『とんとこひ・セクスアリテ』

November 28, 2008
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書 名 朝鮮史譚
出版社 発行所=天佑書房
著 者 金素雲
発行年月 1943(昭和18)年1月1日

手書きハート内容情報
確かな史眼と熱情で語る高麗・李朝の一千年の歴史。

高麗の建国;
千秋太后;
灰になった宮殿;
西京の乱;
武臣天下二百年;
贈送蓮花片;
高麗最後の日;
善竹橋の血痕;
李太祖と無学大師;
端宗六臣;
恵みの雨;
柳の葉;
隣の柿;
刑場の志士;
紫衣娘子;
宣祖から正祖まで;
摂政大院君


クール増補版覚書(昭和十八年六月)よりの抜粋にてご紹介・お薦めに代えさせて頂きます^^



 歴史が単なる過去帳であり、年代や人名の記憶であるかぎり、その歴史は死物である。・・・

 歴史とはおよそ縁の遠い私が史譚などを手がけたに就ては内心甚だ忸怩たるものがあるが、・・・著者たる私の念頭にあるのは、車内や路上で常日頃行逢ふ人達、「お早う」「今晩は」と挨拶を交す心親しい隣人達である。



 「高麗がなぜ李朝に変ったのです」---さう問はれたとき、私は口下手ながら知つてゐるだけのことを受売りせねばならない。その心持からこれは書かれた本である。・・・

今日、吾々の身辺に(専門の歴史家は別として)高句麗と高麗の見分けのつく人が幾人いるであろうか。知ることが必ずしも全部の条件ではないが、協力も、一致も、心を通ひ合わす真の理解を措いて求められることではない 。・・・



 朝鮮の民族性を云々する人が、屡その責を李朝の政治に帰してゐるが、実はその以前、既に歴史の過誤は芽生えていたのである。・・・

 世界現存の最古最善の経板---六千五百巻、十七万面の高麗大蔵経や、今日の科学を以ってして尚窺うことの出来ない陶磁器の神秘、西洋に先立つこと三世紀といはれる鋳造活字や本家の支那を瞠若たらしめた李朝の学芸など、




何れも中世朝鮮の最も不遇暗澹たる時期に咲き出でた文化の華である。
 一概に歴史の暗さに面を背ける前に、その病原の遠く深いことを知り、且つはその不幸によつて民衆が如何に鍛へられたかを思ひ潜めてみるのも心愉しい課題の一つではあるまいか。






書 名 天の涯に生くるとも
出版社 発行所=新潮社
著 者 金素雲

発行年月 1983(昭和58)年5月25日

手書きハート内容情報
「狭間に生きる」
  *
「逆旅記」
図書館大学
愛憐のいばら道
たゆたう面影
案内地図1枚
白秋城
殿様のひげ
ひとひらの雲 黒い雲
ボタンとボタン穴
壊れた〈木馬〉
汽車のなかで会った男
払えなかった200円
李箱異常
悪夢の季節
薬山の天柱寺
金素雲年譜


びっくり案内地図1枚(「逆旅記」より)の抜粋にて、ご紹介・お薦めに代えさせて頂きます^^



 秋が過ぎ、冬が過ぎ、春、夏が過ぎて、また再び秋、冬がめぐってくるまで、私は足まかせのあてどのない旅路をめぐり歩いた。・・・

この間に私は〈 人間 〉を学んだ。・・・
こちらが極度の窮境にいるときは、誰も私に敵意をいだく種がなく、猜疑も憎しみも存在し得ないという、しごく平凡な原理を私が学んだのも、この〈巡礼〉からだった。・・・



幼い頃には声もか細く図体も小さかった私が、人の半分ぐらいでも足に力がついて体質もよほど丈夫になったという肉体的な利益もあった。・・・
もしも私が東京や大阪、或いは京都、神戸のような都市だけを見てきたとしたら、・・・。

もう日本は四十年前のあの日本ではないけれど、どの地方にもどの町にもやすやすとは変り得ぬ郷土の個性があることは、




わが国土の場合にひき合わせてみれば簡単にわかることである。・・・

実利的な面を離れて、私の心に〈 人間 〉を悟らせ、感じさせてくれたことが、青春期の感情放出から得た最も大きな収穫ではなかったかと思う。



人間 の価値は学識や財力には関わりがなく、それを判断し見積もるもう一つの秤が別にあることを、この徒歩旅行で私は学んだ。

私とは何ら利害関係の対立もない、その上それが情実を離れたよその国の人たちだというところが、 人間 の醜く弱い面までをもすべて含めて、私にまたとない教材となったのである。








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Last updated  December 9, 2008 12:19:24 PM
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