全3件 (3件中 1-3件目)
1
「一病息災」二〇〇九年二二句 底冷えや轆轤をつつむ木地師の背 日の落ちていよいよ寒し木曽の関 老星の長寿を祝ふ寒昴 老夫婦杖光らせて初スキー 息白し「おはやう」交わす派遣村 針供養形見の生地のチョッキ着る 霾や白磁の欠片拭ひをり 啓蟄の空の広さへ水湧けり ユリノキを削りて笛に雛の家 三月十日水面ははやし隅田川 メビウスの帯を巡るや春スキー 手をつなぎ桜の丘を老夫婦 流刑地や岩屋に夏の波白し 田水張る天地抱き合ふ安曇野へ 菖蒲湯や新人と入る旋盤工 寄せて去る麦秋の波遠囃子 術前や土用鰻に気をもらふ 梅雨晴間雲間にさがす槍ヶ岳 天高し犬追かけるブーメラン 野分去り雲は余白となりにけり 一病から息災給ふ豊の秋 神無月何はなくとも妻のをり
2011.01.31
コメント(0)
唇に似たる?子寒の酒 悪役のドウラン落とし花の宴 安曇野の田水の中を祭船 萬緑や子山羊を舐める母の舌 爺の守る泉は枯れず?の山 掌は弥勒でござる額の花 退職願書く涙の色に結ぶ汗 新盆や形見の言葉「もったいない」 門前や百味箪笥の店涼し ししうどや下山の道の長きこと 良夜なり子ゐて妻ゐて母の笑み 寄り添ひて寄り掛らずや秋桜 老いてなほ燃ゆるものあり吾亦紅 時雨来てチロルは高く美しく アウシュヴィッツへの鉄路へ釣瓶落としかな 霧の夜や往時のままの鉄条網 母逝きし頃となりけり神無月 まだやわき落ち葉踏みゆく無言館 底冷えや轆轤をつつむ木地師の背 洟水や研ぎてまた塗る木曽漆 小春日や小鋸挽きをるお六櫛 日の落ちていよいよ寒し木曽の関 山の尾を時雨と帰る木曽路かな 従兄弟煮や冬至南瓜もことことと
2011.01.26
コメント(0)
はっかいさんから、久しぶりに俳句メールが来たらなんと 2007年から2010年までの自薦句。一度に載せられないので、一年毎にしました。壽峯院治覚」二〇〇七年二四句選 百歳まで生きよ吾が母冬蒲公英 遺伝子やポトンと落とす寒卵 寒花火ゾルゲの墓は鏡のやう 寒昴埴輪の家族輪をつくる 春霞突きぬく男根安曇富士 早苗田の赤き日輪命濃し 田水入る今の地球は水の星 麦秋の風を棲みかに道祖神 断層湖底へ底へと新樹光 臍の緒や忘れてならぬ原爆忌 一時帰宅盆の夕餉へ躄る母 穂孕みの田から安曇は凪になる 赴任先の妻から電話花薄 露けしや車座となるホームレス 餞の金平糖や藤村忌 妻とともに生かされてゐる?紅葉 間引き菜を添へてひとりの朝餉汁 生も死も安曇にゐたし夕紅葉 落葉松を洗ふ時雨や無垢の愛 初冠雪ぽつりと老母「帰りたい」 大正ロマン母の勤労感謝の日 冬霧や今思ひ出へ母の笑み 常念岳を愛でし母逝く冬落暉 母逝きし余白のやうな大晦日
2011.01.24
コメント(0)
全3件 (3件中 1-3件目)
1
![]()

