曹操注解 孫子の兵法

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May 14, 2005
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テーマ: 中国&台湾(3344)
カテゴリ: 戦略
 中央宣伝部は公安関係の経験者が幹部に登用された部署だ。

 同じようなことで、今の日本でポルノ・ビデオを検閲しているのは警察出身者の団体だ。
 これがまあ、検閲機関の最終段階ということだ。
 だから中央宣伝部が公安関係を意のままに動かしたり、公安部員を使って、扇動工作隊をあちこちに差し向けたり、田舎のスト破りや農民争議を鎮圧するというのは、まあよくある光景なのだと思う。そのような憎悪の声も、東京では北京より大きく響くのだ。
 中央宣伝部と公安の密接な関係は理解できた。
 しかし、それでも彼らは最終的な権力に近づけなかった。
 彼らは官僚であり、基本的に文官だから、軍部と接触することが少なかったのである。
 そこで中央宣伝部の悪知恵の働く幹部たちは考えた。

 しかし、その見方は甘かった。

 軍部の目も節穴ではない。
 そして軍部は歴史的に外交部と密接な関係がある。
 これは周恩来総理の偉業の一つだと思うが、公安と軍部には幹部学校の垣根があり、公安幹部が軍の指揮系統に関わることはできない。
 それができるのは政治委員であり、これは地道な党務や政治局員の弁公室などを勤め上げ、「政治的に合格」した人材たちの職場だ。
 つまり、軍の中に野心を持つものがあらわれないように監視するのが軍政治委員の役割であり、政治委員が野心家であったら、たちまち軍組織は崩壊してしまう。
 この政治委員制度を創設したのは、周恩来総理と葉剣英元帥だったと聞いている。
 そのおかげで、あの文化大革命の大混乱の中でも、軍部は微動だにしなかった。
 登小平さんが第一次天安門事件で失脚した直後は、葉剣英元帥が軍事基地にかくまい、四人組の手先から家族を保護したことはよく知られている。
 これまた中央宣伝部の支配下にある『解放軍報』は、昔から反日論評で有名で、日本の防衛関係者も人民解放軍に対しては身構える人たちが多いのは残念だ。
 それは軍人たちの世論ではない。第一、軍人に世論などあるはずがない。防衛庁に「世論」はあるのか。

 私が中国人民解放軍の幹部と知り合いになれたのは、ごく一握りにすぎないが、みな地方や辺境の勤務を経験し、兵士たちとともに農民の農作業を手伝い、鉄道工事のために土を運び、兵士とともに部材を運んだことがある将校たちだ。
 ドロ水の中を訓練し、ソ連軍の兵士と撃ち合い寸前になり、不幸な事故で部下を死傷させ、遺族とともに涙を流した勇士たちだ。真の武士たちだ。
 ある知人の武官は、給料が悪いわけではないのに、故郷の兵士たちと同じ食事を毎晩、夫婦で食べているという。
 これこそ鉄壁の軍隊であり、中国人民解放軍の強さである。
 平時の軍隊がどのように士気と戦闘力を維持するか、これは世界の軍隊が苦悩する大問題なのだ。

 地方に行けば、まだあちこちの商店に「軍人優先」という古い札がかけられている。
 町中で安く売っている軍服を羽織った私にまで、商店の人々が心優しく接してくれた思い出がある。
 「いえいえ、私は日本人なのです」と言えなかった自分が恥ずかしい。
 商店の人たちは、中国語が下手な私を「内モンゴル人なのだろう」と思っていたようだった。
 このような中国社会から、どうして精強な人材、洗練された人材が軍部に志願しないといえるだろうか。
 もちろん、今は経済の自由化が進んだから、優秀な人材は経営学院に来て企業家を目指すし、有能な人間は体操や競技に進んで致富の道を求めるだろう。
 しかし、私の知る同世代の軍幹部、彼らはみな文革後の混乱から立ち上がった世代であり、みな紳士であり、歩く姿も常人ではない端正な人々である。

 将軍たちもすばらしい。
 老幹部たちは朝鮮戦争で、戦場の将校として活躍した人たちばかりだ。
 戦友の血を浴びながら、アメリカ軍と戦った英雄だ。
 北朝鮮の軍部との密接な関係も、この老幹部たちの戦友関係が非常に密接だからだ。
 ある将軍の風格に接したが、私は「これが真の軍人なのだ」と感激した。
 私の先祖も、アメリカ軍と戦って死んだ。特攻機で巡洋艦にぶつかり、自爆したのだ。
 彼はもちろん軍神として靖国神社に祭られている。

 話が大きく遠回りしてしまったが、要するに軍部の人々は中央宣伝部の要請や要求には応じたものの、彼らの政治的な野心に同調するような「馴れ合い」はしなかったということだ。これは私は確信している。
 軍部指導者たちは、中央宣伝部の横暴と専制の野心を見抜いていたと思う。
 いつも中央宣伝部に脅迫されている外交部はなおさらだ。(ホントかね)

 日本との海洋問題での緊張関係は、多分に総参部(統合参謀本部)の中で立案されたものではなく、中央宣伝部が仕掛けをつくって持ち込んだものであろう。
「西欧の石油メジャーと提携して石油調査をやり、それを中国の潜水艦やミサイル巡洋艦で守らせる」 などという戦略を、はたしてまともな軍事専門家が立案するのかどうか。
 資源を確保しようと、中国政府が腐心するのは当然のことだ。
 それは批判しない。
 中央宣伝部が企画を立てたとしても、資源関係の部署がやったことだから、それはそれでいい。

 なぜ中国人民の軍隊で、石油メジャーの利権を保護するのか。それが問題の核心だ。
 ここからは石油メジャーの国際陰謀がからんでくる。
 もちろん、石油メジャーは中央宣伝部の策謀に手を貸し、香港や台湾の愛国団体に多額の資金を提供し、反日宣伝の資金源にもなった。
 そのことを軍部は知らないし、私も軍の人々に示唆はしても、はっきりとは告げていない。

 唯物主義の基本思想から、現実を分析してみたまえ。
 何の運動が、どうやって資金を集め、何を目的に活動しているのか。
 その政治的効果を反作用で利益に転化したり、あちこちの株式市場や船舶保険市場で大儲けをする国際資本集団がいるのではないか。
 今の領海問題と資源問題が接触している海域の状況を冷静にながめるといい。
 日本と中国が対立し、お互いに接近して海底油田を開発競争したら、どちらの国民が喜ぶことになるのか。
 都市や農村・漁村・山村・荒野に住んでいる中国人民はそんなことは知ったことではない。
 一番大きな儲けをあげるのは、石油メジャーなのだ。

 中国人民海軍は、海兵たちの生命を酷使し、犠牲にしてまで、どうして国際巨大資本の利権を守り、日本と対立するのか。
 その対立図式を海軍司令部がつくったのか。ちがう。
 中央宣伝部か。ちがう。
 どこなのか。石油メジャーだ。
 彼らが国境紛争地域で石油資源を独占する悪質な方法を中央宣伝部は何も知らなかったのだ。
 外交部はわかっていると思う。国連代表部もわかっているはずだ。

 アフリカ大陸で、資源確保のために、国際石油資本が民族対立を引き起こし、宗教対立を扇動し、大量虐殺まで引き起こしている事実を。
 しかし、外交部の国務院報告書など、中央宣伝部が国益のために参照するとは思えない。



 中華人民共和国よ、これ以上、国際政治、国際資本にだまされるな。

 資源確保のためといいながら、人民の軍隊が国際資本の護衛部隊をやることに、疑問を感じないのは「中央宣伝部」だけだと信じたい。
 真の愛国者、真の軍人は、そのようなことで中国人民の子弟が生命の危険を賭する不幸を座視するはずがないのだ。

 私が中国人民解放軍の将軍だったら、そのような命令企画書が回ってきた段階で、一人で戦車を運転し、北京の市街を突っ走り、中央宣伝部の建物を砲撃するだろう。





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Last updated  May 14, 2005 12:15:24 PM
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