歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2005.04.07
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さくらんぼの果実酒


さくらんぼの果実酒を飲む機会が有った。

今まで飲んだどんな果実酒とも違う。

高貴な味とでも言おうか、えもいわれぬ気品がある。

深みがあって嫌みがない。

口に含むと、千の花びらが舌の上にぱっと広がった。

艶めかしくてエロチックでさえある。



芳醇とはまさにこのことかと思う。

3年寝かせたものらしく、琥珀色のややにごった感じ。

のどを通る時の鼻に抜ける香りは、しっとりして楊貴妃を思わせる。

何処までもついて行きたくなる、深い洞窟に引っ張り込まれるような魔力。

飲み込んだ瞬間に、飲み込んだ事を後悔する。

そのままのどの奥に留めておき、永遠にその香りの中に浸っていたい。


どんなさくらんぼでもいいわけではなく、ある特定のものらしい。

古くからの有名な、たった一本の老木。

その桜そのものに様々な逸話や歴史がある。

希少で貴重なため名は明かせない。

花で魅せ、老いてなおこれだけの奥深い味を生む。

この桜は、何か特別な存在を感じさせる。

桜の内部に魂という意志があって、ずうっと「こうしたいんだよ」と
語っている気がしてならない。



マニアの間では一本五千円の値がついているという。

又いつか口にする事が出来るのだろうか。











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最終更新日  2005.04.09 16:22:13
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
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