ふるた技工所(てっこうしょ)

ふるた技工所(てっこうしょ)

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

Aちゃん22

Aちゃん22

フリーページ

2025.06.22
XML
カテゴリ: 電子工作
Metronix 524B の AC100V ライン露出箇所 LTSpice の回路図一式 を用意した。


METRONIX model 524B Reference Voltage, Internal 12V regulator (PDF file)

なんだな、524B を作ったメトロニクスは事業継承会社を含めて廃業してしまった。だから回路を解析しても良いかというと、憚る思いもある。解析、学習、保守方針の検討のため、各部分を別々にして、シミュレーションする形で見ていこうと思う。趣味の解析なので間違った考えで見ている所もあると思う。

リファレンス電圧 (Vref)、内部 12V (Vc12) 生成回路のシミュレーションは電源トランス部分 V1, V2 も模擬して見ることにする。別の日記で見ていく予定の他の部分は単純な直流電圧源を使う方針だ。

半導体は LTSpice にデフォルトで備わっている部品で定格が似ていてシミュレーションで都合が良い部品から選ぶ。回路定数はシミュレーションで支障が無い限り、実機になるべく倣う。注目する回路部分以外は、必要最小限のダミー回路を入れる。これから見ていく他の部分もこの方針で行こうと思う。

リファレンス電圧 (Vref) は実測 Vz=6.1V のツエナーダイオードで生成している。LTSpice では Vz=6.2V の部品 D1 BZX84C6V2L を使った。半導体の教科書には 4.7V ~ 5.1V 付近のツエナー電圧だと温度係数が 0 に近くなるとある。これに対して 6.1V を用いたのは、ツエナー電流依存性を減らしたかった為と思われる。

ツエナーダイオードに塗装が施されているので、恐らくローノイズ品種を選んでいると推測できる。ダイオードのカソード側を直接 CV SET 回路の電圧源にしている。

12V 電源 Vc12 はツエナー電圧の倍となるように R2, R3 4.7kΩ x 2 の分圧を通して帰還して差動アンプ Q2, Q3 に戻して生成している。

Vc12 は定電流源のリファレンス電圧として使っている。4.7kΩ にカーボン抵抗を使っているのは CC (定電流) の精度は程々で良いという割り切りだと思う。電流センス抵抗の発熱による変化、そもそも電流センスは 2 つある出力トランジスタの片側が分担している電流だけ見ているという設計だ。精度を出そうとしたら、大幅に回路規模が大きくなり、使用部品の値段が上がる。



興味深いのは Vc12, Vref は負荷、帰還ループ内、ツエナーダイオード付近にコンデンサを全く配置していないことだ。今回示したシミュレーション対象外回路にもコンデンサは入っていない。

リプル、ノイズ低減、発振対策を考えれば入れても良さそうな気がする。実際、LTSpice に掛ける回路を弄ると、リプル低減をすることができる(といっても出力リプルの変化は弄る前も十分に小さい)。超ローノイズ電源を目指すなら改良の余地はあるだろう。

電源投入時の立ち上がりを見てみる。交流電源 50Hz 半サイクルで素直に立ち上がっている。


Startup wave, METRONIX model 524B Reference Voltage, Internal 12V regulator (PDF file)

事情を言えばトランス V1, V2 の内部抵抗 Rser を 5Ω として、素直に立ち上がる様にしている。10Ωくらいにすると、安定までに 1 サイクル程度掛かる。524B に使っている電源トランス特性は測っていないので、希望的値だ。

定常状態に入っているときの各部電圧を見ていく。Vref の変動幅が 70uV になっている。VC SET 回路の構成から出力電圧が 18V (=Vref x 3) の時に、Vref のリプル分寄与によって出力に振幅 210uV (=70uV x 3) のリプルが乗ると考えられる(上手い打ち消し回路は無さそうだし...)。


Running wave, METRONIX model 524B Reference Voltage, Internal 12V regulator (PDF file)

今時のリファレンスレギュレータ・オペアンプでリニューアルしようとすると、発振対策・起動回路組み込みなどで回路規模が少し大きくなりそうだ。4 個のトランジスタで構成した低ゲインの回路がシンプルな回路の肝でもある様に思う。

40mW強 (=約 6.2V x 6.66mA = 41mW) 電力消費していて、形状が小さいツエナーダイオード D1 が一番故障しやすそうな部品だろうか、自己発熱による熱安定と故障確率のバランスを意図した設計かもしれない。

次の日記 Metronix 524B 簡略回路図訂正








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2025.07.25 12:34:44 コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

カレンダー

サイド自由欄

コメント新着

Toshi@ Re:Metronix model 521C 18V 0.8A 電源 - i代目 x2, i+1 代目 x1, i+2 代目 x1 で 4 台(10/06) リファレンスジェネレータは凝った回路で…
Danieltug@ Navigate conflicts with these tips <b>I grasp</b> the method i…
Jamessic@ Сауны и бани в Уфе &lt;a href= <small> <a href="https://sa…
Robertshoof@ Досуг в Петербурге Здравствуйте! Санкт-Петербург — это го…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: