♪ 赤ワインを飲んで粗食の日を送り百歳となる。吾は望まざるを
糖分の量を変え、皮と種を取り出す時期をずらした三種類のそてぞれが微妙に味が違う。糖分が多すぎたものはまだ甘みが優っているし、糖分を少なめにしたものはやや酸味がある。粒の色が薄かったものに、糖分を一番多く入れてあるが、意外に甘みが少ない。
最初に仕込んだものは、一週間経っても醗酵しなかったので、それから慌てて酵母を加えたもので、加糖には家あった三温糖を使った。一週間分漬けた日数が長いのと三温糖のせいで色が濃いのかも知れない。
渋くなりすぎるのも嫌だと思って早めに皮と種を出したため、市販の赤ワインのような渋みはあまり無い。
随分と色が違う。右の濃いものは、最初に仕込んだもの。
皮と種を取り除いて数日経つと、一番下に実の滓が残りその上に酵母の死骸が二層になって沈殿している。かなり透明に近い状態になっている。色は薄いが赤ワインには違いない。
滓の沈殿の様子。
まだ糖分が残っているので、醗酵はまだもう少し進むのだろう。この際、三つを合わせた方が味が整うだろうと思い、全部を一つに合わせることにした。
葡萄の実を漬け込んだ時は結構な量があると思ったが、こうして絞って液体にしてみると、意外に量が少ないのにはちょっとガッカリした。
★
生殖能力を失った人間は、生物学的にはもう生存する意味は無い。
長寿の家系を調査すると、1人でも100歳以上生きた家族がいる家系では、90歳以上長生きする確率が他の家系の4倍以上高いそうだ。
「アポトーシス(Apoptosis)」という、細胞の自殺のメカニズムが研究されるようになって、人の「加齢」や「老化」は、遺伝的にプログラムされている、と考えられていた。成熟を遂げると「加齢遺伝子」が、人を死に向かわせるというのだ。しかし、最近の研究ではどうやらそうではないらしいことが分かって来たという。
加齢による変化は「疲弊」にすぎず、正常な維持、修復のメカニズムが衰えた結果であって、維持、修復に関係する遺伝子を活性化してやれば、健康状態が改善され、寿命を延ばすことが出来るらしいことが分かって来たらしい。
つまり、それは「加齢遺伝子」と反対の「長寿遺伝子」が存在ということで、ハーバード大学のSinclairさんの単細胞の酵母を使っての研究で発見された。酵母は「細胞分裂」によって増殖するが、その平均分裂回数は約20回で、そこで「親細胞」は分裂能力を失いアポトーシスを起こす。
しかし、「突然変異」を与えた酵母では30%のの割合で、寿命増加を示したものを見つけることになり、「長生き遺伝子(サーチュインSirtuin)」の発見に結びついた。酵母の寿命を延ばす遺伝子「SIR2」に近い遺伝子が、実は人を含む哺乳動物にもあることが分かって俄かに注目されることになったという。
カロリー制限が、人の寿命の延長に役立つことは以前から知られていた。その原因は、 カロリー制限が細胞のミトコンドリアの呼吸を高め、長生き遺伝子「サーチュイン」の働きに必要なNADの生成を促すため と考えられたからだ。
身体に優しい、長生きできる食事とは、実はカロリーの少ない「粗食」なのではないかという。
さらに、昔から「赤ワイン」が健康に良いことは知られていたが、この赤ワインに含まれる「ポリフェノール」の一種である 「レスベラトロール(resveratrol)」 は、 「サーチュイン遺伝子」 を活性化する作用があることも判っている。
久米仙人
どうも長生きしたかったら、カロリー制限をする(併せて赤ワインを飲む)のが一番いいらしい。インドのHabib Mian氏が、世界最高齢の138歳で亡くなったことが伝えられたが、長生きの「秘訣」はと聞かれて、「粗末な食事を採ること」と言っていたと。
今、百歳以上の日本人は大正3年以前に生まれた人達だ。戦後の高度成長期以前は、日本人の食事は質素なものだった。ましてや大正時代に生まれた人々は、体の基礎を作る時期、今とは比べ物にならないほどカロリーの少ない食事だったはず。
今の長寿の方々はそういう食事が当たり前として、高度成長期以降もバランスの取れた日本食を摂って来たに違いない。
◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
☆ 短歌集 「ミソヒトモジ症候群」 円居短歌会第四歌集2012年12月発行
● 「手軽で簡単絞り染め」
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