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August 19, 2026
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ラジオICのTA7642は簡易型AMラジオによく使われるICで、
たった1個だけで高感度を実現し、
適切に設計すれば6石スーパー並みの感度が得られる。
但し、設計と調整が極端に難しい。
そりゃそうだと思う。
IC1個だけで90dBもゲインをかせぐのだから。普通ならば3~4石のトランジスターが必要。
しかも簡易型ラジオをターゲットにしているので、電源を1.5Vの電池1本だけで動かせる。

で、今日はそんなTA7642を使ってラジオを作る実験をしてみた。
だって愛天堂の(店舗)閉店セールで買い物をしたらお土産にもらえたから。

ゲルマニウムダイオードはもう生産されていないので貴重。


実は愛天堂でも、このTA7642を使った実験用キットを売っている。
その回路図を載せる。


何がすごいかと言うと、基板にたくさんのピンヘッダーやジャンパーが有り、
それを切り替えると、例えばバーアンテナの巻線の接続方法を4種類、
バリコンの可変容量の大きさを4種類、
負荷であるイヤホンのインピーダンスを2種類、
変更できる。
それぞれ切り替えることで、
受信感度や、受信周波数の周波数範囲、負荷の変更による電流や聞こえの変化等が実験できる、

愛天堂のお姉さんはきっと学校で電気系学科の勉強をしてきたのだろう。

それぞれの部品がどのような意味を持っており、どのような値にするとどうなるかが分かる、
そんな実験的なキットをよく売っている。
昔は日本の電気部品店でも面白い物を売っていたんだけれども、
今は「作って終わり」なキットが多い。
鳴ったか鳴らなかったかだけじゃぁ、子供達の勉強にはならない。

もうからないからなぁ。
お店やメーカーも慈善事業じゃないのだから仕方ない。
昔は「エレキット」なんて言うのも有ったのに。

で、僕はこれを見て非常に感心したので、
これを買うのではなく、同じようなのを自分で作ってみることにした。
最低限の費用で作った実験用同調回路。百均の大活躍。


バリコンの可変容量の変更はできないけれど、
コイルの1次コイルそのものを使う同調回路、
それをタップダウンして、インピーダンスの変化が回路に与える効果を確認するタップ、
2次コイルによるインピーダンス変更により回路に与える変化、
同調回路の1次側のアースを見りかえる実験
などができる。
ベース(架台)は色々と探したんだけれども、百均の定規が「費用対効果」の面で良かった。
いやお金を出せばもっと良いものは有るかもしれないけれど、安いのも大事。

最初はTA7642だけで、それにイヤホンをつないだけれど、聞こえなかった。
愛天堂でもこのトランジスター無しタイプを、ブレッドボードで実験するキットを売っている。


記号がスピーカーと間違えやすいけれども、クリスタルイヤホンである。
クリスタルイヤホンにしているのは、
もちろんゲルマニウムラジオにも使える高感度と言うのもあるが、
それよりもTA7642の出力インピーダンスが高いからである。
通常のマグネチックイヤホンではインピーダンスが低いのでショートしたみたいになってしまう。
また、TA7642を使ったことが有る人ならば分かると思うが、
このラジオICは3番端子にくわえる電圧で感度が目まぐるしく変わる。
それもリニアーではなく、ある1点で最高になり、電圧が低くても高くてもダメである。
従って回路図の1kΩは本当はボリュームじゃないと実用にならない。
しかもアンテナコイルに2次巻線やタップが無いので、
感度がかなり低くて、耳の悪い僕にはとうてい使えない。

なので、トランジスター1石を使った低周波増幅回路を追加した。

この段階で同調回路のコイルの接続方法を試してみた。
実験中の様子。


なお、この段階では自作の実験用同調回路は使わずにインダクターを使っているので、
上の回路図とは違う。
また信号源として、南側ベランダならばかろうじてニッポン放送を受信可能だが、
自分の部屋では全く聞こえないので、
自作SGもどき(ハッピバースディツーユー)を使っている。

ただ、この自作SGもどき(ハッピバースディツーユー)は、
メロディが聞こえて雑音では無いと分かるので、ラジオの調整用としては適しているが、
今回のような感度(つまりイヤホン出力電圧)が一定ではなく、比較実験用には役に立たない。
メロディによって波形がメチャメチャ変わるからである。
「ハッピバースディツーユー」のあたりで、イヤホンの両端の波形。


そして、「ハッピバースディツーユー」の繰り返しの間の無音部分。


ピタリと止めるのは難しいので、厳密には少し音がしているかも?

まぁ、ラジオ放送局からの電波よりは強いので、
ちゃんと動いているかと言うのを確認する分には良いのだが、
実験には使えない。
なので、信号源を自作SGもどき(マルチバイブレーター)に変えた。
これならば、出力波形は矩形波によって変調されたAMラジオ放送帯の電波なので、
検波された出力は一定になり、実験(感度の比較や選択度の比較など)につかえる。

その状態で、感度Maxの状態の実験中の写真がこれ。
インダクターではダメだと分かったので自作実験用同調回路つまりバーアンテナに変えている。


ここで電流値を見て欲しい。
本当は電圧表示にすればよかったのだけれども、実験中には気がつかなかったので電流表示。
TA7642の3番ピンにつながったボリュームを増減すると、
電流値が極端に変わって変化する。同時に感度も変わる。


電流としては多くなると「ほぼ聞こえない」。
少なくする方は、ある一点をピークに感度がぐんと上がって、さらに減らすと音が小さくなる。
つまり音量ボリュームのようにボリュームの回転角度に比例するのではなく、
70~80%位の所にピークが有って、その前後で感度はグンと落ちてしまう。

なので、半固定ボリュームでも良いから、この感度調整用ボリュームは必需品である、

で、Maxの状態でコイルの接続を色々と変えてみた。
まずは1次コイルの両端を直接TA7642の1-2に接続。2次コイルは開放。


えー?聞こえない。でも実は奥さんには聞こえるらしい。
と言うことは普通の人ならば、感度調整用のボリュームは必要なく、固定抵抗でも良いのかな?

次はタップダウンしてみた。タップをTA7642の2番端子につなぐ。


えー!聞こえる。「ブー」って聞こえる。僕にでも聞こえる。
約435Hzと言うのは、
自作SGもどき(マルチバイブレーター)のマルチバイブレーター周波数の約390Hzに近い。
何らかの容量が加わって、周波数が下がっているのかも?
あるいはオシロの波形から計算しているので、若干計算がずれているのかも?

次に2次コイルを実験してみようと思って、自作実験用同調回路を外そうとしたら、
2番端子側だけが残って、アース側が外れた状態で「急に大きな音がした。」


えー!タップダウンした場合よりも音は小さいけれど、
コイルの両端を接続した状態よりもしっかりと受信できている。
そうか同調回路のアース側はTA7642から切り離した方が良いのかもしれない。

先輩方の回路図を見ても、
高感度を目指す先輩の回路は同調回路をTA7642の1-2間には直接接続していない場合が多い。

そう言う意味では、同調回路のアースをラジオICからは切り離した方が良いので、
やはり2次コイルを利用して同調回路のアースを切り離した方が良いのかも?
さっそくやってみた。


おぉー!すごい。僕でもはっきりと聞こえる。実用になるのかも?

こんな感じなので、愛天堂のお姉さんの実験回路のK-EZ7642BXA2は良いのかもしれない。
ただ耳の悪い僕には、ちょっと放送局を聞くのは難しく、
自作SGもどき(マルチバイブレーター)が必要だけれども。

ついでなので、選択度の実験をした。
一度、この時点での感度調整用のボリュームの抵抗値を測る為に回路を崩したので、
波形や波高値は若干変わっている。
ちなみに感度調整用のボリュームの抵抗値は2.9kΩだった。
えー!1kΩじゃないじゃん。

まぁそれはそれとして、選択度の実験
まずはMax時。


うーん何故か、さっきよりも波稿値がさっきよりも大きいかな?
ここから自作SGもどきの周波数を5KHz下げる。


うん、ちゃんとレベルが下がる。
そして10kHz下げると聞こえなくなった。
6石スーパー並みの選択度じゃん。

そうなんです。
ストレート方式のラジオは感度はそこそこ良いのだけれど、選択度が悪いイメージが有るけれど、
このTA7642を使ったラジオは、再生式ラジオと同じように、それなりに選択度が良い。
多分入力インピーダンスが高くて、3MΩも有るからだと思う。
感度Maxの時はインピーダンスが最高に高くなるので、Qが相当に大きいのだと思う。
なので選択度が良く、よくストレート方式のラジオで起こる「2つの放送局が混じる」事が無い。
つまり、そこそこ使えるラジオになるのだと思う。

今度は5kHz上げてみた。


あまり下がってないけれど、一応下がっている。
さらに周波数を上げて10kHz。


うん。ちゃんと下がっている。選択度が良い。

そして「戯れに」もっと周波数をあげてみた。15kHzの時。


えー!Maxの時と同じに戻っている?
実はこれが正解なんだと思う。
いわゆる「側波帯」である。
搬送波に変調をかけると、その上下に2つの側波帯が現れる。

つまり僕がMaxだと思っていたのは下側波帯で、
+15kHzなのにMaxと同じくらいに復活したと思ったのは上側波帯なんだと思う。
選択度の実験をしていて、思わぬ現象を経験してしまった。

<後日追記>
でも冷静になって考えると、側波帯は「送信側の変調の話」なんだよね。
送信側は390Hzくらいで変調をかけているのだから、
上側側波帯と下側側波帯が15kHzも離れていると言うのは変なんだよなぁ。
送信側が自作SGもどき(マルチバイブレーター)なので、
390Hzで変調をかけたつもりが実は5kHzとか10kHz位でも発振していて、
それによって変調しているのかなぁ?
でも自作SGもどき(マルチバイブレーター)をオシロで見た時には、
そんな周波数成分はどこにも無かったよなぁ。
うーん。もしかして6石スーパーの時によくある「イメージ周波数」みたいなのがあるのかな?
受信機側で5kHzとか10kHzで発振していて、
それが受信周波数に+5KHzとか出ているのかも?
まぁ今の段階ではよく分からない。
いつか技術力がレベルアップしたらわかるかも?

この時点で、恐らく普通の人には普通のラジオ放送局は聞こえると思う。
でも耳の悪い僕には無理なので、
低周波増幅部をトランジスター1石から2石に増やすことにした。
こんな回路。



ここで問題になったのは、直結した2つのトランジスターの接続方法。
NPN同士直結する方法と、NPNとPNPを組み合わせる方法が有る。
どちらでも可能なんだけれども、
トランジスターはベースとエミッター間を0.6V以上にしなければいけないので、
後段のトランジスターからの負帰還をかける為には、NPNとPNPを組み合わせる方法が有利。
なので、上の図のような回路を採用した。

すると自作SGもどき(マルチバイブレーター)の電波はこんな感じで受信された。


えー!1石の時にはとんがり波だったのに、
ちゃんと矩形波になっているじゃん。
少し実用的になっている。
ただ耳の悪い僕でも、びっくりするほど音が大きい。
普通の人ならば、低周波増幅段の入口に「音量増幅用のボリューム」を付けた方が良いと思う。

そしてAMラジオとしての性能だけれども、十分だと思う。
6石スーパーよりも性能が良いと思う。
NHK第一(594kHz)が綺麗に入る。
NHK第二(693kHz)と混ざらない。
ニッポン放送(1242kHz)とラジオ日本(1422kHz)と文化放送(1153kHz)も混ざらない。
つまり選択度(分離度)は実用レベルに達している。
ただこれはTA7642のおかげではなく、
バーアンテナが大きいせいで、Qが高くなっているせいだと思う。
つまりラジオICよりもバーアンテナの方が性能に聞くのかもしれない。

愛天堂のお姉さんの実験回路は(買わなかったのは申し訳ないけれど)面白かった。

そして後から考えたのだけれども、
実は感度Max付近では「シャー」と言う音がかすかに聞こえる。
つまり発振しているのかもしれない。
ただ、周波数が高くて耳の周波数特性が悪い(高い周波数が聞こえない)僕には聞こえない?
そう言うことかもしれない。
何故そう思ったかと言うと、
側波帯が広いこと。(そもそも側波帯は送信側の変調周波数の話)
390Hzで変調をかけたはずなのに、側波帯が9kHz位ある。
この意味が、まだ側波帯についてよく理解していない僕には分からない。
(上の方では5kHz単位で実験しているので、
 下側波帯と上側波帯の差が15kHzになっているけれども、
 これを正確に測ると18kHzだった。
 つまり「みかけ」の変調周波数はその半分の9KHz。
 でも送信側では9kHzの変調はかけていないので、
 受信側で9kHzで発振し、それと送信側の変調波390Hzが干渉して、
 複雑なビートが出ているので、(多分とんがり波の中のグジャグジャがそう)
 トランジスター1石のような弱い出力時はビートをたくさん含んだ「とんがり波」になり、
 2石にすると、元信号が強くなって、
 9kHz成分の方は「0.01µFの発振防止コンデンサーで)抑えられるので、
 相対的に信号がきれいになるのだと思う。)

何となくそんな気がする。








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最終更新日  September 8, 2026 11:48:51 AM
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Re:ラジオICTA7642を使って色々と実験してみました。(08/19)  
名無しさん さん
LA1050(東京三洋電機)とかLMF501T(ミツミ電機)も似た感じの動作だった気がします。 (August 20, 2026 10:22:03 AM)

Re[1]:ラジオICTA7642を使って色々と実験してみました。(08/19)  
名無しさんさんへ
そうなんですよ。優秀なラジオICなのでセカンドソースがたくさんあります。と言うか東芝のTA7642自体が、イギリスのFerranti社が開発した「ZN414」のセカンドソースだから、LA1050(東京三洋電機)とかLMF501T(ミツミ電機)はサードになるのかな?検波が包絡線検波なので、YOUYUBEではこれを使ってFMラジオに挑戦した人さえもいるようです。原理的には可能だと思いますが、そこまで周波数が高くても動作すると言うのがすごいと思います。ただ、インピーダンスが高いのですぐに発振してしまうのですよね。僕は耳が悪いので高い音が聞こえないので、その発振周波数を消すのが難しくても高い周波数にして逃げれば、何とか使えますが、耳の良い人は設計と調整が難しいかもしれません。でも面白いラジオICだと思います。 (August 20, 2026 03:53:35 PM)

Re:ラジオICTA7642を使って色々と実験してみました。(08/19)  
やまさん さん
aitendoからかつて、元イスペットの不具合品(おそらく)を購入しましたが、鳴りませんでした。ハンダミスはないので、TA7642が不良だったかと思います。聞いた話では、当たり外れがあり、ハズレだといくら頑張っても鳴動しないとか。TA7642自体がそんな高くないみたいなので、キットで買う場合、予備を用意して組まないとダメかと考えています。
ちなみに昔、LMF501でラジオを作り、インダクタを繋いで小型ラジオとして作りました。夜しか使えませんでしたが、長嶋茂雄が巨人の監督時代、優勝した瞬間を聞きました。 (August 25, 2026 09:42:33 AM)

Re[1]:ラジオICTA7642を使って色々と実験してみました。(08/19)  
やまさんさんへ
確かにTA7642は当たり外れがありそうな気がします。ただそれよりも、ものすごく調整が難しいラジオICなんだと思います。回路図通りに作ったからOKかと言うと、ぜんぜん違います。特に電源から3番ピンに至る抵抗の調整は大事なような気がします。よくこの部分を1kΩや1.5kΩの固定抵抗にする回路図をみかけますが、僕の場合は2.9kΩでした。1kΩではウンともスンとも音がしませんでした。1kΩの状態でいくら放送局を探しても見つからなかったのを、自作SGもどきを使ってこの抵抗を最適値に調整してから、再度放送局を探すと、ウソのように大きな音で放送局が全部見つかるようになりました。つまり放送局を探してから抵抗を調整するのは無理が有り、抵抗を調整してから放送局を探して、放送局を見つけたら再度抵抗を調整する必要があるのです。あたりはすれと言うのは、このラジオICのばらつきにより適切な抵抗値がばらつくのが有るのかもしれません。 (August 25, 2026 01:37:54 PM)

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