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2008/12/26
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カテゴリ: カテゴリ未分類
水野和夫のグローバル経済論9 誰のための景気回復か?

「均質性が失われると、経済のパーフォーマンスを「景気回復」という一言で表現することはできなくなる。数字上では景気が回復しているといっても、その恩恵はごく少数の企業や限られた人たちが享受するだけである」。つまり景気が回復してもすべての企業が楽になるのではなく、一部の企業だけに偏る。そういうのは景気回復と言えないのではないかと言う。実際に景気が回復した後も、生活の不安を訴える人の数が増え、生活保護世帯が増えている。
具体的に言うと、グローバル経済圏企業はもうかり、ドメスチック経済圏企業はもうからない。それどころか利益が減っている。国内の商売だけで生きている企業や商店は、77%の中小企業である。当然そういうところで働いている人の給料も増えないから、景気回復の実感がない。バブル崩壊後の不況がいまだに継続しているから、貯金も取り崩し、高齢者は収入がないから、生活困窮者が増えている。
水野はたくさん数字をあげて実証しているが、そのうちのいくつかを挙げさせてもらうと、グローバル経済圏企業に属する従業員の一人当たり人件費(給与のほか、福利厚生費、役員給与も含む)は06年7~9月期で856万円(4四半期合計値)である(財務省法人企業統計年表)が、ドメスティック経済圏企業に属する従業員のそれは373万円である。前者の人件費は毎年1.2%増加してきたが、後者のそれは毎年1.5%減少している。このままいくと、あと10年くらいで、グローバル6経済圏企業に属する従業員の人件費は969万円になり、ドメスティック経済圏企業に属する従業員の人件費は320万円になり、その差は約3倍に達する。
今度の金融恐慌のあとでも、この差はあまり変わらないであろう。
そうはいっても、グローバル経済圏企業で働いている人にとっても所得の増え方は過去にくらべて著しく下がっていると水野は言い添える。正社員であっても増えないわけである。
年収270万以下の所帯は600万あり、いま共稼ぎでなんとか中流のレベルを維持していてもいつ片方が働けなくなるととたんにこの数字は増える。
1991年の内閣府の「国民生活に関する世論調査」では「悩みや不安を感じている」と答えた人の割合は46.8%であったが、06年の同じ調査では、67.6%に増え、景気回復後でも増え続けている。悩みや不安の中身は、「今後の収入や資産の見通しについて」が38.2%で、「老後の生活設計について」が54.0%、あとは自分や家族の健康についてである。

金融資産の増え方についても格差が生じている。年収650万円以上の所帯はおおむね金融資産をふやし、それ以下の収入の所帯は貯蓄残高を減らしている。
年収1500万円以上の所帯はと突出して金融資産を増やしている。それば有価証券を持っていることが大きい。





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Last updated  2008/12/26 10:51:09 AM


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