全て | 雑記 | 小説
2006.06.30
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カテゴリ: 小説
一度だけ。一度だけでいいんだ。
そこに窓があるだろ? 大きな窓。
あれめがけて、思いっきりダイブして欲しいんだ。
難しい事じゃないだろ? なに、君ならできると信じてる。

「・・・質問。ここは何階だったか、君は覚えてる?」
「もちろん」
ド丁寧にお辞儀した後で、目の前に相手にそう言った。
「なら答えてみろ」
端から見ればきっと脅しているようにしか見えない。・・・君は、変わらない。

なおも紳士的な態度を続ける俺の頭を、軽いけど重い衝撃が襲った。
「あたっ」
「バカ言うなぁ!なーんでこんなところで死ななきゃなんないんだよっ!」
続けてバシバシと頭を叩く彼女は、同じクラスの しらいしはるか 。とてもいい性格をしている。・・・本当に、いい性格してる。
「う、運が良ければ・・・死なない・・・かも」
「死ぬわっ!」
最後に一発、額に掌底。その一撃に俺の脳は揺れた。
「っ・・・たぁ・・・」
「たく・・・そんなに言うなら自分でまず飛んでみろよ」
まるで小学生か中学生のような文句をつけてくる遥香。

「わかった」
ただ少しだけむっとうなると、俺は真剣な目で言った。
「そうそう、最初からそう言えば・・・って、え?」
彼女が俺に聞き返す頃には、開けておいた大きな窓から見える景色めがけて――
「やめろってーの!」

「あたぁっ! な、何すんだよ!」
そっちが飛んでみろって言ったくせに! と怒っていると、目に入ったのは静かに立っている遥香だった。
・・・なんか、間違ったかな。
「バカ、もし本当に死んだらどーすんのさ」
怒っているようには見えず、笑っているようにも見えなかった。
「いや、死なないかも――」
「死んだら!」
いつも声は人一倍大きい彼女だったが、ひときわ大きい声で俺の言葉を遮った。
「・・・どーすんだよ・・・」
今まで二、三度見たことのあるような顔で、彼女は目を伏せた。
・・・あぁ、だから苦手なんだよ、こいつ。
どうやっても俺じゃ勝てないから。
「・・ごめん」
俺が謝ると、彼女は近くに置いていた鞄を拾って肩から提げた。
「・・・帰る」
帰るぞ、と言わないところが彼女らしい。
家までの道のりで、どうやって振り回されるのか。少し思いやられたが、まぁいいかの一言で片づけた。
たまには、こんな日も必要だよな?




思いつきです。
殴り書きの勢いでタイプしました。20分ぐらいでしょうか。ショートショートを書くのは久々です。
よく考えると男の名前出てない。どうしよう。まぁいいや(1秒)
文法がおかしかったりするかも知れないのは許してください。
「直前の景色」は無事提出しました。
ちょっと納得いかない終わりになってしまいましたが。
こっちに載せるときはちゃんと改正しときますけど。
それでわ。





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Last updated  2006.06.30 23:06:08
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由遠 @ Re:うわー(10/17) うおをおなつぃwwぶるじゃないか! 覚…
ホネホネ@ うわー めっちゃ久しぶりやなあ。 ていうか覚え…
 セツ@ 休日出勤オツカレサマですっw! お久しぶりですwお兄様w お兄様があの…
松田@ ランキングサイトご参加のお願い 突然のコメントで失礼いたします。 携帯…
せつ@ 日記が既に作品っぽいですwてかマジ売れますヨw!?ワラ お兄様wせつはどこまででも付いていきます…

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