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tajim

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Aug 12, 2005
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突然BA(英国航空)がストを始め、キャンセルされた多くの便に乗る予定だった客でヒースロー空港はごった返している。普段のストは混乱を最小限にするために何日も前に予定が発表されるものだけど、なんでも今回は不当に解雇された同僚をサポートするための、予定外のストらしい。昨日から始まったストは今日の18時まで続く予定で、ちょうど週末をかけて夏のホリデーに出発する予定だった人々はそれまで空港で足止め。かわいそうに。

こんな突然のスト、実は私も経験があります。まだ日本で大学生だった頃、旅行でイギリスを訪れていました。市内の安ホテルに数泊し、翌日は飛行機でパリに行く予定でした。ガトウィック空港から昼前に発つ飛行機に間に合わせようと、早朝に空港行きの高速列車の出る(当時の国鉄)ビクトリア駅へ着きました。ところが、がらーっと広い駅の構内は電気はついているものの人っ子一人いない。切符を買おうにも自販機も止まっていれば、電車が動いている気配もない。全く何が起きているか分からずにしばらくうろうろしていました。すると、どこから来たのかBAのスタッフらしきユニフォームを着た女性が「どうしたの?」と声をかけ、近づいてきました。事情を話すと、女性はあきれたような顔で「今日はストで国鉄は全部止まってるのよ!ニュース見てないの?」などと言う。ニュースって言ったって、こっちは旅行中だしそもそも安ホテルにはテレビなんてない。文句を言いたかったけど、彼女に責任はない。それどころか、彼女は駅構内のBAのオフィスに戻って、ストの影響のない地下鉄で行けるヒースロー空港発の別のBA便にチケットを取り替えてくれた。おかげで数時間遅れながらも無事パリに着くことができたのだけれど、もしあの時彼女が声をかけてくれなかったら、あるいは持っていたチケットがBA便じゃなかったらどうなっていたんだろう…。運が良かったと思うべきでしょうね。

そもそも、イギリス人はストが大好き。いや、好きなわけじゃないかもしれないけど、とにかく何かと言うとストをするんです。最近では5月にBBC社員のストがあって、BBCでは一日録画番組ばかり流していた。その時の理由も確か、社員何千人かの解雇に対する抗議でした。
もっと深刻なところでは、消防士のストが大分長い間続いたこともありました。ちょうど9/11の後で、消防士のヒーロー話が話題に上っていた頃だった気がします。命をかけて働いているのに給料が少なすぎると、断続的に何ヶ月にもわたるストを決行しました。火事になったらどうするんだろうと思ったけど、軍隊が常にスタンバイしていたらしい。
郵便局とか地下鉄のストも多い。普段は賃上げ要求なことが多いが、ちょっと前にはたった一人の社員の不当解雇を理由に地下鉄全体がストを決行したこともありました。その時は、確かある操縦士が足の怪我を理由に休職中、ビリヤード場か何かで遊んでいるのを発見され、解雇された。そのことに抗議するため同僚がストを始め、地下鉄全体に波及したということでした。仲間思いの気持ちには頭が下がるけど、迷惑をこうむる一般市民の気にもなってほしいものです。

こんなふうにしょっちゅう起きるストですが、不思議なことにあまり実際の問題解決に結びついているようには見えません。スト決行中には労働者側の要求、抗議、および問題点が色々と話題にのぼりますが、いざ終了する時に和解が成立したと言う話は聞いたことがない。成立しなくてもストは終了するし、また何ヶ月、何年か経ったら再開するように見える。こうなるともう年中行事のようにも見えてくる。きっと「make a point」ということなんでしょう。だいたい、何事においても主張、抗議、反論しないと満足していると解釈される国です。主張する、と言う行為そのものが大事なんでしょうね。一般市民も結局は労働者の一人。「またストか」となかば諦めに近い境地で終了を待つしかないのです。





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Last updated  Aug 12, 2005 08:53:08 PM
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