このところ手塚治虫氏の漫画ばかり読んでいたのですが、やはり日本の戦国時代の小説が読みたくなって、いろいろと本を詮索していたところ、この本が目にとまりました。

加藤 廣氏が書いた「信長の血脈」という本です。加藤 廣さんといえば「信長の棺」という小説があり、その小説では本能寺で死んだ信長の遺体が見つからなかったことを題材にしていました。
この「信長の血脈」は、4編の短編小説が掲載されていますが、いずれも主人公は信長ではありません。というか、信長が登場する場面はあるのですが、あくまでも端役的な登場にすぎません。
さて、4編の短編ですが、「平手政秀の証(あかし)」では、信長の傅役であった平手政秀は、信長の行状が粗野であったことを諌めるために切腹したとされていますが、加藤氏はそうではないとしています。
また「伊吹山薬草譚」という小説は、伊吹山にヨーロッパの薬草を植えようとする宣教師と、これを阻止しようとする日本の僧侶たちの争いが展開されるのですが、実は意外な人物が絡んでいたという話です。
「山三郎の死」という小説では、豊臣秀頼の本当の父親は誰かという話であり、「天草挽歌」は島原の乱の本当の首謀者は誰かという話で、主人公は天草四郎ではありません。
どの小説も世間的にはあまり知られていない人物を主人公に据えているというところが面白い話となっています。
特に豊臣秀頼の父親を推測する小説は、今までも多くの作家が取り上げていたかと思いますが、この小説では歌舞伎役者の山三郎(さんさぶろう)ではないかということになっていて、なかなか面白い展開でした。
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