はっかいさんの俳句
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鶏の脚掴む姑娘市の春烏城四方に数多のどんどの火遺伝子やポトンと落とす寒卵寒夕焼け繰り返し読む師の手紙雪おろし軒のぼり来るカレーの香今日もまた雪踏むことに始りぬ梅の香やとくとくとくと木魚の音冬座敷気息整へ待つ一手安曇野の空真二つ冬前線鴨の群石のごとくに休みをり鷽替の鷽を見てゐる赤子の目悴む手ほどきて今日もケーナ吹く雪山を下るや宿の仏顏凍空に夕餉の煙馬頭琴春を待つ樵の削る檜箸埋もれ木の弾力踏むや春スキー一山は連翹の黄や白磁墓碑春暁やただ陋巷に老ゆる犬一力を曲がれば春は夕暮れて肘立ててみれば土筆のピアニシモ芽柳や魯迅の像に風の酒旗積読の山崩れけり春うらら咲いたりな千手のごとく黄水仙恐ろしや全身耳の新入生老いてなほ女は春を連れてくる 帰り来て春泥拭ふ離職の日一幅の画に花あかり天興寺休耕田花の一揆や踊子草春耕や安曇野膳の豊かなれ田水入る今の地球は水の星教え子の嫁ぎし家に鯉幟寒花火ゾルゲの墓は鏡のやう武器持てと子等に言ふのか武者人形弾痕を洗ふ夕立盧溝橋薔薇の園シェルターのある大使館産声にちからをもらふ終戦日甲虫戈なき世などなきものか寒蜆母を流れる隅田川炬燵の子寝言は昼のいさかいか蕗味噌やすぐしあわせになる我家ありがとうと言った数だけ春となり黄沙降る妻は単身赴任なり平凡に嫁ひでうれしいぬふぐり母の日や母の寝顔にありがとう鏡中の妻うつくしく五月尽一時帰宅盆の夕餉に躄る母熱燗や亡父の耳朶懐かしく初冠雪ぽつりと老母帰りたい冬至南瓜貧しき戦後父母と言ひ訳を捜して帰る雪の暮百歳まで生きよ吾が母冬蒲公英残業の妻待つばかりおでん鍋群青に植田百枚暮れ残りほどほどの教師でゐたし梅雨の空尿しつつ老鶯聴くや木の間陰夏めくやカレー喰ふなり御堂筋夏至空へ謎の通信ナスカの絵夏越祭田は合鴨にまかせをり麦の秋歌はぬはずの軍歌かな合掌の祈りは陸奥へ揚雲雀水馬の水面をあとに?斗雲佛石にみな帽子ある暑さかな蛍や亡き師に借りし哲学書花火師の火種走るや闇の中パン揚げる露店の朝や夏燕夏の日やカプリの洞は摩訶青し爺の守る泉は枯れず?の山ノーサイド男同士の心太御柱山曳き里曳き夏を曳く望郷の思ひを曳くや祭船秋茄子の漬かり具合や触れ太鼓秋天の北信五岳恙なしブロッケンのわれに対峙す赤岳の秋毬栗や双子を抱く母の猿逢ふ瀬あり天の川貫く測地線 光得て朝露に入る漢拏山鬼やんま南無阿弥陀仏竿の先娘も妻も母の小唄に夜の秋秋来るオシャリコシャリコの笛太鼓まっさきに常念岳を見る今朝の秋一病から息災給ふ豊の秋豊の秋湯治の客の安曇節秋風の行きつくところ道祖神マロニエの秋は束の間セピア色メビウスの帯たどるごと墓洗ふ二代目の包丁捌き萩の花アウシュビッツへの鉄路へ釣瓶落しかな枯れ向日葵もう堪えられぬ首根っこ生も死も安曇にゐたし夕紅葉落ち鮎の焼く匂ひする授業中底冷えや轆轤をつつむ木地師の背樹を伐るは神を切ること神無月眼力やシテめらめらと秋霖へまだやわき落葉踏みゆく無言館天窓の明かりの高さ冬はじめ小春日や時差ぼけて飲むエスプレッソ人ごみに紛れたき日や酉の市ボルシチの鍋ふつふつと青春歌遅刻の子さあさおいでよストーブに短日や耳あててみるエンタシス
2011.11.27
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