『頭ぐしゃぐしゃ』の彼方に・・・

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chang-wei

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July 28, 2003
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カテゴリ: カテゴリ未分類
この世の中で、「笑って再開できない人」ってのが何人かはいるもんでして。


「まあ、人生生きてりゃあスネにきずのひとつやふたつはあらーな」
とか、
「ま、若気の至り、それもまた人生の勉強のひとつと思やぁいーさ」
とかいう寛容な解釈をしてくれる方が多いことを祈りつつ。

むかーしむかしのお話でございます。
「人妻」と関係を持ってしまったことがございます。
関係っつったって、こっちはよくモノの道理も知らぬ若造の身分。半分は親のスネをかじって生きてた学生の分際でございました。


「おい、お前、まだかよ?」
「え、ええ・・・」
「なさけねーなあ、オレなんかよ、今のカミサンとは15のときよぉ」
なんて自慢話からはじまって、一人一人順繰りに各々の「そっち」版身の上話がしばらく続くのです。

で、そのうち、話題に事欠いたのか、比較的私と年の近い先輩が、
「じゃあよ、こんど○○さんに話つけといてやるから、オトコになってこい」
つーことになりまして。

○○さんというのは、私たちのお店の常連さんなんですが、同時に地回りのヤッさんでもありました。
背中に竜の彫り物をしており、夏場は白いシャツ一枚羽負って店に来るのですが、そーすると、背中の紋々が透けて見えたりするわけなのです。
最初はビビりまくりの日々を送っておりましたが、人間、慣れというのは恐ろしいもので、やがてはカウンター越しに親しく世間話なんかもできるようになってきました。

そんな折、例の話が出てまいりまして、○○さん、

みたいな展開になったのでございます(世の女性の皆様もーしわけございませんm(_ _)m)。

××というのは、○○さんがいう「おれのスケ」がいるところらしい。
果たして行ってみると、普通の一杯飲み屋なんだけど、
「ま、そんな硬くならねーで、ビールでも呑みながら待ってろよ、今上でしたくしてっから」
とかいうのを聞くと、どうやら2階が「しとね」になっているらしい。



さて、○○さんに促され、ものすごく緊張して上がってみると、布団の敷かれた座敷があって、そこにいたのは、私と年端も離れぬ(ように見える)若い、地味な感じの小柄な女性。
「お待ちしておりました」などと、言葉遣いも上品だったりするのですね。
(ま、マジであのおっかねえ○○さんのコレなのか、このコ?)
などと思いつつも、ウブな男による全くおぼつかない、ぎごちない「一戦」は、あっという間にタイムアップとなり(事実短かったのだろう 笑)、服を着ていると、何やら二つ折りのメモ用紙を手渡されたりするではありませんか!?
そこには彼女の住むアパートの電話番号とおぼしき「XXXX-YY-ZZZZ」なる数字が書いてあったのでございます。

以後、バイト先での先輩諸氏の冷やかしをテキトーにかわしつつ、あまり気がすすまないながらも数日後、そこは一度味をしめた弱み、ついつい帰り道の公衆電話に飛び込んで電話をすると、「今すぐ遭いたい」などというではありませんか。

で、合流したのはこないだとはちと違う、深夜まで開いてる喫茶店。
ふたりっきりで話を聞きました。
なんでも、○○さんには囲われているけれど、別に特別ちかしいわけでもないし、むしろ飽きられている。
自分は逃げ出したいけど怖いし、お金もないし、先々の望みもない。ついてはアンタとときどきこうして遭いたい。
みたいなことを云われて、有頂天にならないハタチ前の男がいたら、それは不自然でしょう。
それぐらい、なんにも知らない奥手の男の子、はまっていくよ奥の細道の魔性のささやき。
やけぼっくいに火がついちゃったってわけで。

つーわけで、しばらく「○○には内緒よ」といわれ、「そーいう関係」が続きましたが、引き続き店に出没する○○さんに対する恐怖と緊張といったらございません。
「おう!」と声かけられるたび、「おめえ、その後オレに断りなくあのスケに入れ込んじまってるらしいな、この落とし前、どーしてくれんだコラ!!」
などと凄まれた日にはどーしよう、この際すっぱりと手を切ってしまうか、だけど、アホな私の脳みそは、この期におよんで「駆け落ちという手もあるな」などという限りなくアホな方向性をも見出そうとしていたのでございます。

だけどそんな度胸などあるワケもなく、そんなこんなしているうち、なんだか疲れてきた私は、次第にその女性とも疎遠になっていきました。
下宿に電話が何度かあったらしいのですが、居留守を使って逃げたりとか(あーなさけない)。

そのうち、なんとなく電話して「オレまだバカな学生だしガキだし、ちょっち親ももっと勉強しろとかいってるし」とかいったら「あっそ」といわれてそれっきりになりました。

というわけで、私にとっては感動スペクタクル・ルパンⅢ世カリオストロの城的初恋巨編、ことアホバカ恋は終焉を迎えたわけで、○○さんはその後、何かの病気で死んだらしい、なんて話しも風の噂に聞いたりしましたが、この女性が今どうしてるのか、何も知りません。
堅気の、オレなんかよりずっとリッパな職人さんの家や、農家あたりにとついで幸せに暮らしていて欲しいなあ、などと思う一方、まかり間違って再開しても、お互い目を合わせずこそこそとすれ違う程度であって欲しいなあ、などとも思ったりするわけであります。

なんでこんなこと書かなきゃいけないの!?
ハシラがだらしないからだぞ、このべらぼーめ。





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最終更新日  July 28, 2003 02:32:53 AM


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コメント新着

野鳥大好き @ Re:ちょいと試みに・・・(11/21) あのな…、解ったよん。
chang-wei @ Re[1]:やれやれ・・・(11/20) 野鳥大好きさん >やれやれ…でしたね。あ…
chang-wei @ Re[1]:やれやれ・・・(11/20) setattiさん >私のPCも時々おかしくなる…
野鳥大好き @ Re:やれやれ・・・(11/20) やれやれ…でしたね。あはは、赤ちゃんなん…
setatti @ Re:やれやれ・・・(11/20) 私のPCも時々おかしくなるから困ってるん…

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