかりでなく、人の道、世間話や自分の事まで多岐に渡っていろんなことを話してくれた。まだ学校の先生が敬われていた時代、勉強だけでないもっと大事な宝物を先生から受け取っていたと思う。同じ家にいる親よりも、先生の方を慕っていた。 進級前に引っ越して来て、クラスに馴染めなかった無口な私に、根気よく話しかけてくれた。成績の良くなかった子を対象に、こまめに補習をし、放課後子供の悩み相談に立ち会っている事もしばしばあった。私の中で先生は、初めて焼きつけられた『人間像』でもあった。時には笑い、叱られ、一年の間様々な感情をクラスの皆と分け合ってきた。 私もいつしか、前にいた犬(日記/2006-06-25)への未練を忘れ、先生の声に耳を傾け、ただ無心に学校へと通った。 そして三年生も終わりを迎えたある朝、先生が朝礼台に上がって話をした。『この春で転校する。』と。話す声は途中で涙声に変わり、最後にはハンカチで顔を押さえたまま言葉を詰まらせてしまった。 全校生徒が静かに見守る中、クラスの皆だけがすすり泣いていた。 '70年代某日、思い出すと胸の熱くなる当時の想いがまだ心の片隅にも失われずにあった。
2007年03月11日
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我が家の町は、賃貸マンションやアパートが多い。そこに住む犬も、スペースに合わせて比較的小さいコがほとんどだ。 いつも行く公園の近く、古くから残る木造文化住宅1階に住むおじいさん(79)は、クッキー(G・レトリバー/♀12歳) と暮らしている。やや前屈みの姿勢で歩く小柄なおじいさんの歩調と同じく、彼女がゆったり進むのは自身の年齢のせいもあるのだろうか。 元々クッキーは娘さんが手に入れたコで、彼女が嫁いだ先の住居が犬猫禁止だったため、父親であるおじいさんが引き受けたのだ。 おじいさん曰く、「のんびりしてて滅多に吠えへんからねぇ。両隣り以外他の部屋は、うちが(クッキーを)飼ってるの知らんかった人がおるくらいやわ。」(微笑) 契約うんぬんは置いたとしても、このじいちゃんとクッキーにはこのまま平和に余生を過ごして欲しい! と心底思う。 昔は多かった木造の文化・アパートが老朽化によって取り壊された後、鉄筋のゴージャスな仕様、しかも犬猫OKという集合住宅がここ数年でいっきに増えた。 多少のいさかいは見聞きするものの、これだけ密集した地域で病院行きや金銭トラブルに発展したと言う話は今のところ、まだない。 しかしオーナーの中には犬が小さいからと外出後足をきれいにせず、そのまま部屋にいれ、ソファーや机の上までも飛び乗らせてしまう人もあり、(気持ちが)引いてしまった経験がある。 逆に今尚『犬は外で飼うべき』と疑わない人もおり、一戸建ての外、庭とも言えないスペースの中で、散歩の時間以外の大半を鎖で繋がれたコもいる。こうした犬は退屈余って攻撃的か、うつろな目で生気が失せている。 動物だからという割り切りで、不衛生さに目をつぶれない。かといって完全に生活空間を分けて別の暮らしをするならいなくても同じだ。(家庭犬として一般の家にいる場合) 衛生面と時間と空間の共有、よくばりな私はどれもいいところを取って暮らしていきたいと思う。
2007年03月04日
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