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2005年07月17日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
「動く美術館」が京都の町をぐるっとパレードする、それが祗園祭の山鉾巡行です。マラソンのように、沿道には多くの見物客が、計32基の山鉾が通り過ぎていくのを見るわけです。今回は(1)大通りのビルの4階から(2)鉾が回転する曲がり角(3)狭い路地を大型の鉾が進む地点、の3カ所で見ることができました。カメラの撮影ポイントを変えるように、見学場所を変えると、楽しみ方も違って面白いことがわかりました。

宵山が終わって終電で帰った翌日、疲れが抜けきらないまま、朝の電車で京都に向かいました。すでに街にはあふれんばかりの観光客。大きな通りが通行規制されているので、団体ツアー客ですらバスを利用できず、地下鉄に乗車していました。

山鉾巡行は午前9時に四条通からスタートします。が、ここは少し手抜きをして、午前10時半、順路の後半地点、烏丸御池付近での見物と決め込みました。両側計6車線の広い御池通での行進を見ようと、事前に会社関係の方にお願いして、通り沿いのビルにおじゃましました。実際、上から見る山鉾巡行は、全体が見渡せてテレビ中継のようなアングルで、非常にわかりやすく見ることができました。

山鉾は、大きな「鉾」と、小さめの「山」の二通りに分かれます。「鉾」は重さがなんと12トン。高さ・17~25m、車輪・直径2m、床面積・4畳半~6畳という、特殊な車輪付き木製コンテナ。車両の先頭に音頭取りが2人、二階部分に囃子方およそ40人が、屋根に4人が乗ります。これを30~40人が引っ張ります。いや、これは重いだろうな。「山」は重さが1.2~1.6トンで、引き手が14~24人。

ということで「鉾」と「山」では見た目の迫力が全然違います。「鉾」が来るときは、引き手がたくさんいて、しかもお囃子の音が遠くから聞こえてくるので、本体を見るまでの間があります。「山」は引き手が少なく、お囃子もないので、あっという間に通過していきます。すべてがあっという間に通過するというのではなく、3基ごとのまとまりで行進があってときどきインターバルが入る、という感じです。時折前が詰まって、渋滞状態になることも。動くものが美術館なので、少し悠長な方が見る方としても助かります。

パレード行程のの後半だからか、それとも30度を超えてしかも蒸し暑いせいか、引き手も囃子方もぐったりとしている人が散見されました。まあでも、手先までぴちっとそろえて行進するのは、高校野球か北朝鮮のパレードくらいだから、その方が現実的で好きですけど。

全体の3分の2が通過したところで、見学地点を御池新町に移しました。ここは山鉾が不器用かつダイナミックに90度方向転換をする「辻廻し」が見られる場所。山鉾は木製の車輪と言うこともあって、直進しかできません。辻廻しでは、車輪の下にたっぷり水をまき、その上に薄くて細い竹を何本も敷いて、その上をすべらせることで、何トンもの車両を方向転換させます。よく引っ越しで重いものを動かすときに、下敷きとなる布を用意しますが、あの要領に似た感じがします。竹を使うのは、京都に竹林が豊かなことの証なんだそうです。

動く美術館だし重いんだったら、乗っている人が全員降りて、軽くしてから方向転換すればいいんじゃないか、と思ったら大間違い。全員定位置についたまま、伝統に則った方法で動かします。音頭取りのかけ声に合わせ、90度を4回くらいにわけてターンします。前述の大きさの鉾がきしみながらターンする様は、不格好であるがゆえに、本体ごと崩れないか、車輪が傷むことはないのかと心配になってしまいます。1度ターンをするたびに、拍手がわき起こっていました。

そのあとは、新町通の中に入っていきました。新町通は非常に狭くて4mくらいの片側通行の道路、両側には町家やマンション、電柱が所狭しと立ち並ぶ中、大型の鉾が入っていきます。それはさながら、狭い住宅地に大型バスが入っていくような「あー、ぶつかるぅ」というスリル。ただ、大型バスの場合は、住宅が壊れないかと心配するわけですが、今回は山鉾が大丈夫かと心配するわけです。なにせ美術館ですから。



と、こんな感じで祗園祭は粛々と進行していました。終わった後は、何事もなかったように交通規制が解除されて、烏丸御池周辺は、いつもより少し多めの観光客が歩いている感じ。あれだけたくさんいたギャラリーはどこへ行ってしまったのだろう? 祭りの後の寂しさもなく、非常にサバサバとした印象でした。

貴重なものが街を行進するというのは、不思議なものです。普通は、ぶつかってビルが壊れないかと心配するのに、乗り物が壊れないかと心配するのは、やはり歴史と伝統のなせる技なのでしょう。恐るべし。次回はもっと新町通をマークして、大型の鉾と狭い住宅地のせめぎ合いを堪能したいなと思いました。





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最終更新日  2005年07月19日 01時42分10秒
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