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ひがしたに1956

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2008.01.14
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カテゴリ: 思いつくままに
昨日の続き・・・


一方、日本の医療サービスの良し悪しは、素人には分かりにくい。日本中どこに行っても、ほぼ同じレベルのサービスが、同じ値段で提供されてきたのだから、比較のしようがない。「あそこの先生のところは、本日限りでバイパス手術を通常の半額でやってくれるらしいよ」といった話は聞いたことがない。「水の飲み比べ」のように、「手術の出来具合い比べ」なんていうことは、通常、体験のしようがないから、手術が上手くいってもそうでなくても、患者側はそういうものだという認識しか持てなかったのが、今までの医療サービスの形態だったといえよう。

 例を1つ挙げると、海外で医療サービスを受けたことがある日本人は、日本の医療がいかに安価で、ハイレベルのものを提供してきたかを実感する。そして、目玉が飛び出るような高額な請求書が送られて来ると(どのくらい高額かは、「本田宏の『勤務医よ、闘え!』」の2007.3.5「ドイツの胃癌手術料は537万円!」に引用されている「海外での事故例と治療・救援費用保険金支払額」を参照)、「えぇっ!こんなに高いの!」とびっくりしつつも、素直に“定価”で支払うのが普通だろう(米国では、ディスカウントしてもらう方法も多々あるのだが…)。

 つまり、海外に出れば「命に関わる値段は、高くても仕方ない」と受け入れられるようになるのだ。ところが、日本に戻った途端、この感覚は忘却のかなたへと消えていくようだ。

医療サービスの価値説明が必要だ
 「水」は、太古の昔から「H2O」のままだ。にもかかわらず「おいしい水は買うもの」というコンセンサスを確立した。一方の「医療」は、昔から進歩し続けてきた。変化していない水ですら、価値が上昇しているのに、進歩を続けている医療の値段を上げるなと言われても、それは経済学的に考えてもおかしくはないか。

 ここまで述べてきた「水」「安全」「医療」の話を、厚生労働省の若き官僚の友人に話したら、「なるほど。医療コストをそんな風に考えることもできるかも…」と興味を持ってもらえた。そして互いに、時代とともにモノに対する価値観は変わっていくのだから、時代の変遷に合わせた法整備が必要ではないかという認識を見いだした。

 私は、日本の医療従事者は、自分たちが提供している医療サービスの価値説明を怠ってきたように思う。

 サービスの価値が十分に理解されていないが故に、サービスが妥当であるにもかかわらず、患者や家族に訴えられる。サービスの価値が低く見積もられているがために、患者が不必要に救急外来を受診したりするのではないだろうか。





(次ページに続く)





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Last updated  2008.01.14 18:30:21
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