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2007.09.22
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カテゴリ: 悲しい話

2007年9月21日のつづき


そこでサンちゃんの飼い主さんは安楽死を希望されました。こんなに歳をとっているのにこれ以上治療で苦しい思いをさせたくないから楽にしてあげてほしいとのことでした。


動物病院では必要があれば動物の安楽死を行いますが、それが必要だと獣医さんが判断するための細かい基準というのは法律では決められていません。それぞれの獣医さんの価値観によって違ってきますが僕の安楽死をするための基準は・・・


「治療をしても治る見込みがなく、痛みや苦しみを薬で和らげることが出来ない場合」


たとえ慢性腎不全、末期ガン、猫エイズなどの治らない病気でも治療を受ける事によって楽になり、食べる事や飼い主さんとの一緒の時間を楽しめるなら、まだ安楽死を受ける時ではないと僕は考えています。


サンちゃんのケースは血糖値を上手くコントロールできれば楽になる可能性がないとはいえなかったので、本来の僕にとっての安楽死対象には入りませんが、飼い主さんのサンちゃんを思う気持ち、かなりの高齢で治療をしても苦しいだけになってしまう可能性があること・・・色々考えて飼い主さんの希望通り安楽死を行いました。


サンちゃんの飼い主さんは泣きながら「ありがとうございました」と帰っていきました。しゃべることが出来ないサンちゃん本人がどうしたかったかは分からず、僕自身も本当に良かったのか、強く治療を勧めるべきだったのかと後になってからも悩みましたが、19年一緒にいてサンちゃんをかわいがっていた飼い主さんが一番良いと思った方法がベストだったと信じることにしました。

サンちゃんの御冥福をお祈りいたします。






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Last updated  2007.09.22 17:41:04
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