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2007年05月18日
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カテゴリ: 伝統文化
去年秋、京都で行われた「プライス・コレクション」展を見て以来、伊藤若冲や長沢芦雪、琳派など、江戸時代の日本画の美しさに魅力を感じてきました。

プライス・コレクション1

この春、相国寺で若冲の最高傑作を集めた展覧会が行われる、という話を聞き、是非行ってみたいと思いました。折りしも、その展覧会のプレオープンに行った方の話を聞いて、その思いを強くしました。

その話とは、
・相国寺の有馬管長が、25年前に承天閣美術館を建てる際に、この展覧会のために展示室を設計した。実際に見てみたら、33幅の掛け軸がびっしりときれいにかかっていて、それはそれは壮観だった。
・若冲絶頂期の作品で、とにかく見えないところにまで細かく線が入っている
・現在の若冲ブームで、休日には観覧希望者が殺到し、主催者の予想では最長で5時間待ちという事態も予想される

ということでした。これだけ面白そうな前口上があったら、行かないわけにはいきません。

もう一点。この展覧会の意義について、最も的確に表現されていたのが、パンフレットの案内文でした。
『古画の「釈迦如来像」と「文殊・普賢菩薩像」の3輻と、様々な動植物が極彩色で描かれた「動植綵絵」は、壮年の若冲が10年間を費やして描きあげ、亡き家族と自分自身の永代供養を願って相国寺に寄進した作品です。若沖の最高傑作として名高いこの作品は、明治時代に「動植綵絵」が皇室へ献納されて以来、全てが一度に展示されたことはありません』


若冲展のポスター


若冲のことを全く知らない上司の冷たい視線を振り切って、平日の午前中に半休を取って行くことにしました。そのおかげで、当日券売り場も、入場口も、特に並ばずにスムーズに入れました。とはいうものの展示ガラスの前は人でびっしりでした。

若冲展のチケット半券

第一展示室は相国寺と若冲の関わりを示す展示が、第二展示室には釈迦三尊像と動植綵絵が展示されてました。なんと言っても、圧巻は第二展示室です。部屋に入った瞬間から、圧倒されました。3輻の釈迦三尊像を中心に、30幅の動植綵絵が半々で脇をしっかりと固めてます。

動植綵絵は鮮やかで立体的な色彩とリアルなようで大胆な構図。若冲得意の鶏や鶴、梅や雪がこれでもかと描かれてます。動物の姿勢が非常にユニークで、体の向きと首の向きがストレートになっていることのほうが珍しいのです。例えば、胴体は左に向いて立っているのに、顔は右を向いている感じ。さらに、鳳凰の羽の先にハートが入っていたり、雀の群れの中に、1羽だけ真っ白な雀がいたり、とユニークなディテールを発見するのが楽しいです。また、33幅の中には、ジョー・プライス氏が感動のあまり、男泣きしたという「菊花流水図」もありました。

対称的に、釈迦三尊像は、仏画の描き方で描かれているために、色彩はマットで均一になっています。顔は無表情。でも、自在に滑らかな曲線と、しっかり描きこまれたディテールに若冲らしさを感じます。

素晴らしいのは、その完成された計33幅の絵が、展示室の広さ、高さぴったりに収まっていることです。その壮観なこと。相国寺の管長の思いを想像するだけで、胸がいっぱいになってきました。

もちろん、No Reasonで図録を購入。2500円でしたが、内容も充実していました。
かなりの満足を感じながらも、午後出社に間に合わせるために最後はダッシュ。結局、2日後(日曜日)に再訪しました。事前に券を購入し、開館前に行くと、それほど待たずに入れました。これは美術ファンならずとも、必見の展覧会。関西にいて良かったと、しみじみ感じました。





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最終更新日  2012年04月19日 03時32分22秒
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