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いよいよ引越当日、搬入にやってきたのは、息子、孫を含めた男性陣ばかり。通常、開梱などで力になる女性達は、誰一人手伝いに来なかった。これが、この方の今までの人生だったのだろう・・・。「引越前に、いらないもの捨ててきてね」と伝えていたのだが、運ばれてくる荷物は、他人の私達から見ても、年代物の物ばかり。「おばあちゃん、自分の荷物だから自分で片付けられるでしょ!!!」といった感じの引越だった。落ち着いた頃を見計らって、訪問してみた。最初の頃は、全自動洗濯機の使い方が分からない、IHクッキングヒーターの使い方が分からない、道に迷ったなど、頻繁に電話があったが落ち着いて過ごしているようだった。そうそう、私達がいつも見かけるときは、いかにも「老婆」なのだが一度、外出直前の本人に会ったが、どこぞのマダムとばかり見まがうほどの化粧・変貌だった。女性の、別の一面を見たような気がした。くわばらくわばら。
2019.10.24
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施設入居のMさんの退去を見送ったのもつかのま、夕方には別の方の入居が控えている。急いで原状回復を始める。事の発端は1週間前。「福祉アパートに母が入居します」という娘さんからの電話だ。内覧もしなくて良いから、すぐ入居したい、という。事情は、ある・・・・よね?でも本人の口が重い。提携の役場の方に聞いてみると切羽詰まった事情が見えてきた。自分の生母ではあるが、自分達兄弟が子供の頃に、家族を捨てて再婚した。何十年も疎遠で母親らしい事は、何一つしてもらってないのに、再婚相手が亡くなった途端、子供達にすりよってきた。邪見にも出来ず、接していたら居候を始め、オレオレ詐欺、リフォーム詐欺の尻ぬぐい。「私達にも家族がいる!このままでは、母の首を絞めてしまう!最後ぐらい一人暮らしをして欲しい!」ということだった。聞けば、今いる長男夫婦の住まいも平屋の2間に老女を含めて、6人で住んでいる。息子夫婦の疲労の色が、初対面の私達からでも分かるくらいだ。それこそ、終の棲家になるのだろう、引き受けることになった。
2019.10.23
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