南カリフォルニアの青い空

南カリフォルニアの青い空

2010.06.29
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グライダーで鳥のように飛ぶとか、ペルーのマっチュピッチュに登る
とか、万里の長城を歩くとかがあるのだが、その中の一つを今回やっと
叶えて来た。いや叶えて下さった方々がいたと言うほうが正しい。
菜の花畑さんとブラボーさん、コスモスさんと、菜の花畑さんの
お茶のお弟子さん達である。

それは何かと言うと・・・・・
一度で良いから日本人としてちゃんと和服を着てみたかったのである。
母の形見の着物があっても自分で着ると、しまりのない道化者みたいに

菜の花畑さんは、英語とお茶を教えていて和服が主な生活をしてい、
「そんな夢ならお安いごよう。着物は沢山あるし、我が家には外国人も
よく見えて、その方達にも日本の思いでとして和服を着せてあげるので、
大きな足袋も草履も用意してあるから何ももってこないでいいから、
是非いらっしゃいよ」と、何年も前からおさそいがあったが、日本に行く
たびに、こちらに時間がなかったり、あちらの都合が悪かったりで、今回
やっと二人のタイミングがあったので胸をときめかせて福島に出かけた。


話変って、ブラボーさんは栃木の住人だが、この二人の共通点は東京出身で、
おしどり夫婦で子供がいないというのと、最高に明るい性格だという所である。
「よ~し、あなたの夢作りに私も手伝いに行く!メイクならまかしといて。
これでも、私は昔は○○堂の美容コンサルタントだったんだから!」と

車で一緒にみえた。コスモスさんは姿勢がよく健康そのもので山登りに
はまっていらっしゃる方だから身がしまっている。三人とも単刀直入型で
私にはぴったりの友達。

用意周到と言う言葉は、菜の花畑さんのためにあるようで、電車の駅で
お出迎えくださって、「さ、さ、どうぞ」と車にのり、帰りに又駅前の

スケジュール通りに進んだ。

「先ずは、腹ごしらえね。素敵な所があるからご案内しましょう」と、
お蔵がある有形文化財になっているお料理屋であとの二人と合流。その
お蔵は、ミニ昭和博物館のようになっていて、丁度私が日本を出た頃の
映画のポスターとか、餅つきの臼と杵とか、見ただけで肩が凝りそうな
大きな8ミリ映写機のような懐かしいものがぎっしり並んでいた。そういえば、
私はまだ出たての頃のテープ式の大きなビデオ・カメラを持っている。

和食定食が終わると、
「さて、せかすようだけど、やること一杯あるから出ましょう」と田んぼの
中の路を走り、和式建築の家に到着するや、お庭を拝見する暇もなく、
「じゃ、洗面所にいらして、ブラボーにメイクをしていただきましょう」
と言うわけで専門家のメークが始まった。それが終わると菜の花畑さんが
待ち構えていて髪の毛にかかった。

「じゃ、こちらで下着だけになってください」と、すぐお座敷の次の間に
通され、ふすまを閉め始めた。何故こんなにセカセカあわてているのだろう?
と笑いながら言われた通りにしていると、超スピードで手際よく着せ始めた。
「あなたは何もしないで、ただ立っていて下さるほうが着せやすいの」と
言われ、周りで三人がワサワサと動いてる中で、デクノボウのように、
ぼぅ~とたっていた時、不思議な感覚に陥った。

「どこかで、こんな経験していたなあ、どこだったろう?どこだったろう?」
と一生懸命考えている私がいた。周りで腰紐を渡す人、帯を持ってる人、
着物をかける人が素早く動き私は着せ替え人形のように立ってるだけ。
「ちょっと、胸が大きすぎるから、我慢してね」と、胸をぺちゃんこにする
為に、何かをぎゅっと巻いた時だけ白昼夢から一瞬覚めたが、また夢の記憶を
たどっていた。花嫁衣裳を着たこともないし、七五三に母が着せてくれた
感覚でもない。何か遠い、遠い、もっと遠い昔にタイムスリップしたような
夢の中であった。

「はいっ!出来上がり!」と言われて、はっと我に返ると大鏡の中に母がいた。
のちに三越の社長になった人が反物をかかえて御用聞きに来たような家で
育ち、戦前は着物も帯もふんだんに持っていた母の
「とっても素敵よ。あなたには、一枚も着物を作ってあげられなくて可愛そう
だったわね。ごめんなさいね」と言う声が聞こえてきそうで目が潤んできた。

「写真、写真!写真をとりましょう!」と菜の花畑さんにうながされて、
茶室の椅子に座っても母や祖母に一目見せたかったなあと考え続けていた。
すると、それまで青空だったのが一瞬暗くなり、屋根の上で物凄い音がした。

「あら~、いやだ!嘘みたい、霰よ、あられ!今日は晴天の筈だったのに、
これじゃお庭で写真とれないじゃないの」と、菜の花畑さんがブツブツ
言いながらシャッターを押すと、私の頭上に大きなオーブが写っていた。
orb.jpg
golden kimono.jpg
tea.jpg
ピンク.jpg


「あ!ばっちりよ!私ね、祈りながらシャッター押すとよく丸いものが
写るんだけど、ヒロコさんのにも写ってるわ。でも、せっかく皆で着物
で繰り出そうと思ったのに、いや~ね」と、カメラを私に手渡した途端に
また青空になった。

庭で記念写真を撮ったとたんに又、次の間で裸にされたので、「え?
これで終わり?」と思ったのだが、せかされた理由が分かった。彼女は
「お色直しよ」と、今度はピンクの着物に着替えさせられ、簡易式のお茶を
一服いただき、そして又グリーンの着物に着替えたのである。つまり
この日の為に菜の花畑さんは三着も用意してくださったのである。

時間さえ許せば、私も温泉宿で皆さんと一泊したのだが、弟一家とも
ゆっくり語る時間がほしかったので、皆さんに厚くお礼をいって、私一人だけ
茨城の家に帰った。駅に着くと町中がびっしょりぬれていたが、星空だった。

「さっきまで、物凄い豪雨とあられだったのよ、天気予報はずれたね。
福島じゃ凄かったでしょ?」と迎えに来てくれた弟の嫁さんのちーちゃんが
聞いた。
「いや、それがね不思議なの、本当に一瞬だけで、また青空になったの」というと、
「あ、やっぱりお姉さんは晴れ女だ!この前来たときなんか台風だらけの時期
だったけど、一度もぬれなかったのよね」と、いって笑った。

「終わりよければ、全て良し」という諺があるが、今回の里帰りは、これで
最後になっても悔いはないように演出されていたようで、初めから中間から終わりまで、
全てがスムーズで楽しい、素晴らしい旅であった。

★福岡、京都、東京、から東北まで夢をかなえてくださった皆々様、心より感謝を
いたします。素晴らしい旅にしてくださって本当にありがとうございました。





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最終更新日  2010.06.30 02:13:29 コメント(4) | コメントを書く


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