Emy's おやすみ前に読む物語

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Mar 8, 2008
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カテゴリ: 連載小説
「手代木先生!」

――呼ばれて振り返ると、

本庄の弟が自転車で追ってきていた。


自転車を止めて待つ。





追いついた弟は、かなり息を弾ませて

「先生、ちょっといいですか?」

と、やっと言葉に出す。



”ん?”





少し離れたファミリーレストランに入る。




オーダーを頼む。


「コーヒ-。」


「僕も。」


「腹減ってるだろう。なんか食えば。」


「先生も食べてください。」




店員を待たせたままメニューを開く。

急いで、なんだか気取った名前のカレーライスを注文する。



「僕も同じで。」




店員がはずしても、何も話さない。


”しかたない・・・。”





「F私大の付属です。」


”すごいっ。”


「頭、いいんだな。」


「・・・別に。母がF私大だったから。」



息を弾ませて追ってきた割には、ぶっきらぼうで話しにくい。








「・・・帰宅した姉の顔が、泣いていたようだったから。」


「へぇー、ずいぶんお姉さん想いだな。」


「・・・何の話をしたんですか。」


「大学の話とか、志望大学を変えるかもって相談とか――。」


「どうしてですか? 都内の大学に行かないんですか?

 あなたがいるからですか? 先生が引きとめたのですか?」



カレーライスが運ばれて、少しの間、話が途切れる。



店員がはずすといきなり、


「姉を引き止めないで下さい!

 姉はやっと家を出られるんです!

 ・・・ずっと友達とも遊ばず、部活もやらないで、

 僕たちを見てくれたんです。」



”何を興奮してんだか。”



「とにかく、冷めないうちに食おう。」


「・・・姉に何も言わずに来ました。

 メール送ってもいいですか。」



ことわりを入れてからメールを打つのは、

本庄が教えた礼儀なのだろうか。




弟が携帯をテーブルに置き、カレーを食べ始める。



何も話さず、ガツガツと・・・。







―つづく―















今日もお読みいただきありがとう!
追いかけてきたのはコウスケ君でしたね。
(みんな予想していたかな?)
ルミちゃんがお母さん代わりに弟たちの面倒を見るのを
一番近くで一番長く見てきたわけだから、
ルミちゃんの大変さを一番分かってる彼だから、
姉を思う気持ちも人一倍なのかな。
それとも・・・?

わたしは・・・そのファミレスの店員になりたいよ~!
サービスしちゃうのに・・・。

ではまた、次回の展開をお楽しみに!







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Last updated  Mar 8, 2008 03:37:03 PM
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