試合が始まると、やはりホームの利があるドイツには大声援。準々決勝と同様、耳鳴りがするほどの指笛が時折こだまします。前列のサポーターは全身をふるわせて応援してました。ボールを支配したのはドイツでしたが、イタリアはディフェンスで1対1の状況になっても、ファウルすることなく、シュートコースをふさいたり、複数で囲んだりしながら守りきりました。英語で言うと”bend but didn't break" (たわんでも切れない)しなやかな対応でした。延長後半までもつれこんだ試合ですが、ドイツの枠内シュートはわずか2本でした。延長後半終了間際に、イタリアが2点を取って勝ちました。いずれもわずかな隙をついたもので、見事なサヨナラ勝ちです。ワンチャンスにかける集中力、イタリアの伝統的なしぶとさがいかんなく発揮された試合でした。内容的にもイタリアの方が勝っていたと思いますので、僕はいい結果だなぁと思いましたが、「よっしゃ!」とは到底言えない状況でした。
試合後、スタジアムはドイツサポーターの落胆のため息に包まれました。隣の席のお兄ちゃんは泣いていました。立ちっぱなしだった前列のサポーターは呆然と虚空を見ていました。こういうときにまたスタジアムに流れた曲が "You never walk alone"。ドイツ人を慰めるようにしっとりと流れるなか、ピッチに残る選手たちに惜しみない拍手が送られました。 ドイツが準決勝で敗退したことは、地元ファンにとっては残念かもしれませんが、2年前の欧州選手権の内容や、大会が始まる前の予想を考えれば、大躍進だと言えるでしょう。グループリーグではディフェンスラインの裏を取られて失点していたのが、決勝トーナメントではその欠点が見事に修正されていました。監督の采配や戦術と、選手のコンディショニング、ホームアドバンテージが発揮された結果だと思います。