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2006年03月02日
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カテゴリ: 伝統文化
料亭が日本の食文化を体現するものだとすれば、吉兆は料理界の日本代表のひとつだと思います。その京都本店で、しつらいを見学し、創業者のお孫さんの話を聞き、お昼をいただくことができました。いやはや、すばらしかった。

吉兆京都本店は、嵐山・渡月橋から桂川沿いに歩いた先にあります。お店らしい看板はなく、庭の樹木が囲む白木の門に、縦書きで「吉兆」と小さな表札がかかっているだけ。本格的な日本家屋の門構えです。午前10時半に行きましたが、すでに打ち水がされていて、厳かな気分になります。

まずは、店内を見学。ひなまつりの前日ということもあって、床の間におひな様が飾られ、梅と菜の花が生けてありました。建物は見事な数寄屋造りで、天井には火事にならないようにと願いを込めて流水の模様が描かれている部屋もありました。部屋から眺める庭も端正で、その先には山が見えます。その風景を見れば、山中の閑居にたたずむような感覚を覚えます。庭の一角には3畳と4畳半の茶室があって、茶事ができるようになっていました。

吉兆は昭和5年の創業、商売繁盛を祈願する「えべっさん」で配られる「吉兆笹」にちなんで名付けられました。間口わずか2メートルの店として開業したのに、昭和14年には株式会社になっています。創業者・湯木貞一は昭和12年に表千家に入門、当時、茶道の世界には財界人が多く、そこで人脈を築いた彼にはパトロンが数多くいたようです。彼はそこで人脈を築くだけでなく、茶の湯の心、風流を学んだということです。それが、食材や器、盛りつけに季節感を演出するという吉兆の独自の料理に反映されるようになりました。

創業者の孫・徳岡邦夫さんのお話
「伝統といっても、その時代に必要とされなければ残っていきません。料亭では、料理をつくる人と食べる人の間の気持ちのやりとりがあるべきではないかと思います。20歳の若者と80歳のお年寄りが同じメニューを注文したとしても、全く同じものを出していいのでしょうか。若い人には濃いめのオイリーな味付けが好まれて、お年寄りは少しあっさりとした味のほうがいいのではないか。切り方も、お年寄りには食べやすいように小さく切った方がいいのではないか。切り方が違えば、盛りつけ方が変わってくる。それに応じて器が変わってくるわけです。そこまで考えて出したものが本当においしかったのか、こだわってつくるほど、作り手としてはお客様に直接確認したい気持ちになります」

「バブルが崩壊した後、政治家や大企業の社長が使う権力者の密談場所、といった料亭のベールをはぐように努力をしてきました。求人方法を変え、定価制を導入し、銀行や生保、JRとのタイアップをしました。一度来ていただいた方に、もう一度来てもらえるようにしたいと考えています」

お話をうかがった後で、昼食をいただきました。
・八寸:金箔を貼った貝殻に蟹とかにみそが乗っていました。唐墨に大根をはさんでいただくと、食欲がさらにぐっと出てきました。
からすみ@京都吉兆


蛤のうしお仕立て

・お造り:ふぐさしをアンキモのたれにつけていただきました。普通はポン酢でいただくのですが、それよりもしょっぱい感じ。モンゴイカとトロのたたきにとろけました。湯葉蒸しは京都の蒸し物らしく、あんがあっさりとしておいしい。
てっさ@京都吉兆

・焼き物:マナガツオの幽庵焼き。これは器がよくて、ひなまつりにちなんで菱餅の形です。器の中には石が敷き詰められ、その上に笹を乗せて、その上にマナガツオが乗っています。器ごとあたためるために、石の熱がマナガツオにいい感じで伝わって、冷めにくくなっています。この仕掛けが心憎い。
マナガツオの幽庵焼@京都吉兆

・鴨の鍋:鍋が出てくるのではなく、赤楽のお椀に、鴨肉が2枚。これまた醤油ベースのあっさりした味で出てきました。鴨肉のしつこさがいい感じで抜けていました。
鴨鍋@京都吉兆

・白魚のたきこみごはん:ご飯がすこし水気多めで出てきます。白魚の唐揚げが入って、少しこってりとした感じ。女将さんが座敷でよそってくれたので、料亭で食べている実感をひしひしと感じました。

・デザート:京都の2カ所でとれたてのイチゴ2つ。三宝柑のゼリー。さわやかで甘さ控えめでした。いくらでもいけそうな味です。

全体の量はそれほど多くないのですが、一品一品をかみしめながらいただきました。畳部屋でゆっくりといただく料理は、とてもリラックスできて、充実していました。

今回の昼食の値段は36750円。吉兆の客単価は5万3千円だということですから、割安でいただくことができました。食文化に興味のない人には法外な値段かもしれません。ただ、インテリア・食材・器から演出する食文化なんて、日本にしかないと思います。その食文化の奥行きを勉強する値段と思えば、悪くないのかもしれません。吉兆に言わせれば繰り返し来て欲しいということになると思いますが...





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最終更新日  2006年07月30日 01時59分51秒
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Re:吉兆京都本店@嵐山(03/02)  
なべてぃ さん
す、すごいランチですね。でも、体験してみたいっす。他の日は牛丼で済ませれば・・・。 (2006年03月05日 17時13分19秒)

すごいっ!!!  
たけしたあや さん
吉兆。。。

上の経験、うらやましい(>_<) (2006年03月06日 00時10分59秒)

Re[1]:吉兆京都本店@嵐山(03/02)  
kimama  さん
いや、偉くなれば食べられますよ。食文化に理解があろうとなかろうと… (2006年03月07日 03時10分35秒)

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