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花火です。隅田川花火大会です。とっとと外出して用事を済ませないと、夕方にはおうちに帰るのが大変になってしまうので、図書館などに出かける。図書館でアルバイト用の資料と、松田良一『山田詠美 愛の世界』という論文集を借りる。マンガを書いていた頃に関する資料が豊富。数日前から在宅アルバイト中。中程度のセキュリティがかかっている仕事なので詳細は明かせませんが、テスト問題作成とだけ言っておこう。いや~、作る方も大変なんですよ。浅草松屋で古書展が開催されていて、そこで嶽本野ばらの『それいぬ』単行本のしかも初版本をゲット。最近全く公表しなくなってしまった、彼の生年月日が明記されている!やっぱり同年代だ・・・夕方、お気に入りの浴衣に着替えて花火見物に。うちに帰れば休めるので、立ちっぱなしでもいいやと、適当に見やすいグランドに潜り込んで観賞。花火って、何か胸がすっとするような楽しさと、思わず亡くなった人達の事を考えてしまうような悲しさがあって不思議。浴衣姿の人が多かったけれど、「その着方は無いだろう!」と思うようなのもしばしば。江戸時代の『守貞漫考』という書物に、「浴衣は外が明るいうちは紺地、暗くなってからは白地がいい」というようなことが書いてあるのだが、それは本当。暗くなってからは、白地にくっきりとした模様の方が素敵。ビール、巻き寿司、焼き鳥、枝豆。7月はこうして終わっていった。
2004年07月31日
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なぜか新宿で沖縄を味わいつくす。新宿伊勢丹の沖縄物産展が始まったのさ!実はわたくし、沖縄の血が4分の1混じっております。母方のばーさんが沖縄の人です。ソーキそば、マンゴーアイス、オリオンビール、ゴーヤチャンブルー等を味わって大変満足。本日購入本は、もりもと祟『難波鉦異本 2』と『IN POCKET』の6・7月号。あと伊坂幸太郎『グラスホッパー』、畠中恵『ねこのばば』をなでまわして帰って来ました。しかし『難波鉦異本』、エロさ倍増の2巻でした。でも第8回手塚治虫文化賞受賞。あなどれんな。★篠田真由美『アベラシオン』(講談社 2004・3・10)イタリア美術を勉強するため留学中の藍川芹は、友人とともに出かけたヴェネツィアで、パーティの最中、倒れた老人を介抱した際、美術批評家のセラフィーノと出会う。フィレンツェに帰った後、セラフィーノの招待を受けた芹は、ミラノからアンジェローニ・デッラ・トッレ家の「聖天使宮」に行く。セラフィーノことアべーレ、その弟で体の不自由なジェンティーレ、先代からの知り合いと名乗る国籍不明な老人1人と老女2人、アべーレの秘書アナスタシア、ジェンティーレの世話係ウラニア。正体の知れぬ人ばかりの中で、芹は天使のようなジェンティーレと心を通わす。ところがある夜、芹は部屋にあった走り書きの手紙に呼びだされた先で、教えを受けたスパディーニ教授の遺体を見つける。しかしそれはすぐに消失し、芹は疑われる。やがて芹は次々に殺人に遭遇するが、一向に謎は解けない。一族の秘密とともに、次第にあきらかになる謎。芹はまっすぐな心で真相に向かって行く。主人公は「建築探偵」シリーズでお馴染みの神代教授の姪にあたる女性。教授が姪に宛てた手紙も本文中に入れられる。芹という女性の、素直でまっすぐな気持ちと態度に好感を覚える。残念ながら西洋史や西洋美術には詳しくないので、一生懸命心の中で「イタリア、イタリア」と呟きながら、最大限に想像力を働かせて読み進めた。筆者が「建築探偵」を書き続けるために保留していた『琥珀の城の殺人』『祝福の城の殺人』などの系統の頂点もしくは集大成にあたる作品。スケールの大きさといい、その重厚な雰囲気といい、知らない人間にも十分楽しめる文章。そしてナチスの影。私は政治にも歴史にも明るくないのだが、ヨーロッパにおいてあのナチスの落とした影というのは大きいのだろう。ある報道をした日本の雑誌が結果として廃刊に追い込まれたこともあったし。階級に統制された軍事国家。エンタテイメント作品などでは深く考えずに楽しんでしまうことだし、困ったことにそういう空気に魅力を感じる部分が人間にはどうしてもあるんだろうとは思うが、この話を読むとその理不尽さにやはり怒りを覚えずにはいられない。『仮面の島』にも出てきた芹。好感の持てるヒロインだった。学問的な興味に純粋に従って生きていけたら、どんなに幸せだろう。この本は特装版で、本来綺麗な箱と、著者撮影の写真が使われたカバーがついていたらしいのだが、味わえず残念。
2004年07月30日
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誕生日を祝って下さった方々、本当にどうもありがとうございます。「言葉は言葉でしかないけれど、やっぱり言葉が一番うれしいわ」と、デボウ・スホ(森博嗣『女王の百年密室』)の言葉を借りて、お礼とさせていただきます。★乙一『小生物語』(幻冬舎 2004・7・30)今月中に出るという噂は聞いていたが、まさか自分の誕生日にこれを買うことになるとは。以前、幻冬舎のウェブマガジンで連載されていた問題作(ウソ日記?)『小生物語』に加筆したもの。「愛知編」「東京編」「神奈川編」に別れていて、謎の多い著者の日常と、途方もない想像力の一端がうかがえる。一人称は「僕」であったり、「小生」であったりして、一定しない。映画と漫画とゲームに浸り、時々友達と遊ぶ著者の姿がおもしろい。いや何と言いますかね、これは「芸」ですよ。物語る芸です。ページの隅に細々と付いている注が面白すぎ。特に合コンネタ。女の子との初めてのデートで行きたい場所を聞かれてそりゃないだろう(いや、私はそれでもいいが)とか、その時の女の子グループに某若手女流作家がいたとか、もう、腹をかかえて笑いました。しかし誕生日にこの本と目が合って、思わず買っちゃうというのもどうかと。でも大きさといい、価格といい、かわいかったんだも~ん。これ以外、本日篠田真由美『アベラシオン』を読み始めました。こちらは装丁が重厚で、何やらヨーロッパの香り。
2004年07月29日
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実はお誕生日だったりします。いえ~い。子供の頃は単純に嬉しくて、「祝って祝って!」という感じだったお誕生日。でもここまでいい歳になってくると、それも微妙。かといって、いやでしょうがないというのでもなく。何か、しみじみこの世に生まれてきて良かったなあと。そんな気分です。だから、私に関わって下さった皆さんへ、心を込めて、「ありがとうございます」という言葉を贈ります。今年も楽しい大人の生きざまを、見せつけていきたいと思います。というわけで個人データが明らかに。春蝶亭多門、獅子座AB型の30代。福岡県生まれだが、人生の半分以上は江戸在住だ!で、家族にもらったプレゼント。何と、「Baby-G」キューティーハニー限定モデル!ショッキングピンクのかわいい子です。わ~い!カジュアル時計に縁の無いまま大人になったので、世の中にこんなに丈夫で多機能でかわいい時計があるとは知らなかったよ。しかし普通、3●歳の女性は、宝石だのバッグだの、高いものを浴びるようにもらって、マダ~ムな贅沢を喜ぶものではないかとも思うのだが。まあいい、私はいらん!そういえば数年前のプレゼントはPS2(ゲーム機)でした・・。
2004年07月28日
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「伊坂幸太郎年表」を更新しています。2002年から2003年にかけてが作家としての転機だったようで。しかし最近の仕事量は半端じゃないですね。ところで、すっかり情報が遅くて恥ずかしいんですが、京極夏彦の『姑獲鳥の夏』、映画化が決定していたんですね。発表されたのは6月27日みたいです。気になる主なキャストは、中禅寺明彦(京極堂) 堤真一 榎木津礼二郎 阿部寛関口巽 永瀬正敏 木場修太郎 宮迫博之久遠寺涼子・梗子 原田知世まあ、現在望めるベストな配役かもしれません。エノさんはもっと繊細な方がいいですか?関口さんかっこ良すぎですか?公開予定の来年の夏が楽しみです。
2004年07月27日
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★加納朋子『スペース』(東京創元社 2004・5・28)『ななつのこ』『魔法飛行』と続いた駒ちゃんシリーズの最新刊。「スペース」年末の街に買い物に出た駒子は、警備員のバイト中の瀬尾に会う。クリスマスプレゼントのお返しに、素敵な謎を提供しようと思った駒子は、「駒井はるか」という女性にあてた多数の手紙を読ませる。瀬尾がその手紙から推理した事実とは。「バック・スペース」ある女性の大学生活を一人称で語る。一人暮らしを始めた下宿の裏には、ある会社の独身寮があった。しばしば聞こえる男性の声。彼女はその声と、意外なところで再会する。すぐそばにありながら気付かなかった人との出会いが、やがて人の人生を大きく変えていく。前作をすっかり忘れてました。でも楽しみました。何かふうわりと気持ち良くなる読後感です。しかし何で女の子同士の人間関係ってややこしいんでしょう。私も苦手です。
2004年07月26日
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暑くて図書館に避難&予約本と目に付いた本を借りる。何か大変な事になってしまいました・・本日、借りたのは、乙一『ZOO』、加納朋子『スペース』、大塚英志『サブカルチャー文学論』。うお~、読まなくちゃならないものがたまりまくりだあ。さて、妙な物を作ってみました。「文学研究者の歪んだ愛情」というページ新設。私の瞬発力をかけて、とりあえず「伊坂幸太郎年表」を作ってみました。感心はあくまで作家としての伊坂氏にあり、対象としたのは刊行物です。資料の一つとなればいいのですが。ファンの方、どうぞ興味があったら御覧下さい。
2004年07月25日
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とうとう、読み始めてしまいました。荒川弘『鋼の錬金術師』(小鼠くん、きいてる~?)。やはりヒットするコミックは面白いです。アニメよりコミックの方が大人向けな印象。そして同時に読み始めた、草川為『ガートルードのレシピ』。何だか共通点があるように思えるのはナゼ?★伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』(新潮文庫 2003・12・1)コンビニ強盗に失敗したプログラマの伊藤は、自分をつかまえた幼なじみの警官・城山から逃亡する。気がつくと、見知らぬ島にいた。江戸時代から外との行き来を断っている「萩島」。外界との中継ぎをする轟。人懐っこいがどこかおかしいペンキ屋日比野。郵便屋の草薙と妻の百合。個性的な面々が住むこの島は、自分たちの住む日常とほとんど同じだが、どこかおかしい。警官はいるが、それとは別に自分の基準で人を裁いて殺す男・桜。そして、未来を知っているしゃべる案山子・優午。伊藤はしゃべる案山子に面食らいながら、鳥たちから得たという優午の話に引き込まれる。ところがある日、優午が殺された。未来を知る優午は、なぜ死んだのか。島民一人一人の不可解な行動、そして島に伝わる言い伝え「この島には足りないものがある」、島の外では伊藤の元彼女・静香に城山が接触、すべての謎と出来事が、一本につながっていく。面白かった。非常に丁寧に作られている小説という感じがした。個性的な人物一人一人にドラマがあり、それがくどくならないタイミングで示される。とても狭い「萩島」という場所での出来事であるにもかかわらず、いろんなものがそこには流れ込む。江戸時代の理不尽な出来事、伊藤の祖母の一生など、時を越えた過去の出来事。伊藤とつきあっていた女性、静香の存在。歴史上の人物である支倉常長。そして、オーデュボンと絶滅したリョコウバト。結末から言えば、何一つ解決はしていない。しかし、唯一解決した謎、「この島に足りないもの」が見付かっただけでも、今後この島がどうなるのか、楽しみな気がする。しかし気付かなかったなあ。それらしい伏線はあったのにな。確かに無いよな、アレが。う~む。伊坂幸太郎は、刊行順に読んでいく決意をしたので、次は『ラッシュライフ』を読む予定。
2004年07月24日
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「お気に入り」に、「拡散する思考と嗜好」という項目を作って、最近頻繁にチェックしているページを入れてみました。基準は私が好きなもの、というだけで、本・音楽・ファッションといろいろです。松岡英明くん、ミュージカル「森は生きている」に出るのねえ。キャストに石井竜也氏の実妹・ミナコちゃんやローリー、遠藤久美子ちゃんがいて、楽しそう。お子様向けのようです。でも見たいな・・・頻繁に入れ替えるかもしれません。こっそりリンクしてるものも・・ニュースで来日した韓国の女優・チェ・ジウを見る。背が高くてスタイリッシュなのに驚く。そして感動物のメイク。あのアイライン&マスカラのテクニックはすごい。★歌舞伎フォーラム「女流義太夫の世界」(江戸東京博物館)講演「女流義太夫への招待」水野悠子実演「岸姫松轡鑑 飯原館の段」 竹本駒之助 鶴澤津賀寿シンポジウム「女流義太夫をめぐってー伝承と現在」 竹本駒之助 鶴澤津賀寿 水野悠子 川口節子 神田由築歌舞伎学会の主宰する歌舞伎フォーラムへ。名称は歌舞伎だが、内容は女流義太夫。水野氏の講演は、浮世絵や資料をスライドで映し、多用しながら江戸時代からの女流義太夫の歴史をわかりやすく説明。学会の人間が興味を持ちそうな、文学との関わりにふれながら、今活躍している芸能人の血縁者に女流義太夫の人が多いことをアピール。続いて実演。珍しい演目を、ということで、駒之助師匠生涯3度目の上演、大きい舞台では初めてという「岸姫松轡鑑(きしのひめまつくつわかがみ)」を演奏。源頼家の子供を身ごもった司姫をかくまう飯原兵衛。北条方からの使い、朝日奈三郎が来て、司姫の首を要求する。困る飯原兵衛。そこに17年前、巡礼に出かけて行方不明になっていた飯原家の娘、おそよが、そだてた与茂作とともに訪ねてくる。再会を喜びながら、この娘を身代りに立てようと決め、隙を見て殺そうとする。驚くおそよだが、一度だけ契った鎌倉武士と再会したいと願い、納得する。しかし、その時契った形見に渡した守り刀の持ち主は、実の兄、隼人之助。自分の犯した罪の深さを嘆き、おそよは切られる。狂乱する与茂作。隼人之助はそこで、実はこの刀の本当の持ち主は、朝日奈三郎であったと告白。朝日奈は一生妻帯しないことを誓い、飯原家の娘婿として、身代り首を持ち帰る。司姫は与茂作があずかることに。皆が別れ行く。駒之助、気合いの入った熱演。わたくし思わず、与茂作が嘆くときにいっしょにうるうるしてしまう。この本、決して名作ではない。既存の趣向を繋ぎあわせたような印象。だが、駒之助の語りで息を吹き込まれて生き生きと動く人物が、聞く者の胸をうつ。素浄瑠璃の誇りをかけたような語りであった。シンポジウムは駒之助師匠主導。貴重な昔話を聞くことが中心になる。時間を超過して面白いエピソードがたくさん出てきた。神田由築氏はそういえばお会いした事がある。竹本土佐恵さんのお弟子さんじゃなかったっけ。江戸東京博物館で甘いものでも食べたかったのだけれど、人が多くてかなわず。しょんぼり帰る。が、いいものを聞いたので胸は熱い。ああ、自分のお稽古も頑張らなくちゃ。
2004年07月23日
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昨晩、『文学賞メッタ斬り!』を読みつつ、眠りにつきました。お裁縫熱が再び出て来まして、紫色地の和風プリントで、ひたすらまっすぐ縫うだけのワンピースを作成中です。だって暑いんだもん。着たいじゃん。おうちで着るもの、出来上がり。布は大抵、渋谷に出たついでに「マルナン」で買います。109の近くね。レースとかいろんなパーツとかリボンとかもここで。和風プリントも端切れから充実。ノベルズ&コミック愛読者なので、手作り新書判ブックカバーは手放せません。家の近く、浅草橋や日暮里にも手芸材料はたくさん。お気に入りの淡水パールネックレスも、お店のおばちゃんにアドバイスもらって手作りしたし。ところで、やっと浴衣を引っ張りだしてみました。おそとに着ていけるものもあるけれど、私よりさらに小柄な母がくれたものが2枚ほどあって、これはもう、どう見ても寝巻きに毛が生えたぐらいのもの。よって、家で着ることに決定。でもおはしょりが取れない上、暑くてたまらないので、男の人のように着てみた。さすがに衿ははだけ気味になるが、タンクトップ着ていれば気にならない。帯は祭半纏を着る時の男帯を適当に。かくして先日見た『桜姫東文章』の権助といい勝負の、不良な着方になりました。いいんだい、江戸の人ってこのくらいラフに着てたはずさ。おうちの中だし。でもいいなあ、男の人って。胸の下からウエストまで締め上げるより、腰を締めた方がずっと涼しいし楽じゃん。あ、お外にごみ捨てに出るときは、衿元だけは調えました。
2004年07月22日
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昼から区立図書館に逃げました。ふう。借りた本は『文学賞メッタ斬り!』、篠田真由美の『アベラシオン』、伊坂幸太郎『ラッシュライフ』、秋月涼介『紅玉の火蜥蜴』。★秋月涼介『紅玉の火蜥蜴』(講談社ノベルズ 2004・5・10)『月長石の魔犬』と同じ登場人物が活躍する続編。ある登場人物について、あらかじめネタバレの部分があるので、前作を読まないと楽しめない。連続放火事件が発生し、焼死者が出るが、それは火事で死んだのではなく、明らかに焼き殺されたものであった。火事にトラウマを持つ関係者たち。犯人はいったい誰か。秋月涼介は、デビュー作から読んでいるが、今のところ見守っている作家である。おもしろい個性を持っていながら、欠点の目に付く作家なのだ。今回、コミックタッチの挿絵と表紙を採用したのは、それを解消する一つの手段だったのだろうか。文章に人物の外見描写や服装描写がかなりあるのだが、それが全然具体的な像を結ばないのだ。左右の瞳の色が異なる宝石職人、美貌の若い警部、気の強い女子大生など、個性的な面々が登場するのだが、何だか厚みがない。あと、物を食べる描写がかなりあるのだが、それも人物の個性と結び付かない。延々描写する必然性が感じられない。今回の作品では、その点が少し解消された感じがしたのだが、まだまだ頑張ってほしい。独特の個性があるだけに、残念なのだ。私はミステリの犯人が途中でわかってしまっても、作品の出来が良ければ、楽しませてもらえれば、別に文句を言わない。この作品、犯人はわからなかったけれど、「あ、あの手でだまされかかってる」というのが途中でわかったし、犯人が明かされても、それが価値を持つ重い事には思えなかった。複雑だ。楽しみにしていながら、まだ不満がある作家である。
2004年07月21日
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めったに夢を見ない私が珍しく夢を見たのだが、電車の中で市川海老蔵に会うという、何とも現実的かつ非現実的な内容だった。えっ、今日ってそんなに暑かったの?いや、早々にあきらめて、昼寝しちゃったのよ。涼しくなる頃、ごそごそと起きだして、外出して用事を済ませ、本屋へ。買ったのは雑誌「東京人」8月号と、伊坂幸太郎の文庫『オーデュボンの祈り』。東京人は東京みやげの特集号。さらに落語・講談・怪談噺の特集ときたら買わずにいられないでしょ。伊坂さんの本は文庫。出版関係者にもてもてという噂の伊坂さんだが、私も結構好きなタイプの顔。狂言の茂山宗彦くん系の顔だと思うんですが、いかがでしょう。デパートで好きな柄のゆかた発見。数日悩んでみよう。
2004年07月20日
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歌舞伎座の「七月大歌舞伎」を昼夜通しで見て来ました。一日歌舞伎座にこもるので、覚悟を決めて持っていった三浦しをん『ロマンス小説の七日間』を読了。★七月大歌舞伎(歌舞伎座)《昼の部》『修禅寺物語』岡本綺堂作の小説を舞台化したもの。小さいころ、子ども向けの文学全集で読んで、印象深かった話。当時は桂の心情に全く感情移入出来なくて、理解できなかったけれど、舞台で人物が役者さんの体を通して表現されると、また違った理解が出来るものだ。面作りの夜叉王を演じた中村歌六さんの口跡が良いことに、改めて気付いたり。姉の桂(笑三郎)は亡き母似、妹の楓(春猿)は父に似て職人気質となっているが、プライドの高さという点で、桂と夜叉王親子はそっくりだ。『桜姫東文章』上の巻白菊丸・清玄の入水から、桜姫と清玄の出会い、桜姫と権助の再会、清玄・桜姫の追放までを描く。とにかく色っぽい演目で、玉三郎の桜姫を見るのは初めてだったので、大きに期待して行って、大満足。好きな権助(段治郎)に再会して、恥じらいながら、上品さを保ちながら、甘く媚びる桜姫(玉三郎)。姫というより、妖艶で魔力を持った、しかし無邪気な「女」という名の妖怪が、ちょっと悪ぶった青年に付け入り、妖術をかけているようだった。うわ~、昼間ッからすごいもん見ちゃったよ、いいのかなあ、えへへ、という感じ(あ、すいません、おっさん化してました)。段治郎、長身で体のバランスが良く、舞台姿は玉三郎につりあっていて、とてもきれい。はだけた衿元を直すしぐさに色気があった。清玄より権助の方が良かったかな。『三社祭』右近さんが善玉を、猿弥さんが悪玉を演じる。軽妙で息の合った楽しい踊り。《夜の部》『桜姫東文章』下の巻清玄の死、遊女になって清玄にたたられる桜姫、権助が過去の悪事を語り、それを知って涙ながらに子供と権助を刺し殺す桜姫と、雷門前での大団円を描く。病んだ清玄として登場した段治郎、あまりにすごいやつれたメイクに、一瞬お笑いかと思うほどであった。早替わりで務める役とのコントラストをつけるためか?遊女となり、伝法な言葉と姫言葉がまざる桜姫。巧みな玉三郎のセリフまわしで、すごくおもしろく、違和感なく感じた。最後は心を引き裂かれる桜姫の「情」の部分が強く伝わる演じ方だった。たまらず着物を我が子にかけ、その上から顔を背けて刺し貫く桜姫。泣きながら愛する男を殺す桜姫。幾度も陰惨な場面をくぐり抜け、なおも高貴さを失わない桜姫を、玉三郎は最後まで演じきった。思うのだが玉三郎、心底からこの役を愛しているのだろうなあ。『義経千本桜』川連法眼館いままで見た狐忠信と何かちがうぞ~と思っていたが、そういえば沢瀉屋系の人がこの演目を演じるのを見るのは初めてだった。右近さんは狐忠信を「熱演」という感じ。最後は宙乗りで、鼓を持って無邪気に喜びつつ、飛んでいった。ナマズ坊主たちの立回りもおもしろかった。ちょっと危ない所があったけど。やっぱり玉三郎の桜姫を見たのが大収穫。そして段治郎はかなり出来る、という感じ。
2004年07月19日
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山田詠美関係で検索をかけてみると、面白いことにかなり高い確率で、素敵な男の子がやっているファンサイトにあたります。音楽やってる子とか、カメラ、デザイン関係など。さすがエイミーさまさま。こちらは眼福ですわ~。結局多門先生は、高校三年生に『ぼくは勉強ができない』を教えてしまったのですが、一見本など読みそうにないタイプの男の子が、かなり新潮文庫買って読んだみたいです。いえ~い。そして「先生、授業でやるところ、すごく苦労して選んだでしょ」と言って、みんなニヤリと笑った。ああそうさ、選んださ。酒、タバコ、恋人とする楽しいこと、ばっさりカットだあ。・・・授業中はな。しかし法律上、女子は結婚できる年齢に達してるわけで、そんな子達に対して性愛を否定してもなあ。でも私はまだ人の親ではないからこんなことを言っているわけで、親という立場に立つと、そうも言ってられないものなのだろう。少年たちよ、姑息な女の子の手口に騙されるなよ。執念で探しだした三浦しをん『妄想炸裂』読了。羽海野チカさんの表紙カワイイ。
2004年07月18日
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過去日記、7月6日分を更新しています。三浦しをん『月魚』についてです。石原裕次郎氏の命日だそうだ。京都では祇園祭が始まったらしい。NYでは平成中村座の公演がはじまる。明日あたり、ニュースで流れたらいいな。★篠原一『ゴージャス』(角川書店 1998・12・20)作者の自伝的小説。名門女子校に通う椎名憧子は、いまいちぱっとしない成績を、密かに書き続ける小説のせいにされ、親からも教師からも説教される毎日をおくっていた。しかし友人からの評価と、自分の中にわきあがってくるある感覚を信じ、雑誌の新人賞に儀式めいた手続きを踏んで送ってみる。学校生活を楽しみ、自立しはじめて母親と対立する中でそのことはすっかり忘れていたが、ある日、編集者から最終選考に残っていると連絡が来る。それを知った周りの大人たちの態度は、父親を除いて一変する。生徒にもそれは知られるが、親しい友人達はさりげなく気を使ってくれていた。そして受賞決定。親しい友人の態度が、憧子を傷付け、そして同時に変わらぬ友情を実感させる。篠原さん、いいじゃん、このスタンス。日常から離れた世界を描いた作品より好き。言葉の選び方がうまいという評価は変わらないけれど。この作品は時代を越えると思う。恋より何より、進路と人間関係の問題が大事な女子校の女の子達。現在でも十分教官を得ると思う。実際私はそんな高校生だったので、なつかしく思い出した。
2004年07月17日
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本日やっと、7月4日の日記(正しくは3日の続き)を書きました。もうトップから消えてる・・わかりにくいので、こうしてお知らせ。パソコンの「コード」の調子が悪くてあせる。今まで使っていたものがプラグの根元で断線してしまい、間に合わせに他のものを使っているのだが、電圧が低いらしく、パソコンに電気がたまらない。すぽーんと気が抜けて、さらに暑いこともあってだらだら。本屋に行ったが西尾維新の新刊には会えなかった。ファウストとダ・ヴィンチをなでさすって、コミックはイチハの『女子妄想症候群』を買って帰ってくる。なぜこういう、論理的な内容の無い、笑いに徹した作品が好きなんだろう。はは。
2004年07月16日
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おお、やっと仕事が一段落!。しかし最後の最後ですっごいミスをして、一瞬真っ青に。気を取り直してリカバーしました。ふう、あぶなかった。西澤保彦『黒の貴婦人』読了。このシリーズ大好きなんだけど、時間軸がごちゃごちゃになっちゃって困ります。午後は国会図書館で資料を調べる。判読不明箇所を見に行くも、何とそこは虫食い!どうやってもわからない。仕方無い、別本見に東大まで行くか・・。そして半分お遊びで現代文学の論文探し。うわ~、あるある、舞城王太郎の論文!主に文芸評論家のものだけど、いっぱいあるぞ。しかし文芸批評も若手が多くなってきたな。そしてびっくりしたのが乙一と嶽本野ばらの論文がほとんど無いこと。・・誰か書かない?(あ、最も身近な人が野ばらの論文書いてるんだった。すっかり忘れてたよ。)何かいっつも変な本ばっかり読んでてヒマな人・・・みたいに思われていてシャクなので、現代文学で何か書いてやろうかと思っています。この夏はそのたくらみをするか。★女流義太夫演奏会(国立劇場演芸場)午後6時半開演『妹背山女庭訓』杉酒屋の段 竹本駒輝・鶴澤寛也『玉藻前曦袂』道春館の段 竹本越若・鶴澤津賀榮『伊勢音頭恋寝刃』古市油屋より貢十人斬りの段 万野 竹本駒之助 お紺 竹本綾之助 貢 竹本土佐子 岩次・北六他 竹本土佐恵 喜助 竹本越孝 お鹿 竹本越道 三味線 鶴澤津賀寿季節柄、『伊勢音頭』が印象的。人間国宝・駒之助と最長老・越道共演ということもあって、気分は盛り上がる。家に帰ってネットで芥川賞・直木賞の結果を知る。芥川賞はモブ・ノリオ「介護入門」、直木賞は熊谷達也『邂逅の森』、奥田英朗『空中ブランコ』。結局知らない人ばっかり。しかし直木賞が一種の功労賞なら、北村薫さんにいつあげるの?東野圭吾さんもそうだけど。何か思いっきりあげるタイミングを逃してる気がする。
2004年07月15日
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本日の読了本は藤木稟『夢魔の棲まう処』。朱雀十五シリーズの最新刊。以前からミステリにオカルトを加えたような部分があったこのシリーズ、今回は何かものすごく怪しかったですよ。またあらためて。★江戸三味線音楽の歴史 第四回(国立劇場小劇場)午後3時開演清元節 『神田祭』端唄 『紀伊の国 潮来節 春雨 二上り新内 わしが思い 竹になりたや とっちりとん 綱は上意』長唄 問答入り『勧進帳』 おはなし:竹内道敬(放送大学客員教授)文化文政期から天保にかけての音楽を聞く今回。会場も演芸場から小劇場に移り、会場は満員。補助席まで出てました。舞台演出も凝っていて、見ごたえあり。繊細な清元。親しみやすい端唄。これは都々逸につながるもの。そして圧巻は長唄『勧進帳』。約50分の大曲。3ケ所ぐらい盛り上がる所があって、三味線、鼓、笛がこれでもかと激しく演奏する。良い演奏で楽しんだのだが、・・・一流の人々の演奏をききに来ていて、どうして合わせて歌うかなあ。清元は『神田祭』とポピュラーな曲だったせいもあって、同じ列にすわっているおばちゃんがずっといっしょに歌うんだもん。さすがに劇場の人が注意してくれたけど。あと、演奏中にしゃべるのはほんとやめてほしい。クラッシックファンの心理がかなりわかった今日であった。
2004年07月10日
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その後、作りました「肉みそ」。冷やしうどんにのっけて食べましたがおいしかったです。そうめん、お豆腐、スパゲティ、何でも来いです。ネギ、レタス、キュウリとの相性もグッド。もんもんと今度は採点していますが、暑さで脳のコンピューターがだめになりそう。エラー出まくり。実は本日、サイト開設1周年だったりします。ちょうど1年前、ほおずき市の話題で日記を始めたのでした。いや~、充実した1年だったよ。ネット上で知りあったみなさん、本当にありがとうございます。おかげさまで、楽しい毎日を過ごしています。別冊付録の『下山手ドレス別室』にひかれてフィールヤングを買ってしまう。安野モヨコの『監督不行届』が結構楽しみだったり。宇仁田ゆみ、小池田マヤ、有間しのぶ、三原ミツカズといったお気に入りの漫画家さんが並ぶので気に入ってます。ところでかわかみじゅんこさんの『パリパリ伝説』というエッセイマンガに、パリにブックオフが出来たと載ってましたが本当ですか?ねこの散歩さんに聞いてみよう。実は7月にはいってから、書き漏らしていることが結構あるので、急に以前の日記をアップするかもしれません。
2004年07月09日
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ほおずき市の準備が進む浅草寺を通って、その裏にある花街へ。江戸時代には芝居街である猿若町があったこのあたりは、駅から遠いせいもあって観光客が少ないのだが、芸者衆の検番をはじめ風情のある所が多くて最近のお気に入り。今日はそんな街の一角にあるフレンチレストランでちょっと豪華なランチ。★レストラン「オマージュ」(台東区浅草4-43-4 03-3874-1552 月曜休)★先日開店前に並んでみたら、予約でいっぱいと言われたので、今日は予約をして。しかし庶民的なレストランだ。ホントに小さくて、素朴な感じ。庶民的ではやっている証拠に、レストランの前にずらっと自転車が駐輪されていた。つまりいっぱいはいっているお客のほとんどが、自転車で来ているということ。さすが、浅草ビューホテルの結婚式には自転車で出かけると言われる浅草人。中に入るとほんと小さくて、定員は20人くらい。サーヴィスは「ハチクロ」の山崎くん(美和子さんにあこがれるファッションリーダーね)似のお兄さんと、厨房で見習いしてる小柄な男性が二人で。シェフは3倍ぐらいに体格を良くした尾上松緑のようなまだお若い方。贅沢しよう!と決意して行ったので、オードブル・スープ・お魚・お肉・デザート・食後の飲み物のコースを。でもこれで¥2700くらいだよ。お魚お肉どちらか片方にすれば、¥1500くらいからあります。パンは全粒粉のものと黒オリーブ入りのもので、バターとオリーブオイルが添えられていて、ちょっとイタリアン風。豪華な花もなく、豪華なインテリアもなく、かといってファミレスのような軽薄さも安っぽさもない店内。シンプルで肩のこらない、おいしいレストランでした。冷たいパンプキンポタージュに、何か濃厚な風味の乳製品が入っていておいしく、あれ何だろう?ってずっと考えてました。デザートの桃のコンポート&シャーベットもおいしかった。
2004年07月08日
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七夕ですよん。仕事が一段落してネットサーフ。羽海野チカさんのHP日記を読んでいると、どうも肉みそが食べたくなってくる。そして三浦しをんの「あやつられ文楽鑑賞」を発見。しをん、さすがだ!多分文楽の世界にはキミの好きなタイプの男子がけっこういると思うぞ!最初に三味線弾きに惚れるのもお目が高い。でもきっと、間近で見ると筋肉質だから人形遣いに惚れると思うぞ。というわけで、だれにでもわかりやすいしおんちゃんの文楽鑑賞はこちらで。7月1日号では鶴澤燕二郎さんの楽屋を訪ねています。本日購入&読了本は2冊。 椹野道流『禅定の弓 鬼籍通覧』(講談社ノベルズ 2004・7・5) 田中メカ『天然パールピンク 4(了)』(白泉社 2004・7・10)田中メカは『お迎えです。』が大好きで、あれを読みながら号泣(なぜ?)していたことも。何かねえ、人の生死に関わる話は弱いんですよ。本屋めぐりね、渋谷の「コミックステーション」の羽海野チカのコーナーに三浦しをんの『妄想炸裂』があったのを思い出して見に行ったのだけれど、無かった。京極新刊は撫でさすりつつ、今日は見送り。(京極ファンのなまけもの君、もしここを見てたらごめん。わたしゃまた出遅れてるよ。)でも数日中に買って、あの面々の活躍を読むぞ!あ、でも図書館でも借りてしまった。篠原一『ゴージャス』、西澤保彦『黒の貴婦人』。あら~。★椹野道流『禅定の弓 鬼籍通覧』(講談社ノベルズ 2004・7・5)おなじみの高槻市にある某医科大学の法医学教室。ある日持ち込まれた老人の焼死体。痴呆の気があった老人は、火の不始末で焼死したと思われていたが、その遺体には「生活反応」が無く、灰からも煤が検出されない。そして老人の頭にささっていた小さなピンバッジ。一方、高槻市で連続して起こる動物惨殺事件。それぞれの事件の目撃証言が出る中、法医学教室の大学院生・伊月と幼なじみの刑事・筧は事件の真相に気付きはじめる。今回のテーマは大ざっぱだが動物と子供。この二つのものに対する愛情の在り方や命の問題。椹野さんは講談社ホワイトハートで主に書いていて、講談社ノベルズの法医学教室のシリーズはたまにしか出ない。だけどいろんな要素が混じっていて、とても好きだ。このシリーズ、「飯食う人々」という食事のシーンが良いタイミングではいってきて、深刻な話でもほっと息抜きさせてくれる。
2004年07月07日
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大学の研究室で4年の学生(ミステリ好きの男子)に会い、舞城王太郎の面白さを力説する。しかし院試をひかえている人に本を勧めて良いものか。ついでに3年女子に変体仮名(一文字書きまちがえると恐いね)の読み方を教えてぐったり。多門先生、実は教えるの大好きか?★三浦しをん『月魚』(角川文庫 2004・5・25)「水底の魚」「水に沈んだ私の村」「名前のないもの(文庫書き下ろし)」の三編を収録。解説はあさのあつこ氏。メインは「水底の魚」。瀬名垣太一(せながきたいち)と本田真志喜(ほんだましき)は幼なじみで、ともに古本業界に身を置いている。太一は店舗をもたぬ卸し専門、真志喜は祖父の跡を継いで「無窮堂」の店主。仲の良い二人だが、真志喜の父をめぐって二人の間には触れられぬわだかまりがあった。太一の本の引き取りについていった真志喜は、そこでそのわだかまりと正面から対峙する出来事に遭遇する。その他、高校時代の二人や仲間達と、真志喜を見つめて小説を書くのが趣味(あぶね~!)の宇左美先生の、夏の出来事を描いた「水に沈んだ私の村」、幼なじみ四人組の間にながれる穏やかな空気を感じる超短編「名前のないもの」を収録。ああ、これこそ同人の香りがする小説と言うのだよ!タイプの異なる魅力的な青年二人。そしてさりげなくも不必要な二人の身体が触れ合う描写!・・いえいえ、期待するほどのもんではないんですが・・「建築探偵シリーズ」なんかとは全然違うぞ~。これこそ同人系だあ!(佐藤様聞いてます?)古本という、一見地味な業界の仁義がさりげなくわかるようになっている。さすが古書店勤務経験を持つ著者。地味ではあるが、あの「対決」のシーンは息詰まるものがあった。異なる形でプライドをかけて仕事をしてきた二人の姿。しかし、才能の有無というのは何と残酷なのだろう。それでもあきらめない登場人物の姿に、何となく心うたれたりして。
2004年07月06日
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数日もんもんと、期末考査の問題を作っています。オールオリジナルは大変でございます。入谷へ義太夫のお稽古に出かけると、花屋の店先に明日から売り出される朝顔が。6・7・8の三日間、入谷は朝顔であふれる。帰りに本屋をさすらって、 もとなおこ『レディー・ヴィクトリアン 13』(プリンセスコミックス) 三浦しをん『ロマンス小説の7日間』(角川文庫)を購入。三浦しをんの本はなかなか店頭で見つけられないので、見つけたら即、購入。嶽本野ばら『ミシン2カサコ』、森博嗣『ナ・パ・デア』(これ、『スカイ・クロラ』の続編で、表紙デザインが対になってて、とてもきれい)を見かけるも、資金不足で、撫でさすって帰ってくる。
2004年07月05日
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三浦しをん『月魚』購入。エッセイは楽しく読んだけど、小説はいかがでしょう。しかし文庫化してない小説も多いよね。一日遅れで3日の出来事その続き。★歌舞伎鑑賞教室(国立劇場小劇場)午後2時半開演解説:歌舞伎のみかた 市川男女蔵『傾城反魂香』土佐将監閑居の場 浮世又平 片岡愛之助 女房おとく 片岡孝太郎 狩野雅楽之助 中村亀鶴 土佐修理之助光澄 澤村宗之助毎年、密かに学生さん達とバトルをくりひろげる鑑賞教室。本日は日本人ではないと思われる学生の方々が大半を占める。多いに楽しんでもらいたいと思いつつ、「こらっ!、花道に肘かけてメモ取っちゃいけないってば!」と心でつっこむ。ゆったりおおらかに、やさしく語る男女蔵さん。飾らないお人柄が伝わる解説。そしてここのところ、すごく何度も見てる気がする演目『傾城反魂香』。又平もおとくも若い!いや、もともと若いという設定なのだろうが、熟練の役者が演じるのしか見てこなかった気がするので、愛之助・孝太郎の夫婦がとても若く思えた。初心者にとっても楽しい演目だったと思う。★女が語る星月夜~七夕が風に揺れて~(国立劇場演芸場)午後6時半開演落語「新竹取物語」(柳家小ゑん・作) 川柳つくし講談「南総里見八犬伝ー八房と伏姫ー」神田紅浄瑠璃「壷坂観音霊験記ー壷坂寺の段ー」竹本越孝・鶴澤寛也落語「竹の水仙」桂右團治朗読「竹取物語」平野啓子 篠笛・望月美沙輔夕方からは場所を演芸場に移して、星・月・竹などにゆかりある演目を、すべて女性の演者が演じるという、何とも粋な企画を見に行く。女学生のように、着物に袴で出てきたかわいい川柳つくしさん、大人っぽく八犬伝を語る神田紅さん、お里澤市夫婦の情愛を語る竹本越孝さん。しかしこの演目、三味線の手がむちゃくちゃ難しかったのね。さすが寛也さんだ。少年のような容姿で、古典的に左甚五郎の話を語る右團治さん、白小袖に何枚も袿をはおり、それを着替えてその場の雰囲気を変え、ある部分は古文の原文通り、ある部分は現代語で竹取物語を語りきった平野啓子さん。楽しい時間でした。さて、この演芸場で、わたしの前の席に、おばちゃん二人連れが座った。後に右團治ファンとわかる一人のおばちゃん、やたら感想をもう一人のおばちゃんに話しかける。しかも所かまわず。いやな予感がするわたくし。話しかけられたおばちゃん(お身内の方と推察)が完全に無視していることから、ああ、そういう人なのね、と思いつつ・・・耳にはいるじゃん。この感想おばちゃん、終始何を言っていたかというと、何とこの日出演した女性たちの化粧について、ず~っと文句をつけていたのであった。某出演者に関してなど、「何あの口紅の色!おまけに赤いのを瞼やら頬やらにつけて田舎っぽい!いもくさい!」とメッタ切りである。そして良く知っている芸人さんに関しては、「あの人は素顔の方が粋!」とおっしゃった。いらいらしていたわたくしだが、次第に感想はこうなった。 「わあ、すげ~、『浮世風呂』の大阪から来た若い嫁をいびるおばちゃんだあ~」解説すると、江戸時代、式亭三馬という人の書いた滑稽本というジャンルの小説に、『浮世風呂』というのがある。これは当時の銭湯にあつまる人々の様子を、男風呂と女風呂、交互に描いたもので、当時の役者のうわさ話とか、芝居の批評とかもあって、なかなかおもしろい。その中に、大阪からお嫁に来たある女性に、近所のおばちゃんがよってたかって質問・・というかイヤミを言う場面があるのだ。で、その内容が、「何で髪を結ぶのに赤い裂を使うの?」「何で目のふちに紅をさすの?そのうちそこがシミになって黒く変色するよ」「何で首のうしろまで白粉を塗りたくってんの?濃すぎて変」といった感じなのである。当時の大坂と江戸の女性の化粧や風俗の違いを示していて面白いのだが、総じて江戸は素顔・素足・着物は紺・茶・グレー・縞を好むといったすっきり派。対して京阪の女性は、もっと色彩豊かに、特に紅をあざやかに使って化粧したり、装ったりしていたらしい。ああ、約200年ほどの時を経て、あの浮世風呂のおばちゃんがここにいる!だいたいノーメイクで舞台に出る芸人がいるかよ、ノーメイクであのかぐや姫の衣装に負けない顔になるかよ、と思いつつ、人の価値観はそれぞれだし・・・と思って途中から放っておいた。そして終演。明るくなる場内。そして私がはっきりと見たもの。今までさんざん他人に文句を付けてきたこのおばちゃん、胸にドラゴンの絵(ドラゴンボールのキャラかと思うほど、マンガ風タッチ)が描いてあるトレーナーを、ジャケットの下にお召しでした。何だか、「装う」という事に関して深く考えた一日、そして朝からセール行って午後は二つはしごで観賞して、充実したような、疲れたような、複雑な一日であった。
2004年07月04日
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午前中いそいそとセールに出かける。今回、私がターゲットにしていたのは「ゴウク」という、和風テイストのプリントや染めを多用したブランド。丸井ワン新宿店を目指して出かけたのだが、ああ、見通しが甘かった!御存知の方も多いと思うが、丸井ワン新宿店というのは、トランスコンチネンツがまあまあ普通なだけで、あとはものすごく個性の強いブランドばかりはいっている所である。ある方面では「ロリータの聖地」とも呼ばれる。ロリータ、ゴス、ロック、そのたぐいのブランドと、若手デザイナーのブランドが入っているビル。そして今日からセールが始まるブランドは複数ある!あの~、ロリータの方って、セールにもロリータで来るんですね。そして私の目指す「ゴウク」は、パンクテイストの強い「h.ナオト」というブランドの兄弟のようなものでして、当然流れとしてロック系の方も買いに来るんですね。かくして会場は、大きく膨らんだスカートのロリちゃん、口や鼻にピアスして鎖が下がっているロック系のねーさん、色白黒服で迫力のあるゴスの人に、その保護者が交じり(そうなのだ。なぜかロリータさんは母上様とともにお洋服を買いに来る人が多い。)、お母さん方も「あら、これいいわあ」なんて感じでつられて買っていくという、ものすごい状態になっていた。全身ユニクロでやって来た私は、「参りました。私が間違っておりました。装う、ということに対する信念が足りませんでしたあ!」とあやまるしか無いような気分である。ここでおとなしくしっぽを巻いて帰ればよかったのに、私は再び過ちを犯す。帰りに丸井ヤング館の「ジーザスディアマンテ」に寄ってしまった。大阪に本店があるこのブランド、とってもかわいいのだが、何しろお値段が高い。しかもとっても接客が丁寧。でもセールの時ならこそこそっと見て買えるかな、と思ったのだが甘かった!パステルカラーのニット、肩のストラップがパールビーズでリボン付きのキャミソールなど、かわいいものを目の前に、うふふと思っていた私の前に、ふわっといい匂いが。そこにすっと立っていたのは、東京店店長の巴田せいらちゃん。せいらちゃん、背が高くて細くて、足なんかすーっとのびてて、きれいな素足に華奢なサンダルはいていて、ディアマンテガールの決まり、ボリュームいっぱいのB・バルドーヘアに3Dネイルアートでピンクと白の花を描いた爪。きれいな花束がすっと立ってるみたいだった。わたくし、アフガンハウンドの前で萎縮する黒いチワワ(しかもデブ)のような気分でございました。「こちらはうちの定番で・・こちらは少し前のものなので、お値段も・・」と、言葉遣いが丁寧で、やさしい。結局、カットソーを買って帰る私の目に、先程から「いらっしゃいませ」と言ったあと、ひかえめにてきぱきと働く、少し年配の(40代でいらっしゃるかしら)女性が。この方、ディアマンテのNo.2、マネージャーさんだあ!髪をすっきり結い上げて、黒のトップに黒のひざ丈タイト、華奢なミュールをはいて、ストックを出したり、福袋をラッピングしたり、てきぱきと働いていらっしゃる。やはり着てらっしゃるのは自社製品のように見える。きりりと引き締まった全身の雰囲気が、とても素敵な女性だった。ディアマンテ、20代の女の子のためのカワイイブランドだけど、そしてちょっとお高いけれど、生地の質感とかとてもいい。安っぽく見えない。ベクトルは異なるけれど、装うということに対して気合いの入った人々に会って、思いっきり我が身を反省する私であった。実はこの後、一日のしめくくりで再び「装い」を考えることになるのだが、それはまた別の日記で。
2004年07月03日
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