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目が覚めて時計を見た瞬間、「えっ」と声が出た。いや、声を出している場合ではない。
そこからはもう、台所まで小走り。
とにかく弁当を作らなければならない。家族の出発時間は、こちらの都合では一分も待ってくれない。
冷蔵庫を開ける。
昨日の夕飯のゴーヤチャンプルーが残っていた。助かった。これを弁当に入れる。けれど、そのままだと昨日の夕飯感が強いので、カレー粉を振って味変。炒め直している間に、作り置きのサツマイモの蜂蜜煮を出す。
冷凍庫、冷凍庫……あった、唐揚げ。
レンジに入れて、その間に弁当箱を出して、ごはんを詰めて、また冷蔵庫を開ける。
プチトマト、二個。
二個でいい。というか二個しかない。
でも、こういう時のプチトマトは頼りになる。弁当箱の隙間に押し込めば、それなりに「ちゃんとしたお弁当」になる。
朝の台所は、カレー粉や焼いたおかずの匂いがして、レンジが何度も鳴って、人の足音がして、やたら生活感がある。
時計を見る。
まずい。
ふたを閉める。箸を入れる。袋に入れる。
「できた!」
ほとんど叫ぶように言ったところで、家族が出ていく時間。
間に合った。
すばらしいな、私!!
寝坊したのに、なんとかした。
ただ、流しには洗い物が残っている。
……それは、見なかったことにして、ひと息つく。