南カリフォルニアの青い空

南カリフォルニアの青い空

2022.05.10
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「スペイン」と聞くと、ぱっと頭に浮かぶのは闘牛、歴史に残る画家達、フラメンコ、サグラダ・ファミリア。いつか見てみたかった、サグラダ・ファミリアがツアーに含まれていたので、バルセロナに行くのを楽しみにしていた。

「時差ぼけを無くすためにも、最低一日は速く行ってたほうがいいわよ」と、ラナに言われていたので、「グッド・アイディア」と我々は、ツアーの最初泊まるホテルに一日前に着くように計画し、翌日の午後グループが集まる頃には、もう荷物も片付けてあって近所でスペイン名物タパスのレストランで結構おいしいものも食べたり名所なども散歩した後だったので、ルンルン気分であった。




















 このツアーは最高20人までという小さいグループだというのも気にいっていたのだが、一組のカップルはパスポートの有効期限+6週間なければならないという規則に、4週間足りなかったためにキャンセルせざるを得なかったそうだ。有効期限+2週間の余裕があったのだから、多めに見てもよさそうなのに、法律に逆らうことは出来ないのだろう、気の毒であった。

 ところが、人の事を気の毒がってる場合ではないハプニングが起きた。ツアーガイドのハビエルにワクチン4回証明書と、コロナテスト陰性証明書を出したとたんに、彼が1,2,3,4と指折りをしだして、「陰性証明はツアーの始まる48時間以内でなければならない決まりなので、これは受け付けられない」と言ったのだ。ガーン! 頭を金槌で叩かれた感じになる。つまり、1日早くついたわけで、ツアーの始まる頃には48時間以上たっていたのである。

 次にハビエルは、時計を見て「テスト場が閉まるまで1時間あるから、まにあうかもしれない」とフロントでそのテスト場のディレクションを書いてもらって、「急いで行ってください、予約したからあちらも待ってますから」と言うので、慌てて走るようにホテルを出たのだが、行けども行けども、その番地につかない。何回ためしても途中から道の名前が変わってしまうのである。私は出発前に左腰を痛めていたので、歩くのさえ容易でないのに走るわけで痛くて痛くて死にもの狂い。やっと、薬局らしきところについたら、そこではないという。長い話を短くすると、1時間迷子になって、やっと着いたら6時2分で閉まっていたのだった。
 グレッグは「もういい、こんな馬鹿らしいツアーやめて帰ろう!」と激怒。彼が帰ろうというのはカリフォルニアの自宅の事である。その間、ツアーのグループは、ダイニング・ルームでワインを飲みながら、好い気分でこのツアーの計画をはなしあっていたわけで、私一人が近づいて来たのを素早くみつけたハビエルがダイニングルームから飛び出て来た。
 グレッグはふて腐って部屋に戻ってしまったのだ。

「迷子になってやっとみつかったら2分おそくて閉ってました。あすから土日だし、キャンセルして別行動しましょうか?」と言ったら慌てて、「いや、もう一つの手がある。近所の薬局でテストキットを買って来てください。僕が証人になりますから」ということで、また慌てて出て行き薬局でキットを手に入れ、部屋でくすねていたグレッグをなだめすかし、階下につれてきて、待合室でハビエルがテストをしてくれたのだった。そのテストたるや、お笑いもので、絶対に陰性としか出ないであろうやり方で、綿棒をちょこっと鼻に入れ薬物につけて、5分も待たずに、「はい、陰性です」と写真をとって、本社に送信したのだった。これは、旅の終わりにアメリカに戻る24時間前のテストも同じく、ものものしい鞄をかかえた専門家がホテルにきて翌日帰国するメンバーのテストをしたのだが、全員が絶対に陰性になるようなテストの仕方であったから、何の爲のテストやら、いい加減なものである。

 晴れて、ダイニングルームに入っていくと「まってました」とばかり皆に拍手で迎えられた。もう皆自己紹介を済ませた後で、我々の番だった。先ほどまですねていたグレッグが、もうすっかり陽気になって自己紹介を終わらせ、そこから全員歩いて、その晩の食事をしに出掛けたのだった。

 繁華街にあるワインセラー付きレストランで、ワインは飲み放題。我々が座ったテーブルには、ロレインという女性と、グレッグは元アル中がいて絶対に飲まないし、私も近頃は90%は飲まない。のんでもグラスに2,3センチなので、隣にすわったハビエル、キャレンとリズが数本空にしていた。このツアーは宿泊、交通費、ワイン付き食事(朝食と夜食が殆ど毎日)が含まれているので、ハビエルが気をきかせて、ロレインとグレッグにコカ・コーラを持ってきたが、毎回凄い量のワインがでて、皆よく飲んだ。ちなみに、タパス(Tapas)は、ワインのおつまみだと思ったらよいだろう、兎に角スペイン中、どこに行ってもタパスの店だらけであった。

 このツアーの食事の殆どがタパスであったが、皮肉にも我々がツアー前に入ったタパスのレストランのが一番おいしかったので、後々に揚げ物ばかりでうんざりすることになる。ちなみに、この夜いったレストランも揚げ物が殆どで、グレッグと目くばせをしたくらいだった。

 食後は自由行動なので、のろのろ歩いてホテルに戻ったのだが、その帰り道に日本人経営の鮨屋と、ラーメン屋があったので「明日もタパスだったら、お寿司を食べに行こう」と言ったくらいだった。
(続く)





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最終更新日  2022.05.10 07:19:27
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