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本日ご紹介するのは「ツユクサ」。漢字では「露草」と書きます。朝露が降りる早朝に咲くからという説や、早朝に咲いて午後にしぼむ様子から朝露を連想したとも言われています。 青い花弁と黄色い葯が目立つ花は、開花するととてもよく目立ちます。ツユクサ Commelina communis ツユクサ目ツユクサ科 2024年6月2日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 24, 2024
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本日ご紹介するのは「ドクダミ」。湿った陰地に群生する多年草で、踏んだりして傷つけると、本種独特のにおいがします。花弁のように見える4枚の白い部分は「苞」と呼ばれる葉で、本当の花には花弁や萼片がなく、黄色味を帯びた雄蕊と白く見える雌蕊が集まった花序を形成しています。本種は、生の全草には特有の悪臭があり、毒が溜まっているという「毒溜め」の名から変化したという説や、日本の三大民間薬の一つとしても挙げられ、古来より解毒薬として用いられており、和名も毒をだめにするという意味の「毒ダメ」が訛ってドクダミになったという説があります。また、薬だけでなく食用としても用いられています。ドクダミ Houttuynia cordata コショウ目ドクダミ科 2024年6月2日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 23, 2024
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本日ご紹介するのは「ヤマブキ」。漢字では「山吹[」と書きます。本種の細くしなやかな枝が、風に振られて揺れ動く姿から、古来「山振(やまぶり)」と呼ばれていたのが、いつの間にか訛って「ヤマブキ」と呼ばれるようになったそうです。本種は、高さ1~2m程度のバラ科の落葉低木で、4~5月頃に山吹色と名付けられた鮮やかな橙色と黄色の中間色の花を咲かせます。低山の渓流沿いや山の斜面等に生育していますが、生け垣などとして植えられることも多く、みんなの森のヤマブキも人為由来の可能性が高いです。ヤマブキ Kerria japonica バラ目バラ科 2024年4月21日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 22, 2024
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本日ご紹介するのは「ノブドウ」。漢字では「野葡萄」と書きます。その名の通り、野原に生える葡萄という意味です。落葉性のつる性植物で、花期は夏季、果期は秋季です。ブドウ科の植物ですが、本種が属するノブドウ族の果実はブドウ属と違って房状にはならず、青色から赤紫、時に白色等、様々な色に熟します。この果実は、主に鳥が食べて、種子が吻と一緒に排泄されることで、分布拡散していますが、人の食用にはなりません。なお、葉にフラボノイド等の薬効成分を含み、薬草として、茎葉は慢性腎炎や肝炎,嘔吐,尿閉等.根は関節痛等に用いられることがあります。ノブドウ Ampelopsis glandulosa var. heterophylla ブドウ目ブドウ科 2024年7月7日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 21, 2024
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本日ご紹介するのは「クズクビボソハムシ」。漢字では「葛首細葉虫」と書きます。その名の通り、クズにつく、首が細長いハムシという意味です。本種は、2016年に日本で初確認された中国原産の外来昆虫です。一見すると、ウリハムシと間違えてしまいそうですが、よく見ると、本種の方か首が細長く、識別できます。また、本種の特徴は、ほかにもそのえげつない食害にあります。大きなクズの葉を、複数個体で食い漁り、葉脈部を残して孔だらけにしてしまいます。最近、中国からの移入昆虫が増えているような気がして、少し心配になった今日この頃です。クズクビボソハムシ Lema diversipes 鞘翅目ハムシ科 2024年7月7日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 20, 2024
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東京都調布市には「多摩川自然情報館」という市の施設があります。この度、調布市のホームページで、この情報館に関わりのある解説員等のインタビュー結果が公開されましたが、恥ずかしながら私もその一員として、掲載されることとなりました。よろしければ、ぜひ、ご笑覧いただければと思います。ちなみに私以外の方は、私と違い非常にまじめで尊敬できる方々で、いつも情報館にご協力いただき、本当に感謝感謝です。URLは以下のとおりです。 https://www.city.chofu.lg.jp/010040/p013086.html
Jul 19, 2024
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本日ご紹介するのは「ニガナ」。漢字では「苦菜」と書きます。本種の茎や葉を傷つけると白い汁が出てきて、これを舐めると強い苦みを感じることから名付けられました。本種は、日当たりの良い路傍や田畑、山野等に生育する多年草のキク科植物です。春季~初夏にかけて、黄色の5弁花に見える舌状花を5〜7個もつ頭花を散状に開きます。また、茎葉は無柄で毛状の鋸歯があり、円形の基部で茎を抱くのも特徴の一つです。なお、名前の通り苦い植物ですが、毒はなく、山菜として食用にもされています。ニガナ Ixeris dentata キク目キク科 2024年6月2日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 18, 2024
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本日ご紹介するのは「アカボシゴマダラ名義タイプ亜種」。本亜種は、中国大陸産の亜種で、人為的に持ち込まれたものが拡散・増殖してしまった外来昆虫です。外来生物法によって「特定外来生物」に指定されており、生きたままの移動や飼育が禁じられています。本亜種の夏に出る個体は、後翅の外縁に鮮やかな赤い斑紋が出現することで、在来種のゴマダラチョウと区別されますが、春に出てくる個体は、ほぼ真白と言ってもよいくらい白さが際立っており、同じ亜種とは思えないくらいの違いがあります。なお、幼虫は、ゴマダラチョウと同じエノキやエゾエノキを餌にしています。アカボシゴマダラ名義タイプ亜種 Hestina assimilis assimilis 鱗翅目タテハチョウ科 2020年7月20日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 17, 2024
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本日ご紹介するのは「エゴノキ」。本種は高さ7~15m程度に成長する高木の落葉広葉樹です。初夏に、下向きに芳香を放つ白い花を多数つけ、花が終わると今度は秋に白い実をつけます。この花の色やつき方から、「Japanese snowbell」という英名が付けられています。主に、丘陵地や山地等の雑木林に多く生育しています。果皮や果実には有毒製粉であるサポニンを含んでおり、水に混ぜると溶けて泡立つため、若い果実は、昔は石鹸の代わりの洗浄剤として洗濯などに用いられたこともあります。この有毒成分は花にも含まれているため、触ってつぶしたりした後は、必ず手を洗うようにしてください。ちなみに、本種には、牛のような顔をしたエゴヒゲナガゾウムシや、猫の手の様な虫こぶをつくるエゴノネコアシアブラムシ等、本種を特異的に利用している昆虫類がついていることがあります。エゴノキ Styrax japonicus ツツジ目エゴノキ科 2021年5月1日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 16, 2024
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本日ご紹介するのは「ヨトウガ」。漢字では「夜盗蛾」と書きます。本種は多食性のヤガの一種で、幼虫は、イネ科以外のほとんどの草本植物を食害します。特に三齢以降の幼虫は、日中は土中や株の地際に隠れており、夜になると地上部に出てきて野菜等の葉を食害するため、「ヨトウムシ(夜盗虫)」と呼ばれて農家さんに嫌われており、本種の和名もここから来ています。成虫は、体長約15~20mm、開張約45mm程度で、体色は灰褐色~黒褐色、不鮮明な白色の斑紋があります。写真は木の幹にとまって交尾中のものですが、「おわかりいただけただろうか」とつい言いたくなるくらい、背景に溶け込んでいます。正直、撮影した本人が、サムネでは何を撮ったか最初わからないくらいでした。以前、擬態の特集をしたことがありますが、本種も止まるところさえ間違えなければ、十分に素質がある種だと思います。ヨトウガ Mamestra brassicae 鱗翅目ヤガ科 2021年5月1日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 15, 2024
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本日ご紹介するのは「チュウガタシロカネグモ」。漢字では「中型白金蜘蛛」と書きます。その名の通り中型の白金色の美しい体色を持つアシナガグモの仲間で、本種の他にはオオシロカネグモ、コシロカネグモ、チビシロカネグモ、キララシロカネグモ等、大きさや外観などから名づけられた種類がいます。本種の特徴は、背面から見たとき、腹部前方の肩部に小さな隆起があり、そこによく目立つ黒斑があることです。また、腹面を見ると、下面にある縦斑の幅か広く、黒緑色の部分に銀色の鱗状斑が一面に散在していることも特徴の一つです。本種は、基本的に渓流がない平地や山地の樹間や草地に円網を張って生活していますが、水辺のない樹林地であるみんなの森は、本種の生息環境としてはぴったりなのかもしれません。ちなみに成クモは、夏季に出現します。なお、巣上にいる本種に刺激を与えると、すごい勢いで走って逃げ、葉の裏に隠れてしまいます。チュウガタシロカネグモ Leucauge blanda クモ目アシナガグモ科 2023年7月9日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 14, 2024
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本日ご紹介するのは「ノカンゾウ」。漢字では「野萱草」と書きます。「カンゾウ」は、本種に近縁な中国原産の植物で、本種がこのカンゾウに似ていて野に自生していることが名前の由来と言われています。ちなみに「萱」は中国で「忘れる」という意味わ持ち、美しい花を見れば憂いを忘れるという中国の故事にちなんで付けられました。本種が属するHemerocallis属は和名をワスレグサ属と言いますが、この名は上述した「萱」の意味を受けたものとなります。また、本種が属する科は、以前はススキノキ科(Xanthorrhoeaceae)とされていましたが、遺伝子解析に基づく分類体系であるAPGⅣ(2016年)によりツルボラン科(Asphodelaceae)に改められています。初夏から夏季にかけて、オレンジ色の大きな一重の花をつけます。実は、本種の八重咲のものを「ヤブカンゾウ」と言いますが、よく見かけるのは八重のヤブカンゾウの方で、一重のノカンゾウはどちらかと言えば少ないような気がします。本種は多年草で、川原の土手や草原、田畑の畔といった場所に群生しています。新芽は天ぷらや和え物、酢の物、油炒め等にしたり、蕾は中国料理で炒め物等にしたりして食用となるほか、葉を解熱に使う等、薬草としても用いられています。ノカンゾウ Hemerocallis fulva var. disticha クサスギカズラ目ツルボラン科 2023年7月9日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 13, 2024
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本日ご紹介するのは「トホシオサゾウムシ」。漢字では「十星長象虫」と書きます。オサゾウムシの仲間は、小は米を食害する屋内害虫であるコクゾウムシから大はカブトムシなどと一緒に種液を吸いに来るオオゾウムシまで様々な種を含んでいます。ゾウムシ科の仲間と異なり、やや細長い種類が多いため、オサゾウムシと名付けられたようです。本種も細長い体をしており、茶褐色の地色に黒い斑点があるのが特徴です。この写真の個体は、片方の翅に4個しか黒い紋が見えませんが、個人的な見解を言わせてもらうと、この全部で8個しか星がない個体のほうが一般的で、胸に近い翅の上部内側にもう一つ黒い紋が入る十星の個体はなかなかお目にかかれないような気がします。成虫は初夏から夏季にかけて出現し、クヌギやツユクサの葉上で見ることができます。体長が1cm程度と小型ですが、個人的には割とかっこいい虫だと思っています。トホシオサゾウムシ Aplotes roelofsi 鞘翅目オサゾウムシ科 2023年7月9日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 12, 2024
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本日ご紹介するのは「シオデ」。本種はつる性の多年草で、サルトリイバラの仲間ですが、シオデは葉が丸くない点で区別できます。食用になり、「山アスパラガス」などとも呼ばれますが、実際調理方法は、ほぼアスパラガスと同じです。ちなみに本種の名前の由来は、北海道のアイヌの方言「シュウオンテ」によるものといわれています。シオデ Smilax riparia ユリ目サルトリイバラ科 2023年7月9日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 11, 2024
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本日ご紹介するのは「コナラシギゾウムシ」。漢字では「小楢鴫象虫」と書きます。その名の通り、コナラにつくシギの嘴のように吻が長く伸びたゾウムシという意味です。他の雑木林の例にもれず、みんなの森のコナラも近年のナラ枯れ被害を受けましたが、それでもそれなりの高木が生き残り、実生もぐんぐん育っています。本種は、コナラやクヌギといった落葉性のブナ科植物の実(ドングリ)にメスが産卵し、幼虫がその中身を食べて育ちます。体長は、5.5~10㎜程度で、体は濃褐色で、淡褐色~褐色の鱗毛に覆われるのが特徴です。見成虫の出現機関は比較的長く、5~10月くらいまで見ることができます。小さな昆虫ですが、雑木林の生態系を構成する一員であり、こうして見ることができるのは実はありがたいことなのかもしれません。コナラシギゾウムシ Curculio dentipes 鞘翅目ゾウムシ科 2023年4月16日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 10, 2024
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本日ご紹介するのは「オニユリ」。漢字では「鬼百合」と書きます。これは、本種がユリの中でも花が大きく、いかにも強そうな鬼を連想させることに由来したといわれていますが、実際のところ、ユリの中ではウィルス耐性があり育てやすい丈夫な種類として流通しており、強いという点では名前負けはしていないようです。草丈1~2mになる大形のユリで、夏に濃褐色~暗紫色の斑点を散りばめたオレンジ色の大きな花を咲かせます。本種によく似たコオニユリという種類もありますが、大きさ以外の一番の違いは、オニユリは葉の付け根にむかごを付けて、これで増えますが、コオニユリはむかごをつくらず、種子で増えるところです。ちなみに、このオニユリの鱗茎も、先日ご紹介したヤマユリと同様、ユリ根として食用となります。オニユリ Lilium lancifolium ユリ目ユリ科 2021年7月13日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 9, 2024
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本日ご紹介するのは「ドクベニタケ」。漢字では「毒紅茸」と書きます。その名の通り毒キノコの一つで、かじるととても辛いのが特徴です。毒成分はムスカリン類や溶血性蛋白とされていますが、一般的には生食すると中毒するといわれており、嘔吐や下痢などを引き起こします。これまで、日本国内での中毒例は報告されていないようですが、海外では死亡例もあるため、うかつに食べないようにしてください。本種は、夏から秋にかけて広葉樹林やマツ等の茂った針葉樹林など各種林内で見る事ができるキノコで、傘の径は3~10cm、柄は2.5~7cm程度です。傘の表面は、最初は鮮紅色ですが、雨に当たると退色し、次第に白っぽくなります。また、襞は直生からほぼ離生し、白色で、やや疎であるのが特徴です。ドクベニタケ Russula emetica ハラタケ目ベニタケ科 2024年7月7日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 8, 2024
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本日ご紹介するのは「ヤマユリ」。その名の通り山に生える大きくてきれいなユリの仲間ですが、今年も咲く姿が見られてほっとしています。本種は、草丈が1~1.5mくらいになる多年草で、花も径15~18cmと大きく、花が咲くととても目立ちます。おまけにとても強い香りがあり、近づくとよくわかります。また、本種の鱗茎は食用になり、ゆり根として流通することがあります。白い花弁とそこに入る黄色い筋、オレンジ色の花粉のコントラストが過ぎらしく、日本を代表するユリの一種で、実際、日本固有種でもあります。ちなみに、成長は遅く、発芽してから開花するまで5年程度かかるといわれており、大事にしてあげなければならない種でもあります。ヤマユリ Lilium auratum ユリ目ユリ科 2024年7月7日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 7, 2024
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地域性。環境や文化などを語るときにしばしば出てくる単語です。調布市というところは、北多摩地域の中でもある意味特異な地域性を持っているのではないかと時々感じます。私は、何気に虫が好きで色々見て回ったりすることも多々ありますが、ほかの地域では普通に見られるのに、何故か調布市ではほとんど見られない種というものがあります。その一つが、今日、ご紹介するイタドリハムシです。体長7.5~9.5mmと、ハムシ類の中では比較的大型の部類に入る種で、赤~黄色と黒の模様が特徴的な種です。その名の通り、イタドリの葉上で多く見られるほか、同じタデ科のスイバやギシギシなどにもつくため、いるところでは、本当に大量に見られる種類で、個人的にもどこにでもいる普通種という感じでした。しかし、調布市内で本種を探すと、何故かほとんど見つかりません。餌となるイタドリなどは、多摩川や野川の河川敷でも普通に生育しているのですが、実際ほとんど見ることがありません。それなのに、タデ科植物が比較的少ないみんなの森で1個体だけ見つかったというのは、一体全体どういうことなのか・・・。とにかく、生き物の分布の地域性というものが、一筋縄ではいかないことがよくわかった一件でした。イタドリハムシ Gallerucida bifasciata 鞘翅目ハムシ科 2021年5月1日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 6, 2024
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本日ご紹介するのはヒラタグモ。漢字では「平蜘蛛」と書きます。その名の通り平たいクモです。写真では、クモ本体が写っていますが、これは、巣から追い出した結果であり、普段はこんなことはありません。本種は普段、外見がほぼ円形で中央が少し盛り上がり、周囲が歯車っぽく飛び出した平ぺったい袋状の巣をつくり、その中に隠れています。巣をつくる場所は、主に板塀や家の壁のすみっこといった雨があまり当たらない平らな広い面上であり、林の中で見られることは少ないというか、樹皮の間等にいて見つけにくいといったほうが正解かもしれません。体長が8~10mmほどと、小さいクモですが、腹部に独特な斑紋があり、似た種もいないため、一度覚えてしまうと間違えない種でもあります。ちなみに、普段巣の中にいて、外に出ないヒッキーのくせにどうやって餌をとるかというと、「受信糸」と呼ばれる糸を、巣の外側の所々から壁面に放射状に伸ばし、これに餌となる虫などが触れるとその振動を察知して巣から飛び出し、噛みついて毒でマヒさせたのち、巣に持ち帰って食べるといった感じです。ヒラタグモ Uroctea compactilis クモ目ヒラタグモ科 2021年4月30日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 5, 2024
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本日は、ヒナツチガキ。漢字では「雛土柿」と書きます。本種は、裂開前の子実体が直径5~15mm程度の小さなキノコの一種です。林内の有機物に富んだ地上に白色の菌糸マットを形成し、その上に発生します。一見するとツチグリに似ていますが、分類的にはその名に反し本種はツチグリとは縁が遠い種類です。子実体は幼菌時は球形ですが、成熟すると頂点から外皮が裂けて内皮を露出させます。この外皮が逆方向に反り返るのが本種の重要な特徴の一つで、これが反り返らないヒナツチガキモドキとの大きな区別店になっています。写真で丸い袋状に見える内皮の頂孔の周辺には円座が見られ、ここに雨粒などが当たることで胞子を吹き出します。とにかく小さなキノコですが、比較的群生しているため、一つ気が付くとその周りにあるあるといった感じで見つかります。ヒナツチガキ Geastrum mirabile ヒメツチグリ目ヒメツチグリ科 2020年7月20日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 4, 2024
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さて、ようやくいろいろ片付いてきたので再開します。東京都調布市の一角に「みんなの森」と呼ばれる緑地があります。ここは、調布市によって「特別緑地保全地区」に指定されており、周りを住宅地に囲まれながらも昔ながらの雑木林が残っているところです。今年の4月から、この緑地を残して活用するために「みんなの森の会」も設立され、保全のための活動が始まったところです。という訳で、しばらく、この「みんなの森」で見ることができる生き物たちを紹介していこうと思います。最初に紹介するのはウラシマソウ。漢字では「浦島草」と書きます。本種は、春に開花するサトイモ科の一種ですが、一番の特徴はその花の外観にあります。写真で葉の陰にあるヘビの頭みたいなものが「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれる苞葉で、本当の花はその中で咲いています。花が咲くといっても、普通に見られるような見るからに花といった感じではなく、仏炎苞の中に棒状の軸があり、花はこの軸の表面についています。また、写真では仏炎苞の先から左方向に横に伸びている紐みたいなものが見えますが、これは「付属体」と呼ばれる器官で、花がついている軸の先から長く伸びています。「浦島草」の浦島は、浦島太郎のことですが、この長く伸びた付属体を浦島太郎が肩に担いだ釣り竿に見立てで名づけられました。この「釣り竿」が何のためにあるかというと、2022年に神戸大学の末次先生達の研究によって、主要な送粉者と想定される特定のキノコバエ類に対してだけ誘引効果を発揮するという、正に受粉のための「釣り竿」として機能しているということがわかりました。本種はやや明るい林縁などに生育する多年草で、雌雄別株ですが、その性別は固定されているわけではなく、その年の栄養条件や日照等によって変化し、条件が良いと雌株、悪いと雄株になるといわれています。なお、果実ができると赤いトウモロコシみたいでおいしそうに見えますが、毒があるので決して食べないようにしてください。また、蛇足ですが、葉は、写真では複数枚ついているように見えますが、実は地上から一本の葉柄が伸び、その先についた1枚の葉が左右に分かれてさらに小葉に分かれるという「鳥足状複葉」と呼ばれる特殊な構造をしています。ウラシマソウ Arisaema urashima オモダカ目サトイモ科 2024年4月21日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
Jul 3, 2024
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来週末(6月22日(土)10時~12時)、調布市の多摩川河川敷でアレチウリ等外来植物の駆除を行います。無料・自由参加なので、興味がある方は、ぜひご参加ください。集合は9時50分に調布市多摩川自然情報館です。詳細は以下のチラシを参照してください。
Jun 14, 2024
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本日ご紹介するのは「オオハラタツ」。漢字では「大腹竜」と書きますが、これは英名の「Big-belly seahorse」をそのまま和訳した名前で、別名「Pot-belly seahorse(ポットベリーシーホース)」とも呼ばれます。本種は、オーストラリアからニュージーランドにかけて分布する大型のタツノオトシゴの仲間で、体長は最大35cmに達します。沿岸の岩礁域や藻場等に生息し、桟橋等の人工物周辺でも見ることができるほか、水深100mを超える深場でも見つかっています。他の大久野タツノオトシゴ類と同様、体色は様々で、茶色や黄色、灰色や白色、橙色等の他、これらの色のまだら模様のものも見られます。オオハラタツ Hippocampus abdominalis トゲウオ目ヨウジウオ科 2007年10月21日 東京都品川区勝島3丁目 しながわ水族館
Jan 10, 2024
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本日ご紹介するのは「ヒメタツ」。漢字では「姫竜」と書き、英語では「Korean Seahorse」と言います。本種は、日本海沿岸や朝鮮半島東岸などに生息していますが、体長約10cmとタツノオトシゴより小さく頂冠が低いことや、ハナタツにはない背鰭基部の翼、状棘を有することなどの特徴があります。そのため、以前から、日本海側のタツノオトシゴは何か違うといわれていましたが、2017年10月に正式に新種として記載された、種としてはまだまだ新しい種類です。こうした経緯によって、タツノオトシゴと比較して小型であるため「姫」と名付けられました。なお、本種も、生息場所の海藻や海底など、周囲の環境に合わせて体色を変える子が知られています。ヒメタツ Hippocampus haema トゲウオ目ヨウジウオ科 2020年9月22日 東京都品川区勝島3丁目 しながわ水族館
Jan 9, 2024
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本日ご紹介するのは「タイガーテールシーホース」。英名「Tiger tail seahorse」の名の通り尾部に虎の尾状の島縞模様が入るのが特徴のタツノオトシゴの一種です。タツノオトシゴの仲間は、英語にすると「Seahorse」になってしまい、馬にシフトせざるを得ないところに加え、さらに名前に虎まで入っているため、寅年にもネタで使えるという割とマルチな生き物なのですが、結局のところ、辰の在庫がないためあえてここに出させていただきます。本種は、タツノオトシゴの仲間の中でもインド洋~中部太平洋と特に広い分布域を持っています。周りの環境に応じて、体色を変化させるため、白っぽいものから、写真のように黄色いもの、黒に近いものなど様々な色と模様の個体がいます。タイガーテールシーホース Hippocampus comes トゲウオ目ヨウジウオ科 2020年1月12日 東京都豊島区東池袋3丁目 サンシャイン水族館
Jan 8, 2024
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本日ご紹介するのは「アオミノウミウシ」。以前にもご紹介しましが、再登場です。本種には、「Sea Swallow」、「Blue Angel」など、複数の英名が付けられていますが、そのうちの一つが「Blue Dragon」というものです。徘徊性の種類が多くを占めるウミウシ類ですが、本種は、そんな中でも海表面浮遊性という特殊な生態を持っています。肉食性で、カツオノエボシやギンカクラゲといったクラゲを餌にしています。さらに、身のウミウシの仲間には割とみられるものですが、餌として食べたクラゲの刺胞毒をそのまま取り込み、自分の防御のために使用することが知られています。カツオノエボシなど、非常に毒性が強いクラゲとして有名ですが、この毒が右から左に活用されるため、実際に不用意に触って 刺された被害事例も報告されていますので、素手での取り扱いには注意が必要です。ちなみに体長は通常2~うcm、最大でも5cm程度とそれほど大きくないのですが、何故か子供のころは勝手に10cmくらいあるものと思い込んでいて、初めて見た時に受けた実際の大きさとのギャップの衝撃とがっかり感はいまだに忘れられません。アオミノウミウシ Glaucus atlanticus 裸鰓目アオミノウミウシ科 2019年10月7日 神奈川県鎌倉市材木座 材木座海岸
Jan 7, 2024
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本日ご紹介するのは「ギンリョウソウ」。漢字では「銀竜草」と書き、花が下を向き、鱗状の葉に包まれた全体の姿を、首を持ち上げた銀色の竜に見立てたのがその名の由来とされています。全体が白色で、葉は薄いため半分透けたように見える植物らしからぬ植物ですが、それは、本種が光合成をするための葉緑素を持っていないからです。この姿が、幽霊のようなキノコを思わせることから、別名ユウレイタケとも呼ばれていますが、言いえて妙です。実際本種は地面から生えるキノコの仲間と同じく、落ち葉等がたまった腐植質の多い、やや湿った山中の落葉広葉樹林の日陰地に地生して、必要な養分は根に共生する菌類から得て生きている「腐生植物」の一種です。ちなみに、押し葉標本にすると、植物体は黒色ないし褐色に変化してしまい、このきれいな銀白色が残らないのがとても残念です。ギンリョウソウ Monotropastrum humile ツツジ目ツツジ科 2006年5月28日 石川県鳳至郡能都町 宇出津イ字 遠島山公園
Jan 6, 2024
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本日ご紹介するのは「インドシナウォータードラゴン」。昨日ご紹介した「ジップスランドウォータードラゴン」と同じ、ウォータードラゴンの一種ですが、本種はその名の通り、タイや中国南部、ベトナムといったインドシナに分布しています。本種も全長90cmに達する大型のトカゲですが、実際その半分以上は尾が占めています。平地の水辺の森林に生息する種類で、木の上にいることも多いのですが、驚いて逃げる時は、飛び降りて水中に入ったり、後足で走り回ったりします。動物食傾向の強い雑食で、昆虫類や小型の爬虫類や鳥類、哺乳類等の他、果実等も餌にします。なお、雄の成体は、頭頂部から背面、尾にかけてクレストと呼ばれる鬣状の鱗が発達するのが特徴ですか、これは雌や幼体には見られません。インドシナウォータードラゴン Physignathus cocincinus 有鱗目アガマ科 2020年11月10日 静岡県賀茂郡河津町 体感型動物園 iZoo
Jan 5, 2024
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本日ご紹介するのは「ジップスランドウォータードラゴン」。オーストラリア東南部に分布するウォータードラゴンの一種です。その名の通り、水辺に生息しており、泳ぎや潜水を得意とする大型のトカゲです。独立種とされたり、ヒガシウォータードラゴンの亜種とされたりと、分類的な見解には色々ありますが、いずれにしても外観上は、本種は眼の後ろに目立つ黒い縞が無い点で他と区別されます。静岡県賀茂郡河津町に「体感型動物園 iZoo」という爬虫類に特化した動物園があります。以前は「伊豆アンディランド」という名前で、カメが有名でしたが、今では、ヘビやトカゲ、カメ、ヤモリといった様々な爬虫類を見ることができます。本種もこの施設で見たものですが、日本国内ではおそらくここでしか見られない貴重な種類だと思います。龍のように空を飛ぶことはありませんが、ジャンプ力は結構あるとのことで、一度、ジャンプしている姿をじかに見てみたいものです。ジップスランドウォータードラゴン Physignathus lesueurii howittii 有鱗目アガマ科 2020年11月10日 静岡県賀茂郡河津町 体感型動物園 iZoo
Jan 4, 2024
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本日ご紹介するのは「Leafy sea dragon」。昨日ご紹介した「Weedy sea-dragon」と対をなす、「sea-dragon」の一種です。以前もご紹介しましたが、本種はオーストラリアに生息する、体長40cmほどに達する大型のヨウジウオの仲間で、全身の皮膚に枝分かれした褐藻のような皮弁と呼ばれる突起があります。この「Leafy」と形容される皮弁が、生息水域に生育する褐藻類とよく似ており、見事な擬態となっています。さらに、体側に入る横縞によって分断されて見えることにより、藻場内部に入り込むと、見つけるのは大変です。ちなみに皮弁は遊泳に使われることは無く、泳いで移動する際は、小さいですがはっきり存在する「ヒレ」を用います。ヨウジウオの仲間であるため、比較的大型の動物プランクトンや小魚を、パイプのような口で海水ごと吸い込んで捕食しています。Leafy sea dragon Phycodurus eques トゲウオ目ヨウジウオ科 2008年5月15日 東京都江戸川区臨海町6丁目 葛西臨海水族園
Jan 3, 2024
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辰年ということで、龍を探してみたのですが、確実にこれが龍という生物にいまだ出会えていない今日この頃。ということで、名前だけでも「ドラゴン」にちなんだもののご紹介。本日は「Weedy sea-dragon」。知る人ぞ知る、オーストラリアを代表するsea-dragonの2種のうちの1種です。Weedとは「草」を意味する英語ですが、本種には、鰓蓋直上から体幹部及び尾部にかけて見られる皮弁があり、これを草の葉に見立てて、このような名前が付きました。頭部形状を見てもわかるようにヨウジウオの仲間で、体長は45cmほどと、割と大きな種類です。体色は赤みがかっており黄色の斑点が入るのが特徴で、個体や角度によっては赤紫に輝きとても美しい魚です。水深3~50m付近に分布し、海藻の間や海草の茂みの中で、皮弁でカモフラージュしながら巧みに動き回り、アミ等を捕食しています。Weedy sea-dragon Phyllopteryx taeniolatus トゲウオ目ヨウジウオ科 2020年7月23日 東京都豊島区東池袋3丁目 サンシャイン水族館
Jan 2, 2024
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明けましておめでとうございます。旧年中は、何かとお世話になりました。今年もよろしくお願い申し上げます。年末から、徳島・高知と息抜きに出歩いていましたが、今年は辰年ということで、行ってきました「太龍寺」。徳島県阿南市にある四国霊場の第21番札所です。ここには、高知県出身の画家である竹村松嶺が書いた龍が廊下の天井にあり、「龍天井」として知られています。今回は、陸産貝類や水族館巡りが当初目的でしたが、御寺参りも予定に組み込んでしまい、結局ここをスタートとして、徳島県6か所、高知県4か所をお参りしてきました。このペースだと、後9~10回くらい四国に行けば、全部お参りできそうな気がします。太龍寺 龍天井 2023年12月29日それとは別に、当初予定の水族館巡りも予定通り達成。同僚に言われていた゜むろと廃校水族館」の「ぶりくじ(1回1000円)」を引いたところ、こんなところで何故か「特等」。体長90cmのぬいぐるみを図らずもゲット。後ろの旅行トランクと比較しても無駄に大きい。正直、どうやって四国から東京まで空輸しようかと、なんとなく1日だけ悩んでしまいました。これが2024年の運ではなく、2023年内の運であることをいのりつつ、コンビニで梱包用ビニール袋を購入して持ち帰ったのでした。むろと廃校水族館 ぶりくじ景品「特等」特大ぶりぬいぐるみ 2023年12月30日
Jan 1, 2024
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今日、ご紹介するのは「ウミネコ」。「海猫」の名の通り、海にいて「ニャアニャア」鳴く、日本の代表的なカモメの仲間です。白い尾に、黒帯が出るため、英名を「black-tailed gull」と呼びます。ところで、新潟港と両津港を結ぶ佐渡航路は、国道350号線でもあり、車両は自走する代わりにフェリーで運ばれます。このフェリー、佐渡汽船が運航する「ときわ丸」と「おけさ丸」ですが、いずれも売店にかっぱえびせんが山積みされています。何故に?と思いますが、その答えが今日の写真。フェリーの航行に合わせて多くの海猫が飛来し、乗客が餌付けしているといったわけです。野生動物に対する餌付けの是非はここでは置いておくとしても、はたから見ていると、何かとてつもない一大イベントと化しているような気がしてしまいます。それにしても、投げられた餌を見事にキャッチする身体能力は素晴らしいもので、自然界でも魚などを捕獲しているのが納得いきます。ちなみに、この佐渡航路、フェリーだと約二時間半の行程ですが、数羽の個体は時折無銭乗船を繰り返しながら、間違いなく佐渡から本州までついてきていたようでした。ウミネコ Larus crassirostris チドリ目カモメ科 2023年7月2日 新潟県佐渡航路上おけさ丸船上
Jul 5, 2023
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今日、紹介するのは「トキ」。今年も半分が終わろうとする先週末、金曜の夜から日曜にかけて、ちょっと佐渡に行ってきました。一番のノルマは、やはり生きて動いているトキを見ることでしたが、一応クリア。学名「Nipponia nippon」で知られる国の特別天然記念物で、羽根一枚拾っても文化財保護法違反と言われる鳥です。詳しく書くときりがないので端折りますが、現在約530羽を超える個体が自然状態に放鳥されているとのことで、野生状態の個体を見られるとよいなと思ってきてみました。とりあえず、佐渡につくと同時に「佐渡トキ保護センター」に直行。直近で幼鳥を観察でき、まずは満足。ちなみに、佐渡に行く前、会社の同僚から、「大雨」、「大しけ」「悪天候」などとさんざん言われていた旅程ですが、実際行ってみると、傘をさすこともなく、日が差すとかえって汗ばむほどの陽気となりました。そういったわけで、完全に晴れた2日目、野生トキ観察・展望施設である「トキのテラス」から野生個体がいそうな場所を探し、なんとか野生個体も見ることができました。なお、現時点で大量の宿題を残している佐渡ですが、次回は、トビシマカンゾウの満開の時期を狙っていきたいと、計画を立てようと思っています。幼鳥は顔の部分がオレンジ色。 トキ Nipponia nippon ペリカン目トキ科 2023年7月1日 新潟県佐渡市新穂長畝 佐渡トキ保護センター野生の個体 最初、遠目にみるとサギのコロニーかと思いましたが、よく見ると顔が赤いのがわかりますトキ Nipponia nippon ペリカン目トキ科 2023年7月2日 新潟県佐渡市新穂正明寺
Jul 4, 2023
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今日、ご紹介するのは「Xystridura templetonensis」。本種は、オーストラリアクイーンズランド州にあるBeetle Creek層と呼ばれる古生代カンブリア紀前期の地層から化石発達しているのが特徴でが見つかっています。産地が限定されているからという訳でもないでしょうが、オーストラリアを代表する三葉虫の一つにもなっています。本種は、オーストラリア産の種の中では比較的大型の種で、体側部がフリル状に発達しているのが特徴です。ちなみに、オーストラリア産の三葉虫は、日本産に負けす劣らず流通量が少ないといわれていますが、そんな中でも本種は、まあ、それなりに流通している種のようです。と言っても、そもそも比較元が少なすぎるため、ロシア産やアメリカ産の種と比べること自体おこがましいといった感じの流通量です。Xystridura templetonensis レドキリア目Xystriduridae 2023年8月24日 東京都国立科学博物館 展示標本
Jun 27, 2023
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今日ご紹介するのは「Pseudophillipsia spaculifera」。昨日ご紹介した「Phillipsia ohmoriensis」と似てはいますが、それでも少し異なっているということから、ギリシャ語で「偽りの、にせの、まがいの、疑似の」といった意味を持つ「Pseudo」を冠して命名されました。本種は、宮城県気仙沼市の、古生代ペルム紀中期の地層から化石が見つかっています。現時点では、宮城県でしか見つかっていないという現生種だと固有種みたいなものですが、海産でも底生性の種だと、移動拡散能力が小さいものは地域で種分化が進んでいくということを示しているのだと思います。Pseudophillipsia spaculifera プロエトゥス目プロエトゥス科 2023年8月24日 東京都国立科学博物館 展示標本
Jun 26, 2023
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今日ご紹介するのは「Phillipsia ohmoriensis」。本種は、岩手県大船渡市の古生代石炭紀前期の地層から化石が見つかる、由緒正しい日本国産の三葉虫です。日本国内で見つかる三葉虫は比較的少ないのですが、その中でも本種は群集で見つかることが多く、海底に集団で集まり、海底の有機物を捕食していたと考えられています。体長1.5~3cm程度と小型の個体が多く見つかっています。また、頭部を欠損している標本が大半を占めており、多種と比べて頭部が分離しやすい構造をしていたのではないかという説もあります。Phillipsia ohmoriensis プロエトゥス目プロエトゥス科 2023年8月24日 東京都国立科学博物館 展示標本
Jun 25, 2023
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本日ご紹介するのは「Phacops milleri」。本種は、アメリカ合衆国オハイオ州の古生代デボン紀の地層から見つかっています。本種は、端的にいうと、「複眼が発達したダンゴムシ」。余分な突起を持たず、とにかく複眼が大きいのが特徴です。また、実際、ダンゴムシのように丸くなった個体も見つかっており、「丸くなって外敵から身を守る」というスタイルは、古生代から引き継がれた由緒正しい防御術といったところでしょうか? Phacops milleri ファコプス目ファコプス科 2018年8月4日 東京都国立科学博物館 展示標本
Jun 16, 2023
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本日ご紹介するのは「Lonchodoas mcgeehei」。本種は、アメリカ合衆国オクラホマ州の古生代オルドビス紀後期の地層で見つかっています。どちらか頭でどちらがしっぽかわからない、不思議な格好をしていますが、写真では左側が頭部になります。本種は、その非常に長い「genal spine」と呼ばれる一対の棘と、それに比べて小さな胸部と尾板、さらには、これまで紹介してきた他の三葉虫と異なり眼が見当たらないといった特徴があります。加えて、頭部の先にはきわめて長い角のような突起があり、全体として「栗の実から作ったヤジロベエ」といった感じです。ちなみに、本種が属するLonchodomas属には、近縁で外観がよく似たAmpyx属という属がいますが、 Lonchodomas属は節の数が5節であるのに対し、Ampyx 属では6節と節数が異なっており、この点に注意すれば両者を容易に区別することができます。 Lonchodomas mcgeehei アサフス目ラフィオフォルス科 2018年8月4日 東京都国立科学博物館 展示標本
Jun 15, 2023
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今日、ご紹介するのは「Norinia convexa」。本種は、頭部が幅広く、左右に伸びる「genal spine」と呼ばれる一対の棘も頑丈でしっかりしています。一方、頭部以外はというと、外殻周りに目立った突起が見られないのが特徴です。なお本種は、中国の古生代オルドビス紀前期の地層で見つかっていますが、流通個体は比較的少ないといわれており、いわゆるレア物三葉虫の一つとされています。Norinia convexa アサフス目アサフス科 2018年8月4日 東京都国立科学博物館 展示標本
Jun 14, 2023
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今日ご紹介するのは「Stephenaspis bispinosus」。本種は、アメリカ合衆国ネバダ州の古生代カンブリア紀中期の地層で見つかっています。本種の一番の特徴は、学名の種小名にもあるように、尾部に生えた二本(bi)の棘(spina)です。また、頭部から左右に伸びる「genal spine」と呼ばれる一対の棘が比較的長いのも特徴の一つです。Stephenaspis bispinosus コリネキソクス目ザカントイデス科 2018年8月4日 東京都国立科学博物館 展示標本
Jun 13, 2023
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今日ご紹介するのは「Neoasaphus kowalewskii」。本種は、ロシア、サンクトペテルブルク近郊のヴォルコフ川周辺の、オルドビス紀前期~中期の地層で見つかっています。本種の特徴は、・・・と言わずもがな。誰もが見て、一目でわかる突出した「眼」です。本種は、体を海底に潜り込ませて潜み、この長い柄を持つ眼をあたかも潜水艦の潜望鏡のごとく突き出して、周りの様子をうかがっていたのではないかと考えられています。正直なところ、「三葉虫」の名前の由来となっている構造のうち、両側の「葉」がなければ、まさにナメクジかオオムラサキの幼虫かといった感じがしっくりくる外観です。それにしても、本種を含めこれまで紹介してきた数々の棘や突起を持った化石を、ここまで壊さずにきれいにクリーニングできるとは、本当に職人技といったところでしょうか・・・。縁日の型抜き、それも二次元ベースのものを、半世紀の間、一度も成功させたことのない私から見ると、3Dで成し遂げてしまう技術はまさに神業です。ちなみに、本種は以前「Asaphus属」の中の一亜属として分類されていましたが、最近では、この亜属が属に昇格されて扱われることが多いようです。Neoasaphus kowalewskii アサフス目アサフス科 2007年2月4日 東京都国立科学博物館 展示標本
Jun 12, 2023
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本日ご紹介するのは「Ogyginus corndensis」。本種は、イギリス、ウェールズの古生代オルドビス紀中期の地層から見つかっています。これまで紹介してきた多くの種と異なり、棘や突起がなく、丸くのっぺりした感じで、なんとなく最中の外皮を彷彿とさせる外観をしています。Ogyginus corndensis アサフス目アサフス科 2007年2月4日 東京都国立科学博物館 展示標本
Jun 11, 2023
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今日ご紹介するのは「Thysanopeltis speciosa」。本種は、扇のように広がる大きな尾部と放射状の隆起と周縁にある棘が特徴の三葉虫です。また、胸部の側葉は針葉樹の葉のような棘状となっています。北アフリカのモロッコにおいて、デボン紀約3億6千万年前の地層から見つかっています。Thysanopeltis speciosa コリネクソカス目スティギナ科 2007年2月4日 東京都国立科学博物館 展示標本
Jun 10, 2023
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今日ご紹介するのは「Drotops armatus」。本種の特徴は、一目見てお判りのように、全身に生えまくった鋭い棘。昨日ご紹介した「Asaphus expansus」と対極に位置するような外観をしています。背甲のみならず、頭部や眼の上にまで突起がありますが、ここでいう「眼の上」というのは、「upper」ではなく「on」であり、まさに外骨格を持つ三葉虫ならではの重装備です。正直、北斗の拳のヒャッハー共の肩にくっつけていても全く違和感を感じさせない重厚さです。ちなみに、本種の種小名である「armatus」は、ラテン語で「武装している」という意味であり、英語の「armed」と同義です。そういう意味では、名は体を表しているというのを地でいっている種だと思いますが、それにしても、ここまで武装してさらに丸くなって身を守るという進化を遂げた裏側には、外敵による相当な捕食圧がかかっていたことが容易に想像できます。なお、本種はモロッコの古生代デボン紀(4億1000万~3億6700万年前)のむ地層で見つかっており、中には16cmを超える立派な個体も見つかっています。Drotops armatus ファコプス目ファコプス科 2007年2月4日 東京都国立科学博物館 展示標本
Jun 9, 2023
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今日ご紹介するのは「Asaphus expansus」。本種は、古生代オルドビス紀前期の地層で見つかっています。本種が属するAsaphus属は、20種以上の種を含んでおり、その多くがロシアで見つかっているため、ロシアを代表する三葉虫の仲間とされています。本種は、そんなAsaphus属の中でも比較的初期に出現した種類で、北欧のスウエーデン王国からも見つかっており、紹介した写真の標本もスウエーデン産です。体長7.5cmに達し、全体的に目立った突起が見当たらず、滑らかな印象を受ける種で、なんとなく現生のダンゴムシを彷彿とさせます。実際、ダンゴムシのように丸くなった状態の化石も見つかっており、捕食者から身を守る行動をとっていたと考えられています。また、複眼が突出しており、視覚的にも発達していたものとみられています。Asaphus expansus アサフス目アサフス科 2007年2月4日 東京都国立科学博物館 展示標本
Jun 8, 2023
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今日、ご紹介するのは「Bristolia harringtoni」。見てお判りのように、頭部から左右に伸びる「genal spine」と呼ばれる一対の長い棘に加え、胸部から左右に伸びた棘、そして尾板から伸びた1本の棘と、合計5本の長い棘が特徴の三葉虫です。本種は、アメリカ合衆国カリフォルニア州の古生代カンブリア紀前期の地層で見られます。ちなみに、本属は、この棘が特徴の一つになっていますが、頭部のみが見つかることが多く、なかなか完全な全身標本は見つからないため、完全な標本はいわゆる「レア物」と称されて結構な価格で流通しています。Bristolia harringtoni レドリキア目オレネルス科 2007年2月4日 東京都国立科学博物館 展示標本
Jun 7, 2023
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本日ご紹介するのは「Walliserops trifurcatus」。本種は、北アフリカモロッコのデボン紀中期(約3億8千万年前)の地層から見つかりました。昨日紹介した「Hopolichoides conicotuberculata」は頭部に後ろ向きの棘がありましたが、本種は頭部前方に、三つ又のフォークにしか見えない突起が出ているのが一番の特徴です。体長85mmに達する三葉虫で、頭部から左右に伸びる「genal spine」と呼ばれる一対の棘が比較的長いのも特徴の一つです。さらに、複眼の上にも突起があり、なかなかの重装備です。ちなみに、フォークの長さや形状が異なる群があり、それぞれ別種ではないかと言われています。Walliserops trifurcatus ファコプス目アカステ科 2007年2月4日 東京都国立科学博物館 展示標本
Jun 6, 2023
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本日ご紹介するのは「Hopolichoides conicotuberculata」。本種は、ロシアの古生代オルドビス紀中期の地層から見つかりました。オルドビス紀は、古生代前期の約4億8830万年前から約4億4370万年前までを指し、カンブリア紀に次いで古い時代となります。本種は、三葉虫としては比較的初期の部類に入りますが、その特徴は、何といっても一目で目に付く棘。頭部から左右に伸びる「genal spine」と呼ばれる一対の棘が比較的長いのはもとより、頭部の後ろに二股の角状突起が生え、さらに背中の中頃にも後ろ向きの棘が一本生えています。男の子は、割とカブトムシやクワガタムシといった、角などが発達した生き物にカッコよさを見出しますが、本種もそんなワクワク心を彷彿とさせる外観をしています。Hopolichoides conicotuberculata リカス目リカス科 2007年2月4日 東京都国立科学博物館 展示標本
Jun 5, 2023
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