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2007年09月23日
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カテゴリ: 読書感想

IWGPシリーズを読んで、ニヤニヤしながら池袋に足を運んだ人ってどれくらいいるんでしょう?少なくとも、私はいそいそと足を運んだ田舎者の一人です。



今日も池袋には事件が香る。風俗スカウト事務所の罠にはまったサンシャイン60階通りのウエイトレス。
伝説のスターが設立を夢見るロックミュージアムの真実。
集団自殺をプロデュースするインターネットの“クモ男”―。

ストリートの「今」を鮮やかに描くIWGPシリーズ、切れ味がさらに増した第5弾。




仕事だけでなく、日本の夏にはもっとドルチェ・ヴィータが必要なのだ。




ドルチェ・ヴィータぁぁぁぁ?何じゃそりゃ!( ̄□ ̄;)!!

と思った自分は、やっぱり田舎者なんでしょうか?→ 「ドルチェ・ヴィータ」
ということはどうでもよく、以下、 辛口感想 なので、お気をつけください。


今回、一番衝撃的だったのが、「伝説の星」で新宮寺にロック博物館の構想を聞かされたマコトの感想でした。

別にあやしいところはないようだった。

(つд⊂)ゴシゴシ (つд⊂)ゴシゴシゴシゴシ

…………(;゚д゚) マジで?


「この土地を深く掘りさげて、地下にはライブハウスをつくる。一階はロックカフェで、二階はCDショップ、三階はスタジオだ。ガキには学割で最新の設備を貸してやるつもりだ。そのうえにはおれたちのインディーズレーベルの事務所をおいて、最上階はおれの住まいになる。ほんもののロックだけで、ビルを一本埋め尽くすんだ。腕がよくても時流をはずれたバンドを、どんどんステージにのせてやる。そうやって日本の音楽シーンをすこしずつでいいから変えていきたい」

↑どう考えても、あやしいだろ。
おまえは、税金を投入して採算性のかけらもない箱物を作りたがる官公庁か!( ̄□ ̄;)!!と突っ込みたくて仕方ありませんでした。


もともと、リアリティの乏しいシリーズだとは思ってましたが、それを通り越して、もはやファンタジーの域に入ってます。
そんなでっかい話を、就職もしてない家事手伝いの単なる池袋限定トラブルシューターなんかに頼むかなぁ。頼まないよなぁ。
どうも、「池袋っていう箱庭に、マコトという登場人物を活躍させるためだけに、リアルを無視して事件をぶち込む」っていう構造にしか見えなくなったせいで、かなり読むのが厳しかったです。
ヤクザやストリートギャングの描写も甘いし、そうしてみると、マコトが報酬を得ないところも、リアリティを感じさせない一因か。
「死に至る玩具」にしても、ビラを配るだけで大企業が動かせると考える能天気さとか、アクシデントにも関わらず親切にも中継を続けるプロデューサーの無能っぷりは、ご都合主義だよなぁ……効果のあるなしはともかく、なんでネットを活用しないんだか。

世界は、確かに辛いし、厳しいし、過酷で、残酷だけれども、決してそれだけじゃない。
何をどうやっても救われない存在もあるけれど、救われる存在だって確かにあると信じたい。
そんな物語を、フィクションをリアルに錯覚させてくれる世界で読んでいきたい自分としては、IWGPシリーズは、かなり「軽い」ものになってしまいました。
楽しみにしていたシリーズだけに、残念で仕方ありません。

う~ん、読むべきか、読まざるべきか、次はどうしよっかなぁ。




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最終更新日  2007年09月24日 18時35分02秒
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