高野悦子『二十歳の原点』

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19才の思い出@ Re[4]:高野悦子さんの命日(06/22) 団塊世代さんへ 早速のコメントありがと…
団塊世代@ Re[2]:高野悦子さんの命日(06/22) 19才の思い出さんへ メッセージ読みまし…
19才の思い出@ Re[1]:高野悦子さんの命日(06/22) 団塊世代ベンチ組さんへ はじめまして、…
団塊世代ベンチ組@ Re:高野悦子さんの命日(06/22) 「合掌」 53回目の命日も過ぎました。 …
http://buycialisky.com/@ Re:生きるとは?しあわせとは?(03/23) cialis neurological effectscialis 2 5 m…

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2005/07/26
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カテゴリ: カテゴリ未分類
生への未練がまだあるのです。

また朝がやってきた。十九日以来の、このどうしようもない感情、うさ晴らしに酔うだけ酔って、すべてを嘔吐し忘れた方がよかったのかもしれない。・・・
 このノートに書いているということ自体、生への未練がまだあるのです。ところが、では生きていくことにして何を期待しているのかといえば、何もないらしいということだけいえる。
 私が死ぬとしたら、ほんの一寸した偶然によって全くこのままの状態(ノートもアジビラも)で死ぬか、ノート類および権力に利用されるおそれのある一切のものを焼きすて、遺書は残さずに死んでいくかのどちらかであろう。
 買ってきた睡眠薬は不眠症には二錠が適量だという。それでは「不信症」には何錠がよいのだろうか。長期的治療には毎日三錠一ヶ月服用のこと、短期的治療には一時に三十錠、そうすればあなたの「不信症」は治ります。副作用のない安全な睡眠薬、赤ちゃんでも老人でも安心して飲める新しいタイプの睡眠薬、あなたも飲んでみませんか。九錠で一四〇円、二十錠入ったお徳用もございます。・・・
今や何ものも信じない。己れ自身もだ。この気持は、何ということはない。空っぽの満足の空間とでも、何とでも名付けてよい、そのものなのだ。ものかどうかもわからぬ。・・・
旅に出よう
旅に出よう

ポケットには一箱の煙草と笛をもち
旅に出よう

出発の日は雨がよい
霧のようにやわらかい春の雨の日がよい
萌え出でた若芽がしっとりとぬれながら

そして富士の山にあるという
原始林の中にゆこう
ゆっくりとあせることなく

大きな杉の古木にきたら
一層暗いその根本に腰をおろして休もう
そして独占の機械工場で作られた一箱の煙草を取り出して


近代社会の臭いのする その煙を
古木よ おまえは何と感じるか

原始林の中にあるという湖をさがそう
そしてその岸辺にたたずんで
一本の煙草を喫おう

ザックのかたわらで静かに休もう

原始林を暗やみが包みこむ頃になったら
湖に小舟をうかべよう
衣類を脱ぎすて
すべらかな肌をやみにつつみ
左手に笛をもって
湖の水面を暗やみの中に漂いながら
笛をふこう

小舟の幽かなるうつろいのさざめきの中
中天より涼風を肌に流させながら
静かに眠ろう
そしてただ笛を深い湖底に沈ませよう
      高野悦子著『二十歳の原点』(新潮社)より引用
お父さんの「失格者の弁」によると、23日はバイトに出かけたそうです。そして帰宅後、24日午前2時頃「チョット外出します」と声をかけて出たそうです。悦子さんは線路の上で、何を感じ、考えていたのでしょうか。悦子さんは暗闇と静寂の中に消えた。





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Last updated  2005/07/26 11:16:33 AM
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