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トイモイ

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2009.12.10

沖縄の那覇ターミナルの中に仲島の大石という石灰石の大きな石が祭られている。沖縄バスターミナルは、戦前、鉄道の始発着の駅があったところである。その敷地にバスターミナルが出来、そして、巨大な石灰石が置かれた訳ではなく、昔、海岸線がここまで迫り、この石だけがあったのであった。球陽八景のひとつである。

　朝、飛行機に乗り、機内誌をパラパラめくっていると、たまたま沖縄特集があり、そこに、球陽八景の記事があり、そのひとつに、仲島の大石があったのである。書いたのは、北斎であり、北斎、琉球に行ったのか？？と一瞬思ったのだが、中国人はが作成したものを下に、北斎がそれを見て想像して描いたようである。こうやって、世の中が変わっていっても、昔からある聖なる地は残って行くものなのかもしれない。こバスターミナルも再開発地域に入っているし、低層利用で、高層高度利用されていくのかも知れないが、これは残るであろう。

　私の住む家の近く（でもないけど）、噂のある岩があり、道のど真ん中でどけられることなく、左右に道が分かれている場所があり、そこにある岩は道路建設時からのけられることがなかった。学生時代から何度も通って、そこを通るときは神妙な気分になる。紋左衛門岩という。

　考えてみれば、西洋の教会も、そこになんとなく建てたというのではなく、昔、そこに何が建っていたか、何があったかというと、やっぱり土着の聖地だったのである。

　ともかく、そこから、海沿いに有る波の上神社まで歩き出す。波の上といえば、ステーキの店と、ソープランド(辻だけど)が点在する界隈である。途中何か面白そうな店でもあれば、メシを食おう、今日はまだ何も食べていないので、と思いながら、歩いていくと２０分もあるけば、孔子廟に到着し、その横の神社にも到着した。琉球ではなく、日本の神社であるが、多分、かつては違う聖なるものがあったに違いない。

　聖と俗はたいてい、隣り合わせなものなのかも知れない。