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先日、ルノーとフェラーリにも出されたのではないかと言われている、マスダンパーシステム禁止通達だが、まだ実際の装置が開示されていないから、詳しい仕組みは謎である。
私はいろいろと考えをめぐらしてみる内に、こんな方法も可能性のレベルでなら考えられると思った。
それは高速で回転する円盤などの起こすジャイロ効果の利用である。
機械加工などで使われる、ディスクグラインダーを使ったことのある人なら、ジャイロ効果というものが感覚的に判るかもしれないし、オートバイなどを高速で走らせたことのある人なら、速度が上がると、タイヤとホイールのジャイロ効果でハンドルが重くなり、ねっとりと感じられる経験があるだろう。
高速で回転する円盤などの回転軸を傾けようとすると、実際の質量の持つ起動モーメント力より相当大きな力を必要とすることになるのだが、この力を利用してみようと考えてみた訳だ。
まあ、そういう装置をF1の狭いボディーの中のどこに仕組むことが出来るかと言うと、問題も多いが、たとえば厚さ5ミリ程度の直径40センチ程の鉄のディスクを数万rpmで水平に回転させたと考えると、そのジャイロ効果は相当大きく、ピッチングやローリングを抑制する効果が現れる。
また、この回転体をディスクブレーキのようなパッドで、回転を止めようと摩擦すると、回転体の速度でで発生していた強い慣性力の反作用で、相対的に止まっているブレーキパッド側の質量(つまり車)を回そうとする力が働くことになる。
自動車は左右のどちらにも曲がるので、こうしたディスクを2枚上下に配置し、それぞれを逆の方向へ高速に回しておくとして、車の上から見て右回転のディスクを止めようと動作すれば回転エネルギーが車を右に回転させようとすることになるし、左回転のディスクを止めようとすれば今度は車は左に回転しようとすることになる。
この回転ディスクをドライバーのシートとエンジンの間あたりに車体に水平に配置出来れば、右へのハンドリング開始時に右回転のディスクに制動をかけることで、タイヤのコーナリングフォースだけに頼っていた車の向きの変更が容易になるはずだし、コーナリング時のローリングは回転のジャイロ効果で僅かでも減少出来るように働くし、右カーブでカウンターステアを当てるシーンでは、左にハンドリングするので左回転のディスクに制動をかけることによって、今度は車のZ軸回りの右への慣性モーメントに逆らって反作用が出るので、スピンしようとする車体の回転を効果的に食い止める効果が出るのではないだろうか。
ステアリングレスポンスの向上でめっぽうクイックな運動性が得られる可能性があると感じるし、マシンの水平方向に回る回転体のジャイロ効果は、垂直方向の重力と前後左右の慣性には影響が出ず、ピッチングとローリングだけにスタビリティーを発揮するので、競技用の車両にはもってこいの効果ではないだろうか?
まあ、これは一つのアイデアで、仮説なので実際にどの程度の効果が得られるかは詳しく計算して見ないと判らないが、千分の1秒を争うレースでは、案外大きな効果が期待できると考えられるのだ。
今回のスーパーアグリSA06はSA05に比べて20kgの軽量化が出来たそうだが、そうした規定重量より軽くなった分をバラストとして重量バランスを理想に近づける位置に積むことになるが、代わりにこうした装置を積めれば、重量バランスの改善以外に、マシンのハンドリングなどを改善する効果が期待できそうに思える。
700kgしかないF1の重量のことを考えると、10kg程度の円盤を数万rpmで回転させれば想像以上に大きなジャイロ効果が出て、それを上手く利用できれば、ドライバビリティーの改善が可能になると考えるのだが・・・如何なものだろうか?