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月白という色の名を初めて知った。青みがかった白色の壁紙の部屋に住む老人、これが一番自分に相応しいと言う。戦災孤児だった老人と妻を亡くしたライターのやり取りから、お互い心に重いものを抱えている感じがした。東京大空襲から敗戦後のカオスの中で、ただ生きることに必死だった人たち。フサが男を殺したのは男や男中心社会に対する憎しみのせいだけだったのか、分からない。月白 [ 宇佐美まこと ]
2026.09.23
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北海道の地方病院が舞台。濃霧で孤立したと思ったら地震で電源喪失、非常電源はあるがエレベーターは使えない。地震の影響で硫化水素が発生。地下と1階は致死量のガスが充満し、2階の病棟へ迫ってくる。まさに密室ミステリー。3階建病病院の見取り図と入院患者を含む登場人物が巻頭にあったのでイメージしやすかった。過疎化した地方病院の医師不足、やりがい搾取的な働き方の深刻さも伝わってきて、人口減少化時代の日本の医療が心配になった。白魔の檻 [ 山口未桜 ]
2026.09.23
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タイトルのとおり児童書なんだけど大人が読んでも面白い。もしかしてヨシタケシンスケさんは子供の頃スヌーピーを読んでいたんじゃないかな、と思うくらい哲学的。そして谷川俊太郎の訳が上手くて自然で、日本語としてスッと頭に入ってくる。英文を読んで自分で訳してもこうはいかない。日本語の表現力は外国語を学ぶためにも必要ですね。13歳からのきみへ スヌーピーの自分らしく生きることば [ チャールズ・M・シュルツ ]
2026.09.23
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元教師小野寺は2024年1月1日、教え子が女将をしている旅館に滞在中に能登半島地震に遭う。震災3部作に続く被災地の復興物語。阪神淡路で被災し、東日本大震災では応援教師として活躍してきた小野寺でも能登半島では勝手が違い、能登半島ならではの問題に突き当たる。ボランティアから「能登は復興が遅い」「東北の方が酷かった」とか他の被災地と比べることに意味はないと思う。正しい情報を発信することが大切だ。先日起きた熊本地震ではSNSでの発信が禁止されたらしいが本当かなここにいるよ (単行本文芸フィクション) [ 真山 仁 ]
2026.09.23
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10歳のエディは読み書きが苦手。今ならディスレクシアだと分かるが、当時は勉強が出来ない子だと思われていた。でも、発明家のグラハムベルさんと出会い応用数学に興味を持ち、失敗から発明が生まれることを知る。左利きも否定されて、左手を紐で縛られて授業を受ける。さて、マイノリティが差別されずに生きられる社会になったのかな?【中古】ぼくとベルさん 友だちは発明王 /PHP研究所/フィリップ・ロイ(単行本)
2026.09.23
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高校の同級生5人の仲間が30代後半になり1人が自死する。5人それぞれの物語が語られる。最後の章は死んだ本人の語りなので、どんな話になるかゾクっとした。たとえ夫婦でも死にたいと思っている相手の人生を背負って生きることはできない。5人の想いが微妙にズレているところが上手く書かれていて、仲が良くても他人の気持ちは解らないものだな、それは夫婦でも同じ。他人だもの。君の不在の夜を歩く [ 窪 美澄 ]
2026.09.16
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ヨシタケシンスケ流つまんないって何?つまんない遊園地は行きたくないけど面白そう。子供目線のつまんないと大人目線のつまんないは違うのか?つまんないけど、面白い話だった。つまんない つまんない [ ヨシタケシンスケ ]
2026.09.16
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重さには重量と質量があること。万有引力で有名なニュートンの仮説は実証を経て法則になるまでに300年もかかった。地球と月が引っ張りあっているのも人工衛星が地球のに周りを回っているのもリンゴが地面に落ちるのも同じ理由。科学することを教えてくれる本。重さと力 科学するってどんなこと? (たくさんのふしぎ傑作集) [ 池内了 ]
2026.09.16
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地理学者の小口高さんがシリアへ行った1990年と2011年の調査の様子が書かれている。その後すぐに大規模な内戦が始まり、行けなくなってしまった。ネアンデルタール人が住んでいた洞窟調査を現地のクルド人たちに手伝ってもらう。最初は裸足に民族衣装だった現地の人が21年後にはジーンズとスニーカーになっていた。地味で根気のいる仕事だが、平和でなければできない仕事だ。地理学者シリアへ行く [ 小口高 ]
2026.09.16
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母が遺言も残さず死んだので、住んでいた家と土地を売って兄妹4人で等分することになった。ぶっ飛んだ母だったので兄妹の付き合いも無く、出戻りで母と同居していた妹が多く欲しいと言い出し、話はまとまらない。兄妹の交流が無かったことでそれぞれが死んだ母に振り回されていく。不動産売買の知識が盛りだくさんで勉強になった。エンディングノートは書いておこうかな。ウチの共有不動産揉めてます! [ 桂 望実 ]
2026.09.16
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ジェットコースターみたいな展開で先が気になり、読む手が止まらないサスペンス。人間に棲みつく惨虐性を象徴する目に見えないジャバウォック。今世界で起きている事を連想させるような内容。「他人と過去は変えられないけど自分と未来は変えられる」と言う言葉が印象的だった。さよならジャバウォック [ 伊坂幸太郎 ]
2026.09.10
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タイトルのイメージと違って次々と人が死ぬ話だった。伊坂幸太郎さんの『楽園の楽園』の世界そのままの新興宗教施設ができたところから不審な事件が起こる。主人公の女子高生は地元に言い伝えられてきた「まめもち」をお供えする祠を調べるうちに江戸時代の乳母姉妹の不思議な力と恐ろしい結末を知り・・・病気が治らないと大金を使っても怪しい宗教を信じてしまう人間の欲、それを利用する新興宗教。とにかく怖い物語でした。彼女たちは楽園で遊ぶ (単行本) [ 町田そのこ ]
2026.09.10
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俳優の板垣李光人さんの絵本。絵がシンプルできれい。「どうしてぼくだけ色がないの?」と、真っ白なヌルは色が欲しいと考える。あとがきにあるように、作者もいろいろ悩んだのかな、と感じる内容だった。ボクのいろ [ 板垣李光人 ]
2026.08.26
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表題のハントレスの意味が分からなかったが、読み進めるうちにハンターの女性形だと気づいた。主人公のマチは大学生の時に狩猟に興味を持ち狩猟免許を取得しようと銃砲店で話を聞いて猟銃会の人を紹介してもらい講習を受けて免許を取る。なぜ恋人と別れ親友と絶交してまで鉄砲撃ちにこだわるのか。初めての狩猟シーンはリアルで、鹿の喉元を狙って一発で仕留める、苦しまないように。そしてナイフで血抜きして捌いていく。それを見てマチは「しっくりした」と感じる。その気持ちは私には分からない。最近のクマ被害についても考えさせられる内容だ。夜明けのハントレス [ 河崎 秋子 ]
2026.08.26
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ロシア革命後に日本へ亡命し帰化したバレリーナに戦前バレエを習った久我一臣のインタビューで物語は進んでいく。少年時代に過ごした上海のこと、徴兵された満州で敗戦後ソ連の捕虜になり日本に引き揚げるまでの体験が語られる。国策で満州へ渡ったのに敗戦と同時に置き去りにされた民間人。リアルだったのは、女性は月のものがあるから脱脂綿やガーゼを持って逃げたこと。ソ連兵に暴行された時、自決用の青酸カリを取り上げられ、こん棒のような物で下半身を突かれたこと。今の時代も権力者が始めた戦争で犠牲になるのは弱い者ばかりだ。DANGER [ 村山 由佳 ]
2026.08.19
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困った時の神頼み。8編収録。元々日本人は多神教で、何となく仏教も信仰しているから外国の神様にも何のためらいもなくお願いに行けるのかな、と思った。一神教の人からしたらとんでもない事なんだと思う。でも、それで心が楽になるのならアリかもしれない。特に印象的だったのはインドガンジス川沿いの火葬が観光化している事。カタコトの日本語でガイドを申し出る青年、死を目前にして火葬を待つ人たちの家、薪を買うためにお金が必要だと言う。世界は広い。神さまショッピング [ 角田 光代 ]
2026.08.19
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モンゴルのゴビ砂漠で恐竜化石の発掘をする化石ハンターの話。小学生向け。ウランバートルは都会なのに、少し車で走ると360°大草原。砂漠の中を歩き回って地面を観察するプロスペクト、時には砂嵐に遭遇しながら化石のある場所を探す。大きな化石は土ごと石膏で固めてトラックで運ぶ。全面星空の写真がすごくきれいまだまだ新しい発見がありそう。ほるんだ、恐竜化石! モンゴル恐竜発掘記 (小学館の図鑑NEOの科学絵本) [ 平田 貴章 ]
2026.08.01
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子供向けの本なので漢字にフリガナがふってある。だが、内容はは難しい。なぜ何千年も前から人間は他の国を侵略するために戦争をしてきたのか?そして100年もすれば信じていた神を忘れて侵略者の神を信じ、同じ民族のように振る舞う。この本ではキリスト教やイスラム教の神を「天の父」と呼び、元々ギリシャやローマにあった神と区別している。そして最後に仏教も宗教の一つとして語られているが、仏陀は苦しみから抜け出す方法を知っている人、という意味。一神教同士の争いに世界中が巻き込まれている今、考えさせられる内容だった。人類の物語 Unstoppable Us 世界はちがう人どうしでできている (人類の物語 Unstoppable Us) [ ユヴァル・ノア・ハラリ ]
2026.08.01
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ガンにならなくても人は死ぬ、ということを改めて確信した内容だった。近年、ガンの遺伝子解析など技術が進歩し、外科手術だけでなく様々な治療法が確立してきたが、ガンを完全に治すわけではなく、数ヶ月延命させるだけ。治療の選択肢が多くなると患者も迷うし、AIに相談して代替療法をしてしまう。それなら副作用の強い治療をせずに残された命を全うするほうが良いのかもしれない。参考文献に医師の近藤誠さんの『患者よ、がんと戦うな』『抗がん剤は効かない』があり、勝俣範之さんの『抗がん剤が効かないの罪』もある。あなたの命綱 [ 久坂部 羊 ]
2026.07.25
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アメリカの小学校で州議会を見学に行くときに“法案”を持っていくことを先生が提案した。州の花、木、鳥はあるのに州のクッキーがない。意見を出し合って実際に作ってみたりして、投票の結果、州の特産品を入れたクッキー法案を提出する。日本では考えられない授業内容だけど、本当にあったお話。巻末にレシピがあります。クッキー投票! [ マーガレット・マクナマラ ]
2026.07.25
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お仕事小説4編。どれもがブラックジョークみたいなオチだった。着目点が面白くてクセになりそうな作家さん。これからも注目していきたい。ノーメイク鑑定士 (単行本) [ 石田夏穂 ]
2026.07.25
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最近「箱の中の羊」という映画を見たら『星の王子さま』を思い出して読んでみた。かんじんなことは目に見えない、という言葉が子供の頃はよく分からなかったが、年老いてから読んでみると、自分もコスパやダイパばかり考えて生きてきたな、としみじみ思う。ミヒャエル・エンデの『モモ』につながるものもある。思春期の必読書。星の王子さま (新潮文庫 新潮文庫) [ サン=テグジュペリ ]
2026.07.25
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汽車には色んな動物が乗っている。最初に下車(絶滅)したのはモーリシャスドードー、1681年。長い地球の歴史では多くの動植物が絶滅したが、この汽車には近代、人間のせいで絶滅、もしくは絶滅しそうな動物たちが乗っている。もちろん人間もいっしょに。ある星の汽車 (日本傑作絵本シリーズ) [ 森洋子 ]
2026.07.25
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7つの短編集。どれもがダークで少しエロチックなホラーだった。特に「キアーラ」だけはページ数が多く、イタリアのアッシジが舞台。怖いけど聖フランチェスコ大聖堂へ行って見たくなった。「オフィーリア」は芥川の「地獄変」を下書きにしている。芸術と狂気は表裏一体だと思わせる内容だった。黒い絵 [ 原田 マハ ]
2026.07.22
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月は当たり前のようにあるけど、月のおかげで地球に生命が存在していることを知ると、ありがとう、と言いたくなる。お月さま いつもありがとう 地球の生きものと月のはなし (福音館の科学シリーズ) [ メリッサ・スチュワート ]
2026.07.22
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「あおむけ編」から「うつぶせ編」へ。セリフの無いイラストが多く挟まれている。前回より暗くなったような気がする。人生は重荷を背負って長い道を歩く、みたいな絵が印象的。結論は出ません。ヨイヨワネ うつぶせ編 (ちくま文庫 よー32-3) [ ヨシタケシンスケ ]
2026.07.15
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ヨシタケシンスケさんが更年期障害になったらしい!すべてがマイナス思考になってしまうが、弱音をはくことは本人の気持ちを健全な状態に保つために良いことだと考え、書きためたイラストを文庫本にしたみたいです。イラストと短い文章で、共感するところがたくさんあるヨイヨワネでした。ヨイヨワネ あおむけ編 (ちくま文庫 よー32-2) [ ヨシタケシンスケ ]
2026.07.15
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男目線の恋バナ6編。その中の「スカブラ」だけ意味が分からなかった。俗に言う“ヒモ”ですね。ハイスペ男は女を見下していて、イラっときた。イケオジの切なさ、オレサマの自己中。色々な種類の男たちの話を楽しませてもらいました。俺の恋バナを聞いてくれ [ 新川 帆立 ]
2026.07.09
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朝井リョウさんの「インザメガチャーチ」と通じるものがある。前半がノンフィクション、語り手が変わり後半がフィクション。宗教2世の苦悩が痛いほど伝わってくる。私的にはこちらが本屋大賞かな。宗教が政界だけでなく出版界にも魔の手を伸ばしていたとして、文学賞の結果も左右できたら信者以外も洗脳出来るから恐ろしい。暁星 [ 湊かなえ ]
2026.07.09
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少弐氏15代、鎌倉、室町、南北朝と、360年の歴史を書いた長い物語。15代それぞれに墓守がいて、その人たちを訪ねて話を聞きその功績を綴る形式。大宰府の少弐に任じられてから平穏な時期はなく、元寇で多くの死傷者を出し、周りの大名から戦を仕掛けられては討死や自害で代が変わっていく。戦、戦の連続で兵糧はどうしていたのだろうか。
2026.07.09
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前回は、おこられたときほどうするか、が議題だった。今回は、言いたいことがあるときはどうしたらいいか?幼稚園児とは思えない意見が出てきて面白い。でも、最後には、ほっこり❣️大人の会議もこう上手くいくといいのにね、トランプさん。もっと こどもかいぎ [ 北村裕花 ]
2026.07.09
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絵本なんだけど、お母さん目線で読んだら、うるっとしてきた。幼稚園生なのに政治家よりしっかり話し合いができている。こどもかいぎ [ 北村裕花 ]
2026.07.09
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2021年に亡くなった那須正幹さんの遺作。那須さんは3歳で被爆している。強烈な記憶は歳をとっても忘れない。たとえ認知症になっても覚えている。1990年に書かれた「なぜ日本は平和なのか」という文章には、戦後45年経って日本は一度も戦争をしていない、だが憲法を改正して自衛隊を軍隊にしていつでも戦争ができる国にしたいと考えている者がいる、と書かれている。戦争の体験者が少なくなっている今だこそ、戦争は絶対にいやだ、と叫び続けなければいけない。やくそく ぼくらはぜったい戦争しない (ポプラ社の絵本 104) [ 那須 正幹 ]
2026.06.24
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視覚に訴えてくる小説ってアリ最果タヒさんの詩集では字体を変えたり、縦書きと横書きを組み合わせたりしたものがあった。まさか綿矢さんが本の余白を目一杯使って、殴り書きのような字を書いてくるとは思わなかった。タイトルは「グレた妊婦」なのか?過酷な不妊治療を諦めたら妊娠し、同時にはっちゃけた妻に戸惑う夫。出産シーンも強烈。夜泣きする赤ちゃんに、ずっと産院にいてくれたらいいのに、分かるわー楽しく読了した。グレタ・ニンプ [ 綿矢 りさ ]
2026.06.24
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救いの無い話だった。東日本大震災の直後に起きた連続殺人事件の容疑者、真柴亮。最初の殺人は正当防衛だし、2度目の殺人も不可抗力、逃走の途中で迷子の子供を発見して保護したのも誘拐ではない。震災当時、ダウンジャケットがなければ風邪をひいてしまうような寒さ、震災の影響を受けなかった峠道に雪が残っていたこと、瓦礫だらけで車も人も通れない道路、海沿いと内陸部の被害の違い、民間の車はガソリンが入れられなかったこと。当事者でなければ分からなかったことが、目に見えるように伝わって来た。逃亡者は北へ向かう [ 柚月 裕子 ]
2026.06.05
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みんなが一人ひとり自分の体の物語を持っている、と言う話。あとがきに「自分らしく生きろ」と言われても苦しくなる人もいるかもしれないけど「誰に何と言われても、自分の人生の主人公は自分」と書かれている。さだまさしの歌に「主人公」というのがあったなみんなみんなとってもすてき [ バティスト・ボーリュー ]
2026.06.05
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作者本人の経験から生まれた絵本。いろんな民族や文化が混ざり合うアメリカでも見た目に対して心ない言葉を浴びせる人たちがいる。全世界同じなのかな。「ありのままでかんぺき」と思えるまで、何回も泣いたのだろうな。わたしはBIG! ありのままで、かんぺき (ポプラせかいの絵本 72) [ ワシュティ・ハリソン ]
2026.06.05
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落語絵本を初めて読んだ。辰五郎にどんな夢を見ていたか話せ、と言うおかみさん。夢なんか見ていないから話せない、と言う辰五郎。本物の落語で聞いたら笑えるだろうな。絵本だと、クスッとするだけ。他のシリーズも読んでみよう。天狗裁き [ 川端誠 ]
2026.06.05
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今までの作品とちょっと違って、ミステリ要素満載で、ファンタジーが少し加味されている。五島列島の小さな島を舞台に閉塞的な社会と東京での生活を対比させながら、知らなかった過去が明らかになっていく。先が気になって読む手が止まらない。読ませる作家さんだな、と思った。アフター・ユー [ 一穂 ミチ ]
2026.05.21
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長野県上田市の「無言館」の館主、窪島誠一郎さん作。日中戦争に従軍し、戦死した祖父と中国人画学生との交流の物語。日本兵が歌う童謡「夕焼け小焼け」が軍歌に聞こえて怖かった、と言う中国の人たち。戦争してたら音楽や美術も楽しめない。戦争をしないためにも人間には芸術が必要だ。ゆうやけこやけのえのぐばこ [ 窪島誠一郎 ]
2026.05.21
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児童書『野生のロボット』の絵本版。文と絵はイラストレーターでもあるピーターブラウン。訳者も同じ前沢明枝。文字が少なくても優しい絵から伝わってくるものがある。幼児のための『野生のロボット』入門編。やせいのロボット むじん島のロズ [ ピーター・ブラウン ]
2026.05.21
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さまざまな恋愛を描いた6つの短編集。いろんなカタチの恋愛が展開されて、普通の恋なんてものはないんだな、と思った。「こんなに好きなんだから結婚しよう」と言った男性がすぐに「好きじゃなくなったから離婚しよう」と言ったり、全てが想像の域を超える内容だった。宙色のハレルヤ [ 窪 美澄 ]
2026.05.21
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成瀬シリーズ第3弾。京大生になってもマイペースは変わらず。琵琶湖大津観光大使の仕事、自転車の練習、達磨研究会の活動、京都を極める、どんどん活躍の幅は広がる。これで完結なのは残念。社会人になった姿も見てみたい。「琵琶湖の水止めたろか」このセリフが出てくるたびに吹き出してしまった。琵琶湖疎水に行ってみたくなった。成瀬は都を駆け抜ける [ 宮島 未奈 ]
2026.05.21
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『サピエンス全史』に、人間が集団で生きるためにはフィクションが必要だった、と書かれている。共有する物語はアニミズムや神話、宗教など。インターネットが普及した今、物語はものすごい速さで世界中に広がる。これを商業的、政治的に利用してトレンドを作るのは一部の人で、その他大勢の人たちは利用され、踊らされる側になるが、自分の意思で行動していると思い込む。これがトランプが大統領に再選された理由かも知れない、と思った読書でした。イン・ザ・メガチャーチ [ 朝井リョウ ]
2026.04.22
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みつばの郵便屋さんでお馴染みの、みつば市のお蕎麦屋さんが舞台。ニュータウンと言われた住宅街も空き家や更地が目立ってきて、オールドニュータウンになりつつある。蕎麦屋にケーキやプリンはビックリしたが、メニューにあったら注文するかもしれない。他の作品で登場した人がちょっとづつ関わっていて、思い出しながら楽しめた。ディア・オールド・ニュータウン [ 小野寺 史宜 ]
2026.04.22
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チョコレートがらみの短編12編入りのBOXが2つとエッセイが1つ。テーマがチョコレートでバラバラの話かな、と思ったら、BOX1の最後で見事に回収されて、BOX2へつながる。青山さんの見事な筆致にやられました。チョコレート・ピース [ 青山美智子 ]
2026.04.22
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細川貂々さんと今一生さんの対話形式で子ども虐待とは何か?について話が進んでいく。貂々さんの漫画が優しく読みやすかった。大人もみんな昔は子供だった。親から言われて嫌だったことを思い出して、あれは虐待だったと自覚する事が大事。どんな事が虐待になるか知れば、自分が親になった時に役にたつ。母子手帳といっしょに父子手帳を発行して虐待や親権、子供の人権について勉強し、親になる準備をする、という案はいいな、と思った。そういえばこども家庭庁は何してるのかなさよなら、子ども虐待 [ 細川 貂々 ]
2026.04.22
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民主主義って何?改めて考えさせる内容だった。戦後GHQの主導で実験的に4人の少女に半年間民主主義を教えることになった日系人のサクラギ。戦時中、自身も収容所で過ごし、戦後はアメリカ軍の通訳として日本へ来た。世界で一番進んでいるアメリカでさえ日系人を差別しておいて日本を民主化させるなんて。生まれも育ちも違う4人の共同生活は民主主義とは関係なくハチャメチャで面白かったが、半年後には自分の未来を自分の頭で考えて巣立っていく姿は頼もしかった。男ではこうはいかない。はて、80年経った今の日本はどうだろう。デモクラシーのいろは [ 森 絵都 ]
2026.04.22
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4人の女性の「ほしい」の物語。子供が欲しくて妊活と不妊治療をするが、なぜ欲しいのか分からなくなってしまったり。夫との気持ちの乖離があり、夫の精子でなくても妊娠さえすれば良いと思ってしまったり。望まない妊娠をして親に言えずに多目的トイレで産み落としたり。女性でなければ経験できない問題が目いっぱい詰まった物語だった。でも、ほしい [ 山下 紘加 ]
2026.03.28
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『オフィーリア23号』と表題作の2編。前作『ハンチバック』より哲学的になって、これぞ純文学という感じだった。1880年生まれで23歳で死んだヴァイニンガーは知らなかったが、「女性には存在も本質もない、存在しない、非在なのだ」という女性蔑視の言葉はショックだ。大学院生の那緒は三島由紀夫にも影響を与えたヴァイニンガーについて論文を書くという。他方で劇団員の彼氏が三島の「憂国」を映像化したいと那緒を誘う。医師で母に手も足も上げる父。色んな要素が絡み合い、何も解決せず終わって、頭の中はモヤモヤ状態です。女の子の背骨 [ 市川 沙央 ]
2026.03.28
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