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【 皆が私に言いました。白馬の王子様があなたの目の前に現れるなんて思っちゃダメよ、と。でも本当になったのです!ただ、、、白馬じゃなくて、マツダのミアタに乗って現れました!】
そんな花嫁の言葉を結婚式のプログラムに印刷した海辺のガゼボで行われた友人の結婚式に参列した。数年前、彼女を含めた数人で多種人種版「セックス・アンド・ザ・シティ」のようなお芝居をやろうと集まった仲間の1人が、遂に運命の人と出会った。私に散々、『ルールズ』という結婚にこぎつけるノウハウ本を参考にしろと言い続けていた女友達だった。
マッサージ師をしながら女優、脚本、演出をこなすマルチな才能を持つ彼女。知り合ったアクトレス仲間でも正真正銘クレージーな人なのだけれども、やはり繊細で傷つきやすい心を持ち合わせている。ネット出会い系サイトに登録して、46人とコーヒーデートをしてそれを『デート』と呼ばずに『10分のアポ』と呼んでいたという。絶対に飲みに行ったり、ディナーなどには行かなかった。そしてその46人目の後に出会ったのが、ミアタに乗ってやってきた王子様だったわけだ。私は写真で拝見するだけで、王子様に会ったのは結婚式が初めてだった。
けれど私を見るなり王子様は、
「君がゆーみんだね!出席してくれてありがとう!」
とまるで昔からの知り合いのようにとてもフレンドリーな笑顔とハグとキスで迎えてくれた。出席した中で私だけが外国人。きっと目立ったのだろう。こんな時は自分のバックグラウンドが有難く思える。
家族、親戚と仲の良い友達だけという割と小さな結婚式だったけれども、ニュージャージー州にあるボードウォークと海水浴の出来る海岸が広がるガゼボでのI Do!はとてもロマンチックだった。教会のパイプオルガンで入場するバージンロードの代わりに、1本のフォークギターで奏でる優しい音色と共に花嫁が2人のお兄さんと登場、純白のウェディングドレスが太陽の下でまるで天使が舞い降りたかのように眩しかった。
実は2週間前に一緒にお芝居を書いていた共通の友達が引越し先のLAからNYに遊びに来ていた。その時に新郎と会って来たという彼女から初めて詳しく聞いた。
「今さっき二人に会ってきたんだけどね、彼はすごーく素敵な人よ!彼女のこと愛しまくっちゃってるっていうのがすごくわかるの。」
「へー。でもまさか私たちの中で彼女が先に行くとはね。私はあなたが最初だと思ってたわ。」
「私もそう思ってたわよ。でも彼女、この1年ぐらい嫉妬して凄かったわよ。毎日LAにいる私のところに電話してきてさ。」
「え?どうして?嫉妬したって始まらないのに。」
「ほら、彼って野球の選手でしょう?結婚してるって言っても、女の人が群がってくるらしいから。」
「えええええ?ちょっと待って!野球の選手???いつ?どこで?」
「若い頃の話らしいけど、オリンピックにアメリカ代表で出たらしいわよ。」
「うっそー!!彼女、野球の選手と結婚したの!?それ、野球大好きな私にとってすっごく羨ましいわ!!」
「え?ゆーみんって野球好きだったの?知らなかったわ。私は大学の頃、メッツの選手とデートしてたわよ。」
「えええええ???二人ともすごーい!!」
そんな会話をしていたので、ミアタの君からダンスを踊ろうと誘われた時に聞いてみた。すると本当にオリンピックの選手で、マイナーリーグで5年プレーしていたという。今もコーチをしているらしいということだった。
「ゆーみんも野球が好きなら今度、試合を見に来てね!」
「もちろん行くわよ!!」
私を含めて参列者の独身女性たち数人は彼の友達が参列するのを期待していたのだけれども、残念ながら独身男性は参列していなかった。私たちの額に「残念」の刻印が押されていたのを当日、私のデートとなったハンサムな独身男性がよく知っている。
独身男性と言っても彼は私になど全く関心は無い。それだけではない。かつらを被り、女装するドラグクィーンだったのだ!!もちろん、式にはスーツ姿で参列していたが、心の中ではドレスを着ていたのだと思う。彼と一緒に踊ってもお互いがリードすることもなく、中性2人が踊っているような滑稽なペアと他人の目には映っただろう。
そんな笑いがいっぱいの結婚式だった。既にご両親を亡くしている友達は、他州に暮らす姉兄たちに囲まれながらとても幸せそうだった。そしてミアタの王子様が彼女を見つめる瞳が「これが愛なんだ!」と言わんばかりに輝いていたのを見て、私が涙しそうになってしまった。
プログラムの中にはこんな一節も書かれていた。
"You're in my heart. You're in my soul.
You'll be my breath, when I grow old.
You are my lover. You're my best friend.
You're in my soul." ~Rod Stewart
白球を追いかけるようにお互いを追い続け、いつまでも幸せでありますように☆
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