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性に彼女に会いたくなった。
そして、急な出張ということにして
彼女のマンションに向かった。
数日前に、彼女の部屋から眺める満月の写真が
メール添付されてきていた。
「ちょうどあれから1年経ちました。同じ月が奇麗です」
と書かれてた。
亡くなった彼女の死から、ちょうど1年ぐらい経った時だったろうか
その日、彼女の部屋で、この月を眺めた。
その記憶は、今の今まで、頭の隅にしまっていた気がする。
その日、どのようにして彼女の部屋を訪ねたのか
言い訳した理由は思い出せない。
ただ、マンションの高層階のベランダから、
晴れ渡って雲ひとつない夜空に、
今日と同じ月が正円に近い輝きで
僕らを照らし続けていた。
彼女のメールで、その事がまざまざと思い起こされた。
そして突然のあわただしい訪問にも
彼女は簡単な食事を用意してくれていた
そして、ソファに並んで彼女の好きだという
曲をYOU-TUBEから聞きながら、月を眺めた
亡くなった彼女とは音楽の趣味も対照的だ。
それでも、こうした曲を
一緒に楽しむ自分の適当さが
すまないなとふと思った。
酒と月の光とシャワーを浴びて
温かく高揚した彼女を抱きながら、
やはり僕は長い間、眠りにつくことは出来なかった。