大腸肛門専門外科医のひとりごと

大腸肛門専門外科医のひとりごと

2005.09.05
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テーマ: 癌(3567)


まずは注腸についての説明です。

【注腸検査】


おしりからバリウムをいれて、腸の粘膜面にバリウムを付着させてレントゲン写真を撮ります。

腸を全てみるのではなく、普通は大腸~小腸の終わりの所ちょっとまでを診ます。

検査はお腹の中に便が残っていてはできません。

検査前日からレトルトになっている検査食(おつうじのカスができにくい)を食べて

寝る前に下剤を飲みます。

下剤はコーラックのような下剤ではありません。

検査用のキツイやつです。



コップ1杯の水にに1パック溶かして内服します。

(夜にトイレに何度も起きてキツイ人もいるかもしれません。)

また普段から便秘がひどい人だと通常量の下剤ではできらず、便が残ってしまうこともあります。

普段から下剤を内服している人は、いつもの薬も一緒に飲んだ方がいいと思います。

翌日、だいたいは午前中に病院で検査を行います。

当日朝は食事抜きです。


2005-09-05 20:27:13裸でやることはありません!!検査着ます。

検査はレントゲン台に寝て始めます。

最初にお尻にゼリーを塗って、バリウムを入れるチューブをお尻に差し込みます。

バリウムを約300ml腸内に注入し、その後空気を入れながらバリウムを腸の奥へと流します。

しかしながら大腸はお腹の中でとぐろを巻いてたり折れ曲がったりしていますので



そこであっちを向いたり、こっちを向いたり、頭を上げたり、頭を下げたりと体位を変えながら

バリウムを進めていきます。

ご高齢の人や、体を動かすのが難しい人はこの検査は大変です。



便が残るとそれがポリープや腫瘍の影なのか、便なのかの診断が難しくなります。

便ならば体位を変えると動きますので同じ場所に同じ形・大きさで写りません。



ポリープや腫瘍ならば再現性がありますのでこれでだいたいは区別が可能ですが、

腸の壁にへばりついていると便でも動かずわかりません。

注腸はあくまで診断しかできないので、疑わしい影があれば最終的に内視鏡検査が必要になります。

このため最近では最初から内視鏡を選択することが多くなってきました。


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Last updated  2005.09.21 12:30:59
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