『頭ぐしゃぐしゃ』の彼方に・・・

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chang-wei

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June 11, 2004
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カテゴリ: カテゴリ未分類
もうさすがに時効だと思うからしゃべっちゃうけど。。。


結局のところ短期間で逃げ出してしまったわけなのであるが、なんで検索エンジンにひっかかってたかというと、そこの募集記事で、新聞広告の職種の欄には、どういうわけか「カウンセラー」と書いてあったりしたわけなのですネ。
その頃、カウンセラーになろうなどと露ほども思ってなかった自分であったが、ちょうどプーだったこともあり、なんだか興味をそそられて、電話して出かけてみたわけね。
そしたら「すぐ来なさい」って。

ところが実際に訪れてみると、「馬鹿ヤロー!!」「申し訳ございません!!」「デス!!」などという恐ろしげな声が聞こえてくるのね。
で、面接官に、来て早々、「体力と従順さがあれば誰でもOKです。じゃあちょうど今研修やってるから受けてきなよ」といわれて夕方まで、なにやらコピー紙に書かれた台本みたいなヤツを読まされてた。
何やら、物を紹介したり、ライバル会社を暗に批判するようなセリフから、ハンコ押させるようなことに関するセリフにいたるまで。
で、研修担当している人は、「ここの部分が大事だぞ!」とか「ちゃんとすらすらしゃべれるようにしとけよー」とかアドバイスしてるのね。


「それがお前らのこれからのメシのタネになるんだからな、大切にしろよ」とか云われて。
周りを見ると、みんなその紙を見ながら名簿みて電話かけまくってるわけさ。
で、その紙に書いてあるのが電話のセリフ。1週間の研修で覚えさせられたのが、電話でアポとれた先へ行ってしゃべるデモのセリフなわけね。

このデモのセリフ、全部しゃべり終えるまで2時間はかかる。それで、相手を納得させるのに補足だとか質問への切り返しだのがあるので、3時間はまるまるかかっちゃう。

早い話が、電話と訪問による、出版物のセールスだったわけさ。
それに附帯サービスがついて、会員制にしちゃうことによって、単なる本の押し売りじゃないぞ、ってアピールして、高いお金をいただいちゃう。
その入会を増やすのが俺たちの仕事で、歩合で給与は支払われる仕組み。

で、そうこうしてるうちに、俺たちも実際に電話かける段になって、なんだかしらないがその日のうちに2本アポが取れちゃって、でも一人でいきなり行くのは無理、ってことで、うち1本は他の先輩にお願いし、その日は、もう1本のアポの客のほうへ、先輩社員の人に随行して、横で黙って話を聞きながら「ウンウン」って、ニコニコしながらうなづいてる、ということになった。

で、そのオウチにたどりついてデモがはじまった。
そこで、見事契約取れたりしたら、そこでまた人生変わってたかもしれないね。
だけど、こちらの先輩の話が終わっても、家の人は誰も首を縦に振らない。


そもそもこの仕事、「カウンセラー」といいつつ、相手に質問とか相談の余地を与えない、つーところが面白い。
しかも、ぶっちゃけ押し売りだしね。
ただ、この商法は、会話しながらたえず相手の名前を親しげに呼び、実際の利用イメージを話の中で連想させる、ということで相手に暗示をかけることにはなってるらしい。
それで、聞くところによると、アメリカで「カウンセリングビジネス」という悪名高い商法として知られるようになったんだとさ。本当かどうか知らないけど。
売りつける商品は、40万円~130万円。それを、1戸の家庭で即日で買わせようとする商売。


フロイトとかカール・ロジャースに聞かせたら、激怒を買うことだろうね。
「カウンセラーの職業の名を汚すな!!」
「心理カウンセリングをやってる者たちが迷惑だ!!」
とか云われて。

俺も、3時間しゃべり倒して売れたことは、わずかながらだけどあったのね。
で、そしたら会社で、顧客に確認の電話した上司がいうのさ。
「よーし、今確認したけど、しっかり『落ちて』たぞ」
だって。落とすのかよ!! 鴨かよ!! って感じである。

自分がそのご家庭の人だったら、
「それ、買うんせらー?」
「ちょっと1週間考えさせらー」
「なに、すぐ買えって? それなら買わないせらー」
「バイバイせらー」
みたいな感じになって、売りにきた人も、
「ケ・セラ~セラ~♪」
って唄いながら帰っていくところを想像しちゃう。
だからダメだったんだろうね。そもそも根本のところで「自分はわりーことやって稼ごうとしてる」って思っちゃったんだから。

ただ、上司たちの過去の輝かしい売上実績を見ると、「1ヶ月に1,000万円以上を10ヶ月以上連続」とか、カベに貼ってある。
一草野球プレイヤーから見たイチロー並の記録であるよ。
つーか、そこまで自分を殺して、テンション上げ続けて、いらない本を長期間にわたって高値で売り続ける根性。いやー見上げたもんだよ屋根やのフンドシ。

そんなわけで、売れるイメージがちっとも湧かない私は、はじめのうちこそ周りのサポートを受けて大丈夫だったのだが、その後一人で売りに行くことになってからは、しばし辛酸を舐めたでござるよ。
マジで飢え死にしそうになった。歩合で売り上げゼロってことは固定給がなくて、交通費等最低限の経費支給しかないからね。

ただ、物を売る場合、何がしか人をその気にさせるためのインパクトとか、気合みたいなものが必要なことがあるでしょう。
そういう部分で勉強にはなったね。デモの筋道は、よくよく見ると的を得てるし。商品販売のためのプレゼンとしてはよくできているとは思う。
その後の人生であまり生かされてないけど(笑)。

人を蹴落として上に上がる、ってことが、自分には向いてないわけで、自分が欲しくない商品は、相手も欲しくないだろう、って思っちゃう。自動車とかPCとか、そういうものとも違うし、そのくせそれらと同等の値段取られちゃうわけだしね。

というわけで、自分宛にかかってくる知らない人からの電話にも、自分に結界張っちゃうというか、常にはじめに警戒心が強くなってしまったのね。軽度の強迫神経症に近いような感じもある。
テンションが低いときなどは、居留守を使うこともある。情けないね。
蛇の道はヘビというからねー。「だまし売り」の電話は、聞き分けてしまうんだよね。

で、冒頭の掲示板の話に戻るけど。
なんだか「被害者」じみた書き込みが連続しておった。
今どき「クーリング・オフ」もあるわけだしさ、そんなにいつまでもグダグダ書いてるんじゃないよ、と、弁護するつもりもないけど思っちゃうぐらい、悪意に満ち満ちた文章が、何十件もつづられておったよ。
被害者の会の果てしない雑談、って感じ。
関係ないけど、これ見て「ああ自分はチャットって嫌いだな」と思ったりもした。

読んでて、はじめはその会社に対して「ブハハ、いい気味」だとか思ってたけど、だんだん馬鹿げた会話に、無性に怒りを覚えてきたのはなぜだろう? 古巣へのいたわり? まさかね。
「被害者」ヅラしてる彼ら全体への向上心のなさに対する苛立ちなのかもしれないし、自分を棚に上げて云いたい放題云ってる態度に腹が立ったのかもしれない。
仮にもさ、そこで交わされてるのは、インターネットで世界中に公開されてる会話なわけだからね。何いつまでも建設的でない会話してんの? ってな感じ。

騙されて欲しくもない品物を買わされそうになった経験は俺にもあるけど、冷静に考えれば、騙されるほうにも非はあるのさ。そのとき欲しくなっちゃったんだから。
今もなお、支払期限におびやかされたり、生活もままならなくて苦しんでいるならまだしもさ。

まだ、心も身体も元気で、けれどおつむがちょっと足りなくてお金も全然ないような、そんな若かりし時分のお話でした。





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最終更新日  June 11, 2004 12:38:21 PM


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コメント新着

野鳥大好き @ Re:ちょいと試みに・・・(11/21) あのな…、解ったよん。
chang-wei @ Re[1]:やれやれ・・・(11/20) 野鳥大好きさん >やれやれ…でしたね。あ…
chang-wei @ Re[1]:やれやれ・・・(11/20) setattiさん >私のPCも時々おかしくなる…
野鳥大好き @ Re:やれやれ・・・(11/20) やれやれ…でしたね。あはは、赤ちゃんなん…
setatti @ Re:やれやれ・・・(11/20) 私のPCも時々おかしくなるから困ってるん…

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