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September 18, 2026
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8月19日のブログでTA7642を使って色々と実験をしたので、
それを元にAMラジオ受信機を作ってみました。
8月19日のブログはこちら。
​ ラジオICTA7642を使って色々と実験してみました。 ​

ただこの時には電源は1.5Vで行い、しかもブレッドボードだったのですが、
今回は電源を3Vにして、ユニバーサルボードで作りました。

その際に重要なのがTA7642の電源。
3Vでも大丈夫のようなのですが、ちょっと心配。

多くの人は、抵抗で電圧を落としているのですが、
トラ技の古い記事に、赤色LEDを使って1.7V弱に電圧を落とす技術が載っていました。
今回はそれを利用してみます。
まずは、この赤色LEDを使って電圧を3V→1.7Vにする実験をしました。


3Vの電池に抵抗と赤色LEDを直列につなぎ、赤色LEDの両端の電圧を測っています。
但し、この写真はあくまでも実験で、
実際には直列につないだ抵抗にはTA7642が消費する電流も流れるので、
その電流による電圧降下も加わるので、この実験で得られる1.7Vにする抵抗値は使えません。
目安にすぎず、実際はこの実験時よりもかなり少ない抵抗値になります。
まぁでも赤色LEDを使って電圧の調整ができると言うのが分かっただけでもOK.

次にバーアンテナを準備しました。

(TA7642の値段や使われるラジオの値段を考えると立派なバーアンテナはもったいない)
たまたま手持ちで余っていたバーアンテナを使いました。
このバーアンテナは愛天堂のDSPラジオに入っていたもので、
僕はDSPラジオの感度を思いきり上げる為に、
直径10mm長さ13cmの大きなバーアンテナを使ったので、



コイルを端っこに寄せると600µHですが、中央だと700µHを超えます。
通常のバリコン(140pFや160pF)には大きすぎるのですが、
今回使うバリコンは愛天堂の閉店セールの際に199円詰め放題で入手した物で、
100pFしかないものなので、意外にちょうど良いのです。
(たまたまその一個が不良だったみたいで、別の物を測ると140pFでした。お姉さんごめんなさい)
また、元々のバーアンテナはDSPラジオ用の物なので1次巻線だけなのですが、
あえて2次巻線を10T追加しました。

そしてこのコイルとバリコンを使って、
ラジオICやその他の回路を追加する前に、
バリコンとコイルだけで自作SGもどき(マルチバイブレーター)を使って、
同調範囲の確認をしました。
コイルとバリコンが通常とは違う値の物だからです。


この自作SGもどき(マルチバイブレーター)は強力なので、
なんと接続しなくても、漏れ出る(空気中を飛ぶ)電波でも、同調回路が動作します。
オシロで波形が確認できるのです。
但し、最初は変でした。何故かカウンターの表示がオシロの周波数とずれています。
上のアクリルケースには「+50kHzずれているかも」と書いていますが、
実際には70kHz位上目に表示されていました。

でもこれは僕がアンポンタンだったのです。
実はこの自作SGもどき(マルチバイブレーター)の元になったカウンターは、
中間周波数を加えたり、減らしたりして表示可能なのですが、
どうも中間周波数(70kHz)が勝手に加わったモードになっていたようなのです。
中間周波数は、通常のAMラジオでは455kHz(アメリカや中国では465kHz→日本がガラパゴス)
FMラジオは10.7kHzなのですが、FMの場合には70kHzもあり、これが加わっていたようです。
さっそく修正しました。


写真上が70kHz加わった状態で、addモードで加えることができます。
これを2Eroモードにすると、正常に戻ります。
すると下の写真のようにオシロの表示とカウンターが概ね合うようになります。
我ながら馬鹿な奴と思った次第です。

この状態で範囲を調べました。
周波数の低い方はこんな感じでした。(コイルは端っこ)


バリコンが通常140pFのところが100pFしか無いので(だから愛天堂で199円詰め放題だった)、
658kHzまでしか下がりません。
ところがコイルを真ん中に持って行くと、


おぉー!571kHz。
関東ではNHK第一の594kHzが一番下なので、使える!
上の方を試してみました。


1531kHzかぁ。
標準なら1620kHzなんだけれども、関東ではラジオ日本の1422kHzが最上なので使えるな。
と言うことで確認できましたので、製作開始です。

回路はこんな感じです。

右上の値の書いていない抵抗がTA7642の電圧調整用の抵抗です。
この抵抗を色々と変えてTA7642の回路電圧を調整します。

ネット上に転がっている回路図ではこの抵抗を省略して、
ボリューム5kΩ~10kΩ(感度調整用ボリューム)を1kΩの固定抵抗にしているのが多いのですが、
それでもちゃんと使えるのですが、
せっかくのTA7642の良さを使えていません。
それはTA7642のデータシートの等価回路図を見ると分かります。

最初のT1、T2及びT3の部分が重要です。
T2とT3はカレントミラー回路になっていますが、この回路によりT1のエミッター電流が制限され、
通常のエミッター抵抗によるエミッター電流の制限に比べて圧倒的な安定性を保ちます。
ベース側から見た入力インピーダンスは、
Z in≈(β+1)⋅ Z emitter
なので、
もしエミッタが理想電流源(カレントミラー)に接続されている場合
電流源は「電流は一定だが電圧は変わる」=高インピーダンスの素子です。
エミッタ側インピーダンスが高い → ベース入力インピーダンスも高くなると言うことです。
そして、それは主にエミッタ電流の値と、ミラーの出力抵抗の高さで決まります。
つまり電源電圧が十分高い範囲では「電流源としての振る舞い」が保たれ、
低くなると一気に崩れるという性質があります。
データシートを見るとZinは約3MΩと書かれています。
しかし、適性な電圧でないと一気に崩れるわけです。
なので、ネット上にあふれている回路図のように1kΩで良いのかもしれないし、
怪しければ(例えば電池が消耗して電圧が下がれば怪しくなる)ボリュームにすべきです。
なおTA7642の前段にエミッターフォロワーをつけて同調回路のインピーダンスをあげると言う
素晴らしい方法をネットで見かけましたが、
これは正常な範囲では正しいけれども、
場合によっては無駄かもしれません。
つまり同じことをTA7642が入力部分でやっているから2度手間になるからです。
でも、TA7642の電圧が適正ではない場合はエミッターフォロワーは正しいと思います。

このTA7642の入力インピーダンスの変換回路の実力を測定してみたかったのですが、
貧乏人の僕はちゃんとした測定器を持っていないので無理です。
なので、せめて同調回路のインピーダンスが感度や選択度(分離度)に
どの程度の影響が有るかだけでも実験してみることにしました。
それは上の方に書いた、自作SGもどき(マルチバイブレーター)の出力が協力なので、
単に同調回路でも同調出力をオシロに表示できることを利用したものです。

最初はオシロの入力プローブを直接接続した状態。


結構大きな出力(もしTA7642を接続するならTA7642の入力)が出ています。
オシロのカタログによれば入力インピーダンスは1MΩの状態です。
このプローブに100kΩを並列につなぎます。


おぉー!
100kΩならばかなり高い入力インピーダンスなのだけれども、
それでも半分強に落ちている。

さらにインピーダンスを下げて1kΩ。


おぉー!1/10まで落ちている。しかも電波として弱いので波形が崩れ始めている。
通常のトランジスターの入力インピーダンスは10kΩ程度だと思うので、
上の1kΩと100kΩの中間位だと思います。

つまり同調回路につながるTA7642の入力イオンピーダンスは相当に効くのです。
また、TA7642の入力イオンピーダンスが上がると言うことは、見かけのQも上がると言うこと。
つまり選択度(分離度)も上がります。
近接した2つの放送局が混信しなくなります。
ストレートラジオは感度自体は結構スーパーヘテロダインに迫る物が作れますが、
選択度(分離度)が高い周波数になるほど悪くなる構造上の欠陥が有ります。
かっては「強者」達は「再生」をかけて見かけの感度を上げてこれを解決していましたが、
いくら頑張ってもスーパーヘテロダイン方式には勝てません。
でも、この入力インピーダンス変換回路方式ならば少しは何とかなるかもしれません。

だからネット上に転がっている1kΩで電圧を落とすのではなく、
半固定ボリュームで良いので、電圧を調整できるようにした方が良いと思います。

その結果完成したのが下の写真。


見た目は悪いけれど、まぁ面白かったです。
と言うか、感度調整ボリュームを回してみて、
有る所でポコっと感度が急に上がるのが感動的です。
ただ、若干発振しているような気がするのが残念ですが。

感度調整ボリュームが適正な場合の同調回路出力(つまりTA7642の入力)と
適正でない場合の同調回路出力(つまりTA7642の入力)の比較をしてみました。
まずは適正な場合の同調回路出力(つまりTA7642の入力)


次に適正でない場合の同調回路出力(つまりTA7642の入力)


2.5倍くらい違うのかな?
まぁでも大きな違いだと思います。
なので半固定ボリュームでも良いので固定抵抗よりはましだと思いました。
つまり、半固定抵抗を使わずに固定抵抗にした場合は、
TA7642を(インピーダンス変換部を使わないので)
単なる高性能トランジスターとして使っているのであって、
本来の使い方じゃないのかなと思います。





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最終更新日  September 21, 2026 04:23:34 PM
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Re:ラジオICのTA7642を使ってAMラジオを作りました。(09/18)  
やまさん さん
ラジオICなので、理屈としては付帯回路が内蔵されているはずで、それが能力をフルに発揮できる回路としてまとめ上げられたら、ラジオとしては完成だと思います。
ただ数多ある製作記の中でダメだと言うのは、その辺りがミスマッチだったんではないかと思います。トライアンドエラーから技術的に改良するのがこのTA7642ではないかと推測します。
その上でこのTA7642が難しいのは、感度に対してと、受信範囲の調整かと思います。そこをうまくできないから難しいんじゃないでしょうか。 (September 24, 2026 05:33:29 PM)

Re[1]:ラジオICのTA7642を使ってAMラジオを作りました。(09/18)  
やまさんさんへ
仰る通りです。このICは実はラジオに必要な回路を全部持っています。多分耳の良い人はこのICにバリコンとコイルの同調回路そしていくつかの抵抗とコンデンサーだけでラジオを作れると思います。ただ、性能は別の話で、うまく性能を引き出せないとただの増幅率の高いトランジスターになると思います。そのカギは電流(あるいは電源電圧)を適切にすることにより発生する高入力インピーダンスです。やまさんの仰る通りネット上にあふれた製作記事の多くは単なる増幅率の高いトランジスターとして使っている例が多いと思います。高入力インピーダンスを実現するには電源から供給する電流はボリュームで調節されなければいけません。でも難しいんですよね。上手く調整できた時は感動しますから。 (September 25, 2026 02:40:23 AM)

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