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tajim

tajim

Aug 22, 2005
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昨日、ロンドンで久しぶりに昔の同僚と会ってきました。
彼女はスロバキア人で、イギリス人には有り得ないくらい細く、一見して東欧系と分かる綺麗な顔立ち。(どうせばれないから写真を載せちゃおう)
私と3年近く一緒に働いていたので、もう4年同じ学校で働いている。
でも、私が働いていた当時との一番大きな違いは、彼女は今は「合法的に」働いている、ということ。

あまり大きな声では言えませんが、私が働いていた学校は違法な労働者が多かった。
学校と言う場所柄、学生ビザの発行を助けることが出来る。
学生ビザ所持者のバイトは週15時間までと決まっているけれど、いったんビザを手にしてしまえば、ばれないようにフルタイムで働く学生も多いのが実情。もともと学生として入ったはずの人が、気づくと隣で働いている、そんな場所でした。
ボスにとっても、ある意味「弱み」を握っている分、使いやすい労働力だったのかもしれません。

そんな理由から、同僚は東欧系がほとんどでした。

3年の勤務の間にポーランド人の顔が分かるようになり、ポーランド語とチェコ語の区別がつくようになりました。
イギリス人に比べると、素朴で暖かい、でもちょっとこすい人たち。
彼らにとっては「ロンドンで働く」と言うのは夢のような話。
稼いだお金を国に持って帰れば大金になる。
昨日会った友人は、もともと観光ビザで入国し、それが切れたままイギリスにとどまっているという立派な違法労働者でした。

彼女にはもう6年も付き合っているギリシャ人の彼氏がいて、一緒に暮らしている。
ギリシャ人の彼は彼で国に帰ると兵役義務が待っている。
ロンドンに居る間は逃れられるけど、いつか帰って2年の兵役を終えなければいけない、という微妙な立場。
彼女はイギリスにもギリシャにもビザが必要なので、2人が一緒にいるには違法のままロンドンにとどまるしかない。
スロバキア人の彼女が学校にも行かずにビザを取得するのはまず無理だったし、大金のかかることだからです。
一緒に働いている間も、この先いつまでロンドンに居られるか分からない、と言う不安をいつも抱えているようでした。


それが、2004年の5月、全てが変わった。
彼女の祖国スロバキアが他の近隣国と同様に、EU入りすることになったからです。
これは、彼女にとっても突然の朗報のようでした。
EUに加盟すれば他のEU加盟国への入国にビザが不要、就労も可能となる。
合法的にイギリスにも、ギリシャにも住めるようになる。

かくして彼女は突然「合法」になったのでした。

社会保障番号まで手に入れた今、今の職場を辞めてずっと夢見ていた出版業界で働こうと、彼女は動き始めているようです。違法と言う弱みがなくなったせいか、表情も見違えるほど明るくなっていました。
こんな形で全ての問題が片付いて、ずっと彼女の悩みを聞いていた私にとってもうれしいことです。

それにしても、このEUと言うのは不思議なものです。
2004年5月にポーランド、ハンガリーなどを含める多くの国が加盟しましたが、加盟の直前まではそれまで同様の厳しい取締りが行われてました。学生にも就労にもビザが必要。多くの東欧人が貧しい国からの違法就労者として、かなり酷い扱いを受けていたのです。昔チェコを訪れた時、国境で見たライフル銃を持った物々しい警官の姿、チェコからドイツに入国する電車の天井裏まで開けて検査していた様子が忘れられません。
それが、一夜ですべが変わってしまった。
当時、同じ職場にコロンビア人の同僚もいました。
私の目から見ると、2人とも全く同じ状況の同僚だったのに、ある日を境に片方だけが合法になってしまった、と言う感じ。
コロンビア人のほうはビザが切れてからもしばらくねばっていましたが、とうとうあきらめて国へ帰ってしまいました。
そもそも国籍って何なのか、人の本質には何も関係ないのに、ある国から来たと言うだけで「違法」だったり「合法」だったりする。人に対して公平じゃないような、なんか割り切れないものを感じてしまいます。

そういう日本人だって、今はビザ取得前に日本国内でのエントリークリアランスが必要となり、かなりイギリスへの入国審査が厳しくなりました。
スロバキア人にビザ無しの入国を認めて、日本人に認めない、その意味も私には良く分かりません。
そもそも何のための入国審査なのか。自国の就労者を守るためだとしたら、このEUの存在自体矛盾しているでしょう。

このままEUが広がっていって、しまいに国籍なんてなくなってしまえばどんなに簡単だろうと思います。





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Last updated  Aug 22, 2005 07:27:09 PM
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