『頭ぐしゃぐしゃ』の彼方に・・・

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chang-wei

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December 26, 2005
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カテゴリ: カテゴリ未分類
このところ、スクールカウンセリングに非常に関心が高くて、学校でのいろんな問題というテーマに、敏感に目を向けたり、情報を集めてみたりしています。

実際、そういう方面に進むかどうかは、まだわかりませんが。

さて、表題は、最近読んだ本のタイトルです。
著者である、金盛浦子さんというセラピスト(臨床心理士)が、自らが相談に応じた事例の中から、教員の生徒指導の犠牲(文中ではこう書かれていますが)となった児童生徒の例をとりあげ、その教員の指導のあり方に対して、この本の中で、問題点(欠点)を指摘していく、という構成になっています。

なんだか読んでいると、先生の、ごく日常的な子どもたちとのやりとりを通じた稚拙さ、お粗末さが浮き彫りになっているのを感じます。
教員という仕事の現場が、実際どのような仕組みで、学校がどんなミッションを掲げて、各先生がたが指導に携わっているのかは存じませんが、先生だけの力に委ねておくわけにはいかないな、という気持ちにはさせられますね。

英語の堪能な帰国子女に対してライバル心をむき出しにして、生徒が求める主張の機会を奪って不安をもたらし、挙句の果てに登校拒否に陥れてしまう、中学の英語教師。
不登校児童に対して、「本人のやる気のなさ」ばかりを問題視して、両親や家庭環境ばかりを責め、おのれの非を省みようとしない小学校教師。


・・・ほかにもいろんな事例があるのですが、読む限りでは、アホ先生ばっかしですな。
ただ、よくありがちな話かなあ、とも思える。そういえば、こういう先生も自分たちが子どもの頃、いたようないなかったような。
学校の先生といっても、一人の人間ですから、楽もしたいし、自分のことを中心に考えたくなるともあるはずなのはわかるけど、教育という仕事の場で、それを前面に出しちゃイカンよなあ、出しちゃったから、本のネタにされてるんだからなあ、とか。

ちょっと気になるのが、この本は誰に向けて書かれている本なのかな? ということなんですけどね。
テーマから見ると、教職の人向けの本なのかもしれないんだけど、その割には、先生の立場に立った書き方が、ぜんぜんされてないわけで。
個々の事例の中には、先生の目から見て「これはああだったから私はそういう態度に出ざるを得なかった」という言い分があったはずなのだが、各事例の中で、著者の金盛さんが先生たちの話を直接聞いたという記述はほとんどないのです。
あるとしても、ご両親にかわって先生に抗議に行ったということ程度。あとは殆どがお母さんおよび本人とのやりとりのみ。

だから、この本を先生向けに読ませるとしても、その内容がいかに的を得たものであるとしても、先生の立場を尊重した内容じゃないわけなので、当然反感を呼ぶんじゃなかろうか、と危惧するわけです。
ともすれば、「悪口放言本」ともとられかねないというか。

スクールカウンセラーと教員が、日本の教育現場においては、実は反目しあってて、互いのスタンスに対して批判的な目で見ているんじゃないだろうか、という、うがった想像までしてしまう。
それでは、いくら改善策を講じたところで、いつまで経ってもうまくいかないんじゃないだろうかと思うんだけど。


というわけで、云わんとすることはわかるものの、なんとなく、しっくりこない読後感を残す一冊になってしまいました。





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最終更新日  December 26, 2005 06:06:32 PM


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コメント新着

野鳥大好き @ Re:ちょいと試みに・・・(11/21) あのな…、解ったよん。
chang-wei @ Re[1]:やれやれ・・・(11/20) 野鳥大好きさん >やれやれ…でしたね。あ…
chang-wei @ Re[1]:やれやれ・・・(11/20) setattiさん >私のPCも時々おかしくなる…
野鳥大好き @ Re:やれやれ・・・(11/20) やれやれ…でしたね。あはは、赤ちゃんなん…
setatti @ Re:やれやれ・・・(11/20) 私のPCも時々おかしくなるから困ってるん…

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