最近お気に入りの若手Jazz Trumpeter Christian Scottの2006年のとてもカッコ良いデビュー作。緊張感と心地よさが同居する希有な作品であると思う。曲目は以下の通り。
1. Rewind That 2. Say It 3. Like This 4. So What 5. Rejection 6. Lay In Vain 7. She 8. Suicide
10. Paradise Found 11. Kiel's Theme (Song For My Brother)
ツンと上を向いたトランペット、ちょっとおや?っと感じさせる。しかし、音は僕にはマイルス直系に聞こえ、クリアで濁りなく太いブロウである印象だ。彼自身60年代後期から70年代前期のマイルスを「モデル」にしたのかもしれない。決してJazzのフォーマットは崩していないと思うが、E-Guitarを入れた変則クインテット、さらにサックスを入れたセクステットで醸し出す音は前記のスタイルを現代的に解釈して彼自身のアレンジを加えたものであると思う。限りなくテーマをぶっ壊しているのにアドリブ演奏が心地よさも醸し出しているのはもしかしたら彼は天性のメロディメーカーなのかもしれないとも感じさせ、間の取り方も帝王並みに天才なのかと感じさせた次第。アップテンポなSo Whatはいかにも若者の解釈との感じさせるが、6曲目Lay In Vainでは即効メロディメーカーぶりが堪能できる。何とも心地よい曲だ。60年代後期マイルスを発展させた印象の11曲目Kiel's Themeも僕のお気に入りだ。夜聴くには何とも言えない良いアルバムさ。